異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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消えちゃう島

 

 二人の車に乗って大きな橋を渡っていく。まっすぐに延びる橋で、左右両側はとっても綺麗な海が広がってる。本当に、すごく綺麗。

 

「おー……」

「見て。リタちゃんが目をきらきらさせて海を見てるよ。かわいいね」

「…………」

 

『彼氏さん大丈夫か? どん引きしてないかこれ?』

『彼女さんがやばいやつすぎて笑うんだけどw』

 

 ん……。なんだかいろいろ言ってるよね。彼女さんにはもうちょっと落ち着いてほしいと思う。私も、ちょっと気になってしまうから。

 視線を前に戻すと、彼女さんがちょっとがっかりしたような顔になってしまった。

 

「リタちゃんのきらきらがなくなっちゃいました。お前らのせいです。あーあ」

 

『懐かしいミームをこんなことに使うんじゃねえw』

『誰のせいかで言えば、間違いなく彼女さんのせいなんだよなあ』

 

 海は綺麗だよ。本当に。

 それにしても長い橋だね。歩道もあるみたいだけど、ここを歩くとなると結構時間がかかるかも。

 そうして橋を渡ってすぐに見えるのは、砂浜だ。たくさんの人がいて、海水浴を楽しんでるみたい。あれは、ちょっと楽しそう。

 

「夕方に真美とちいちゃんと一緒に来ようかな」

 

『楽しみにしてるね!』

『ずるっこだー! ちゃんと公共交通機関を使いなさい!』

『お前それ今更リタちゃんに言うんか?』

『もう来てくれなくなるぞ』

 

 さすがに毎回電車を使えとか言われたらちょっと面倒だと思ってしまうかも。

 橋を渡りきったところで、彼氏さんたちとは別れることになった。二人はこのまま旅館に向かって荷物を置きに行くらしい。その後は海水浴を楽しむのだとか。

 

「もしかしたらまた会えるかもね」

「ん」

「リタちゃーん! まだねえええ!」

「うるさ……」

 

『リタちゃんwww』

『ストレートに言うじゃんw』

『気持ちは分かるけどw』

 

 なんだろう。言葉の全てに濁点がついてたよ。すごく叫んでた。彼氏さんが引きずって車に連れて行って……。押し込んだ。大変そう。

 

「騒がしい人だった」

 

『あれがオタクというものさ』

『なんだろう。あれと一緒にはされたくないと思ってしまうな』

『しかしあんなものではなかろうか』

 

 ああいう人もいる、という程度で覚えておくよ。

 それじゃあ、海はまた後で楽しむとして……。次はどこに行こう?

 

「見ておいた方がいい場所ってある?」

 

『だから候補が多すぎるんよ』

『宮古島と石垣島はマストだろやっぱ』

『あえてのバラス島で! 今ならまだ島がある!』

『まるで時間によっては消えるみたいなw』

『満潮時はよく消えるよ』

『マジかよ』

 

 おー……。消える島。ちょっと見てみたいかも。

 

『消える島か。こっちの世界にもあったな』

『なにそれ』

『シッショくわしく!』

『また今度なー』

『ひでえw』

 

 消える島。私の世界にもあるんだ。あとで師匠に詳しく聞こう。

 とりあえず、消える島というのがどんな島か見てみたい。満潮って、海の満ち引きのことだよね? あれで沈むのなら、とても小さい島なんだと思う。

 スマホで……検索して……。

 

『もたもた』

『ちなみに地図アプリでも名前は出ても表示はされません』

『沈むからなw』

 

 なにそれ。ちょっと困る。

 いろいろと調べて、だいたいの場所はなんとなく分かった。本当に満潮になったら沈んでしまうらしいから、早く見に行こう。今ならまだちゃんとあるらしいから。

 ぱっと転移して、到着。場所は沖縄のずっと南西。

 

「石垣島とにしおもてじまの近くだね」

 

『にしおもてじまw』

『リタちゃん、それいりおもてじまって読むねん』

 

「……? 西はいりとは読めないのに……」

 

『地名ってそういうものだからw』

 

 日本語はいろいろおかしいと思う。

 眼下にあるのは、白い小さな島。数人の観光客さんがお船で来てるみたい。ただやっぱりお店とかはない、ただ本当にあるだけの島だね。相変わらず周りの海はとてもきれい。

 ゆっくり下りると、観光客さんが気づき始めた。

 

「あ、リタちゃんだ!」

「握手! 握手いいですか!」

「ん」

「あざっす!」

 

『こいつら、行動が早いぞ!』

『見るところがないからすぐに帰りそうだしなw』

 

 んー……。確かに、不思議な島だけど、見るところはそんなにないよね。お店もないし。

 島は砂浜なのかなと思ったけど、全然違った。大小たくさんの石……ではないね。なんだろうこれ?

 

「サンゴのかけらですよ。台風とかでよく島の形が変わるんです」

「おー」

 

 教えてくれたのは、観光客さんたちをガイドしていたらしい人だった。台風で形が変わる。本当に不思議な島だね。ちょっとおもしろい。次見に来たら、別の形になってるかもしれないってことだね。

 周りの景色もすごく綺麗だし……。泳いだら楽しいかもしれない。海とかのぞくときっといいと思う。

 

「でも来る手段は限られてそう」

 

『今だと西表島のツアー限定かなあ』

『台風とかだと来れないし、しっかり計画立てないと難しいかも』

 

 そんな貴重な場所ってことだね。見れてよかったと思う。

 あまり長くいて観光客さんの邪魔をしても悪いから、とりあえず近くの島に行こう。観光客さんたちに手を振って、ついでに写真を一緒に撮ってから転移した。

 




壁|w・)ちょっと沖縄長くなりすぎかな……?
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