異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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沖縄のカエル島

 

 いろいろ食べた。まだまだ食べられるけど、お昼ご飯にとっておこうかな。沖縄は景色がいいってみんな言ってるから、他の場所も見てみたい。というわけで。

 

「どこに行けばいい?」

 

『どこ……どこか……』

『沖縄と言えば、石垣島か宮古島だと思う』

『テレビでもその二つはよく見るよね』

『個人的には古宇利島もおすすめ。カエル島もあるよ!』

『カエル島!?』

 

 カエル島。なんだろう、ちょっと気になる。カエルがたくさん住んでる島、かな?

 

「たくさんゲコゲコしてるの?」

 

『げこげこ』

『いや、カエルに見える島です』

『つまり……島がゲコゲコしてるんやな!』

『ホラーかな?』

 

 風の音とかでゲコゲコ聞こえたらおもしろそうだけど、さすがにそれはないよね。自然とそう聞こえるとか無理だと思うし。

 それじゃあカエル島を見に行くことにする。どんな形なのか気になるから。

 場所は……そこまで距離があるわけじゃないね。車で移動となるとちょっと時間がかかりそうだけど、空を飛んでいけばすぐだ。このまま行こう。

 飛行魔法で空を飛んで、北東方向へ向かう。びゅーん、とね。

 沖縄の町並みを眺めながら空を飛んで、たどり着いたのはとても長い橋だ。隣の島にまっすぐに延びる長い橋で、古宇利大橋というらしい。今いるのは、その橋の真ん中あたりの上空。そこから橋を見下ろしているんだけど……。

 

「おー……」

 

 うん。みんなが海がすごいって言っていたのがよく分かった。

 見える範囲の海が薄い緑色みたいな色になってる。しかもこれ、自然とできた色みたい。すごい。とても綺麗。まるで……。

 

「まるで毒みたい」

 

『うおおおおい!?』

『なんてこと言うんだリタちゃん!』

『綺麗な海だなあと配信を見ていたらとんでもない発言が飛び出てきてびっくりだよ!』

 

 うん。綺麗だよ。でもこんなに明るい緑色だと、なんだか危ないものに見えてきてしまう。森でも、目立つ色は危ないって教わってきたし。

 もちろん沖縄の海に毒がまじっているとは思ってない。それは本当に。

 

「不思議な色だね。どうしてこんな色になってるのかな?」

 

『長くなるけど説明したい!』

 

「長くなるならいいです」

 

『辛辣www』

 

 お家でのんびりしている時なら説明を聞くけど、せっかくなんだし今はいろいろ見て回りたい。カエル島もまだ見てないわけだから。

 古宇利大橋の南側に行く。カエル島はそこにあるみたい。

 

「んー……。確かに小さい島があるね。南の大きな島にちょっと繋がってるみたいだけど」

 

 ちょっと濡れるけど、歩こうと思えば歩ける場所にある小さい島。それがカエル島らしい。ただ、空から見た限りではそこまでカエルには見えない。空から見てるから、だろうけど。

 みんなと同じように、浜辺から見ればカエルに見えるのかな? 早速下りてみよう。

 砂浜の南に広い駐車場があって、そこから写真を撮ってる人がたくさんいる。写真はやっぱりカエル島を撮ってるらしい。みんな夢中で私には気づいてないけど、何人かがスマホを見ていて、不意に視線を上空へ、私へと向けた。真っ先に見てきたのは、男女二人組。二人とも若く見える。

 

「あ……!」

 

 口をあんぐりと開けてこっちを見て、思い出したように手を振ってきた。私も振り返しておこう。ふりふり。

 そうして振り返したら、女の人がすごい勢いでスマホを操作し始めた。

 

『やった! リタちゃんに手を振り返してもらった! どうだ!』

『お前あの女性かよお!?』

『羨ましいそのこのやろ……野郎じゃない!?』

 

 おー……。視聴者さんだね。リアルで騒がずにコメントで騒いでるのはあまり見ないかも。

 男の人の方はその様子を見て微妙に笑顔が引きつってる。大丈夫? どん引き、みたいなやつじゃない?

 

『男性じゃなくて女性が騒ぐのかw』

『これは、彼氏さんも驚いてるけど、彼女さんの様子を見て落ち着いてしまったやつじゃな?』

『騒いでる人を見ると逆に落ち着いてしまう謎現象のあれ』

 

 変な現象だね。まさにその通りみたいだけど。

 彼女さんは彼氏さんを見て、愛想笑い。彼氏さんも愛想笑い。大丈夫かな?

 そんな様子に周りの人も気づいて、みんな私の方を見て、写真を撮ってきた。好きだね。

 とりあえずカエル島を見ないと。そのままゆっくりと下りて、男女二人組の側に下りた。

 

「こんにちは」

「こんにちは」

 

 彼氏さんが嬉しそうに挨拶をしてくれる。そして彼女さんは……。

 

『こんにちはー!』

『コメントで挨拶するんじゃないw』

『目の前にいるでしょうがw』

『お前後で後悔するぞ?』

『そうだった!』

 

 彼女さんはスマホをポケットにしまって、私に向き直った。なんだろう。頬がにやにやしてる。

 

「こ、こんにちは!」

「ん……。こんにちは」

 

 挨拶できたから、いいのかな?

 ここからならよく見える、と二人に言われたから、カエル島を見てみる。んー……。

 緑に覆われた島、だね。カエル……カエル……。うん。確かに、言われてみると海を眺めるカエルに見えなくもない。そうして思うと、ちょっとかわいいかもしれない。

 

「カエル、だね」

「でしょう?」

「干潮時なら歩いて渡れるのよ。渡ったところであまり意味はないけれど」

 

 そうだと思う。こうして遠くから見るのだから意味があるわけだし。

 うん。いいものが見れた。それじゃあこのまま、せっかくだし古宇利島っていうところに一度行ってみて……。

 

「あ、古宇利島に行くなら車に乗る? 橋を車で行く、というのもいいと思うけど」

 

 そう彼氏さんから提案された。

 

「よく言った! リタちゃんそうしようそうするべきよさあ乗って!」

「…………」

 

 ちょっとこわい。

 

『リタちゃんが尻込みするって相当なのではw』

『落ち着け彼女さんw』

『彼氏さんが呆れかえってるぞw』

 

 まあ、元気なのはいいこと、だよね。うん。

 せっかくなので車に乗せてもらうことにした。古宇利大橋を車で渡る。どんな景色かな? 楽しみだ。

 




壁|w・)げこげこ。
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