異世界魔女の配信生活   作:龍翠

552 / 552
消えちゃう島

 

 二人の車に乗って大きな橋を渡っていく。まっすぐに延びる橋で、左右両側はとっても綺麗な海が広がってる。本当に、すごく綺麗。

 

「おー……」

「見て。リタちゃんが目をきらきらさせて海を見てるよ。かわいいね」

「…………」

 

『彼氏さん大丈夫か? どん引きしてないかこれ?』

『彼女さんがやばいやつすぎて笑うんだけどw』

 

 ん……。なんだかいろいろ言ってるよね。彼女さんにはもうちょっと落ち着いてほしいと思う。私も、ちょっと気になってしまうから。

 視線を前に戻すと、彼女さんがちょっとがっかりしたような顔になってしまった。

 

「リタちゃんのきらきらがなくなっちゃいました。お前らのせいです。あーあ」

 

『懐かしいミームをこんなことに使うんじゃねえw』

『誰のせいかで言えば、間違いなく彼女さんのせいなんだよなあ』

 

 海は綺麗だよ。本当に。

 それにしても長い橋だね。歩道もあるみたいだけど、ここを歩くとなると結構時間がかかるかも。

 そうして橋を渡ってすぐに見えるのは、砂浜だ。たくさんの人がいて、海水浴を楽しんでるみたい。あれは、ちょっと楽しそう。

 

「夕方に真美とちいちゃんと一緒に来ようかな」

 

『楽しみにしてるね!』

『ずるっこだー! ちゃんと公共交通機関を使いなさい!』

『お前それ今更リタちゃんに言うんか?』

『もう来てくれなくなるぞ』

 

 さすがに毎回電車を使えとか言われたらちょっと面倒だと思ってしまうかも。

 橋を渡りきったところで、彼氏さんたちとは別れることになった。二人はこのまま旅館に向かって荷物を置きに行くらしい。その後は海水浴を楽しむのだとか。

 

「もしかしたらまた会えるかもね」

「ん」

「リタちゃーん! まだねえええ!」

「うるさ……」

 

『リタちゃんwww』

『ストレートに言うじゃんw』

『気持ちは分かるけどw』

 

 なんだろう。言葉の全てに濁点がついてたよ。すごく叫んでた。彼氏さんが引きずって車に連れて行って……。押し込んだ。大変そう。

 

「騒がしい人だった」

 

『あれがオタクというものさ』

『なんだろう。あれと一緒にはされたくないと思ってしまうな』

『しかしあんなものではなかろうか』

 

 ああいう人もいる、という程度で覚えておくよ。

 それじゃあ、海はまた後で楽しむとして……。次はどこに行こう?

 

「見ておいた方がいい場所ってある?」

 

『だから候補が多すぎるんよ』

『宮古島と石垣島はマストだろやっぱ』

『あえてのバラス島で! 今ならまだ島がある!』

『まるで時間によっては消えるみたいなw』

『満潮時はよく消えるよ』

『マジかよ』

 

 おー……。消える島。ちょっと見てみたいかも。

 

『消える島か。こっちの世界にもあったな』

『なにそれ』

『シッショくわしく!』

『また今度なー』

『ひでえw』

 

 消える島。私の世界にもあるんだ。あとで師匠に詳しく聞こう。

 とりあえず、消える島というのがどんな島か見てみたい。満潮って、海の満ち引きのことだよね? あれで沈むのなら、とても小さい島なんだと思う。

 スマホで……検索して……。

 

『もたもた』

『ちなみに地図アプリでも名前は出ても表示はされません』

『沈むからなw』

 

 なにそれ。ちょっと困る。

 いろいろと調べて、だいたいの場所はなんとなく分かった。本当に満潮になったら沈んでしまうらしいから、早く見に行こう。今ならまだちゃんとあるらしいから。

 ぱっと転移して、到着。場所は沖縄のずっと南西。

 

「石垣島とにしおもてじまの近くだね」

 

『にしおもてじまw』

『リタちゃん、それいりおもてじまって読むねん』

 

「……? 西はいりとは読めないのに……」

 

『地名ってそういうものだからw』

 

 日本語はいろいろおかしいと思う。

 眼下にあるのは、白い小さな島。数人の観光客さんがお船で来てるみたい。ただやっぱりお店とかはない、ただ本当にあるだけの島だね。相変わらず周りの海はとてもきれい。

 ゆっくり下りると、観光客さんが気づき始めた。

 

「あ、リタちゃんだ!」

「握手! 握手いいですか!」

「ん」

「あざっす!」

 

『こいつら、行動が早いぞ!』

『見るところがないからすぐに帰りそうだしなw』

 

 んー……。確かに、不思議な島だけど、見るところはそんなにないよね。お店もないし。

 島は砂浜なのかなと思ったけど、全然違った。大小たくさんの石……ではないね。なんだろうこれ?

