異世界魔女の配信生活   作:龍翠

550 / 563
沖縄の伝統的なお菓子

 

 案内されたのは、ちょっと大きめの木造の建物。建物の前には四角形のベンチみたいなものもある。お外で食べることもできるのかな?

 お店に入ると、思ったよりも広かった。テーブル席の他に、畳のあるスペースもある。結構人もいるみたいだね。

 

「リタちゃん。注文してくるから、先に座って待っておいてくれるかな?」

「ん」

 

 おじいさんに言われて、とりあえず近くの席に座る。どんなお菓子か楽しみだね。

 そうして待っていたら、おじいさんがお盆を持ってきてくれた。

 

「お待たせ。どうぞ」

 

 お盆にはお茶とお菓子がいくつか、だね。見たことがないお菓子が多い。だから味も想像できない。最近はもうほとんどのお菓子を食べたと思っていたから、新しいお菓子というのが久しぶりで楽しみだ。

 まずはこれ……。お菓子の名称が分からない。

 

「お菓子の名前、詳しい?」

「うん? ああ、それは冬瓜漬(とうがんづけ)だね。冬瓜という野菜を砂糖でじっくりと煮詰めたお菓子なんだ」

「へえ」

 

 見た目はすごく綺麗なお菓子だね。軽く切ってみたら、琥珀色って言えばいいのかな? ちょっと黄色っぽい色だ。それじゃあ、ぱくりと。

 

「おー……。不思議な食感。外はシャリシャリだけど、中はじゅわっと甘みが広がってくる。くどい甘さじゃなくて、優しい甘さって言えばいいのかな? うん。美味しい」

 

 元はお野菜だとは思えない甘さだね。これはいいものだ。

 次はこれ。

 

「これは?」

「花ぼうるだね」

「花ぼうる」

 

 変な名前だなって思ってしまった。でも名前に花がついてるように、綺麗な模様のお菓子になってる。見た目にもこだわってるのかな? それじゃあ、もぐりと。

 

「んー……。最初はおまんじゅうみたいな物なのかなと思ったけど、クッキーに近いかも? さくっとしてる。これも甘すぎないね。たくさんあったらついつい食べちゃうかも」

 

 沖縄のお菓子は優しい甘さみたいなお菓子が多いのかな? どれも美味しいね。

 

『さっきからめっちゃ美味しそうに食べるじゃん』

『たくさん種類があるみたいでどれを買おうか悩んじゃう』

『冬瓜漬とかマジで見たこともなかったから、すごく気になるわ』

 

 今のところ、どれも美味しいよ。もぐもぐ。

 

「これ」

「くんぺん。中の餡は店によって種類が違うよ」

「へえ」

 

 お店によって違う、なんて聞いたら、他のお店のものも食べてみたくなっちゃう。他のお店、探してみようかな?

 

「変な名前のお菓子」

「ははは」

 

『くんぺん、なんて他では聞かないだろうしなw』

『おもしろい名前ではあると思う』

 

 それじゃあ、食べる。もぐ。

 

「んー……。おまんじゅうみたいに見えるけど、皮はさくっとしてるね。外側はさくっとしていて、中はしっとりしてる。餡は……ピーナッツかごまの餡かな? そんな味が感じられるね」

 

 不思議な食感でおまんじゅうとはまた違うけど、でもこれもやっぱり美味しい。もっといっぱい食べたくなっちゃう。

 

「次」

「ちんすこう、だね。先の三つと比べたらわりと有名だと思うよ」

「ちんすこう」

 

『それなら知ってる! わりと売ってるやつだ!』

『食感が好き』

 

 視聴者さんもこれはよく知ってるんだね。それだけ有名ってことかな?

 それじゃあ、これも食べよう。

 

「ん……。サクサク。ほどけやすいって言えばいいのかな。中で崩れるみたいな食感でちょっと不思議。味は、お砂糖かな?」

「ここのは黒糖風味だね」

「黒糖。黒いお砂糖」

「ははは。そんなものだよ」

 

 黒いお砂糖。ちょっと見てみたいかも。

 ちんすこうもいろんな味の種類があるらしい。おいもとかチョコ味とか……。すごく気になる。どれも美味しそう。

 次で最後、かな?

 

「これは?」

「てぃーさーあん、だね。漢字ではこう書くよ」

 

 おじいさんが見せてくれた文字は、汀砂あん。これでてぃーさーって読むの? 不思議。

 おじいさんが言うには、沖縄でもあまり見ないお菓子らしい。それでもちゃんと沖縄で作られてるお菓子なのだとか。

 

『聞いたことも見たこともないや』

『味は? 味は?』

『はよ!』

 

 ん……。もぐり。

 

「皮はさくっとしてる。パイみたいな感じかな? 中はつぶあんみたいだけど、なんだか不思議な香りがする。何の香りかな……」

「クローブだね。甘くてスパイシーな香りが特徴のものだよ」

「へえ……」

「あまり売られていないお菓子なんだ」

 

 そうなんだ。食べられてラッキー、みたいなものかな。おじいさんに教えてもらわなかったらこのお店には来なかったかもしれないから、食べられて良かった。これも美味しい。

 今回のはセットになってるものみたいで、一つ一つは少なめだった。それがちょっと残念だけど……。追加で買えばいいよね?

 

「というわけで、いっぱい欲しい」

「ははは」

 

 おじいさんにそう言ったら、店員さんを連れてきてくれて、個包装されたものをたくさん買うことができた。いいお土産になったと思う。何よりもお菓子なのがいいよね。お菓子。

 

「お菓子いっぱい」

 

『お菓子で上機嫌の魔女』

『そのうちお菓子の家とか作りそうw』

 

 童話か何かであるやつだよね。…………。作ってみたい。こっそり作ろうかな。

 そんなことを考えながら、おじいさんと店員さんたちと写真を撮ってからお店を後にした。たくさんお菓子を食べられてとても良いお店だった。

 




壁|w・)実在するお店がモデルだけどお店の名前を書いちゃだめですよ!
あと実際のセットに汀砂あんはないです。おじいさんがつけてくれた、かも?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。