 

「サンゴのかけらですよ。台風とかでよく島の形が変わるんです」

「おー」

 

 教えてくれたのは、観光客さんたちをガイドしていたらしい人だった。台風で形が変わる。本当に不思議な島だね。ちょっとおもしろい。次見に来たら、別の形になってるかもしれないってことだね。

 周りの景色もすごく綺麗だし……。泳いだら楽しいかもしれない。海とかのぞくときっといいと思う。

 

「でも来る手段は限られてそう」

 

『今だと西表島のツアー限定かなあ』

『台風とかだと来れないし、しっかり計画立てないと難しいかも』

 

 そんな貴重な場所ってことだね。見れてよかったと思う。

 あまり長くいて観光客さんの邪魔をしても悪いから、とりあえず近くの島に行こう。観光客さんたちに手を振って、ついでに写真を一緒に撮ってから転移した。

 




壁|w・)ちょっと沖縄長くなりすぎかな……?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

ハンマー少女はバズらない! 固有スキル【隠遁】で自由に探索してたら伝説になってました(作者:chikuwabu)(オリジナル現代/冒険・バトル)

 魔物からも認識されないし、人間からも認識されない。そんな癖の強いスキルのおかげで人知れずソロ探索をしていたら、いつの間にかドワーフだとか座敷童子だとか、変な目撃証言が広まっちゃった、見た目子供な女の子(18)のお話。▼ そんな噂は気にもせず、妖精少女をパートナーに従えて、カレーを作ったり、ハンマーを振ったり、探索したり、人助けをしたり、たまに目撃されたり、…


総合評価:10027/評価:8.74/連載:639話/更新日時:2026年06月12日(金) 23:00 小説情報

妹の配信に入り込んだらVTuber扱いされた件(作者:江波界司)(オリジナル現代/日常)

妹がVTuberであることを知らずに、配信に紛れ込んでしまう主人公(成人男性)▼そこから悪ノリがすぎる事務所と妹に振り回される日々がはじまる。▼完全に思いつき。▼主はVTuberにそんな詳しくないけど書いちゃった。▼『小説家になろう』『pixiv』の方にも一部掲載中▼追記▼この度、一二三書房Web小説大賞にて『銀賞』を受賞しました。▼応援、ご愛読、まことにあ…


総合評価:46381/評価:8.65/連載:96話/更新日時:2026年06月08日(月) 23:56 小説情報

転生して電子生命体になったのでヴァーチャル配信者になります(作者:田舎犬派)(オリジナルSF/日常)

気が付くと何もない真っ白な空間にいた私。▼どうやらここはネットの片隅で、私は肉体を持たない電子生命体になってしまったようだ。睡眠も食事も必要ない上に寿命もない。ネットの海をたゆたうことで暇な時間をつぶしていたが、やっぱり人と関わりたい。掲示板に書き込むだけの些細なふれあい以上のものを求めた私は決心する。▼「そうだ、配信者になろう」▼これは真っ白な空間に、今は…


総合評価:59008/評価:9.11/完結:271話/更新日時:2024年06月15日(土) 18:00 小説情報

TSして自由なVtuber生活!(作者:ae.)(オリジナル現代/日常)

突如、朝目覚めたら美少女になっていた男子高校生の星宮ひかる。▼まともに話せるのは母親くらいというコミュ障な自分にも遂にチャンスが巡ってきた!▼これからは人生リセットして美少女として生きる!…が、美少女になろうともコミュ障はコミュ障。そう上手く行くはずもなく。▼結局何も変わらない変えられない。そんな彼女にある日、更なる転機が訪れる。▼これは心の中ではお喋りなコ…


総合評価:36737/評価:9.08/完結:165話/更新日時:2025年10月31日(金) 20:10 小説情報

【書籍化】配信に興味ないダンジョン配信者は今日も配信する(作者:もけねこ)(オリジナル現代/冒険・バトル)

ダンジョンが世界中に出現してはや半世紀。社会も早々に順応し、新しい秩序が形成された頃。▼そんな世界の隅っこで配信(?)をしている冒険者の話。▼カクヨムとマルチ投稿しています▼DREノベルスさんで販売中です▼【挿絵表示】▼


総合評価:5053/評価:7.81/連載:176話/更新日時:2026年06月05日(金) 22:32 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>