異世界魔女の配信生活 作:龍翠
「はい。ゴーヤーチャンプルーだよ」
「おー……!」
ゴーヤーチャンプルー。緑色のお野菜、かな? それに豆腐やお肉、卵を混ぜて炒めた料理みたい。おばあちゃんが言うには、チャンプルーというのは沖縄で混ぜ炒めという意味の言葉らしいよ。
つまりゴーヤーを入れて炒めたもの、みたいな感じかな? ゴーヤーは……この緑色のもの?
「これがゴーヤー?」
「そうだねえ」
「じゃあ、いただきます」
まずはゴーヤーから、だね。ぱくりと。
「…………。んー……」
これは……えっと……。
「苦い……」
思った以上に苦かった。苦みとかじゃなくて、苦かった。ちょっとびっくりだ。
『ゴーヤーチャンプルー、というかゴーヤーは結構苦いからね』
『苦瓜なんて呼ばれてるぐらいだし』
『その苦みがくせになるんだよ!』
くせになるんだ……そうなんだ……。正直、ちょっとよく分からない。
苦みが苦手な人の作り方もあるみたいだけど、今回は普通の作り方らしいから、ちゃんと食べないとね。食べられないほど苦いってわけでもないから。
それに、ゴーヤーだけで食べるとたしかにちょっと苦すぎるけど、他のお肉やお豆腐と一緒に食べたらわりとましになる。ちょっと強めのアクセントぐらい。
白いご飯と一緒に食べたら美味しいかも。ということで、白いご飯も出してもらった。
「もぐもぐ……。うん。これなら悪くない」
『ゴーヤーチャンプルー、許された!』
『それぐらいの苦みなら大丈夫なのか』
『ゴーヤーだけの苦みだったら許されてなかったかもしれないけどw』
ぎりぎりのラインかもしれない。
食感もわりと楽しいね。それぞれの具材で食感が違うから。豆腐は柔らかくて、卵はふわふわ。お肉はしっかりとお肉のジューシーさがある。ゴーヤーはシャキシャキとしてる。
そんな四つの食感も一緒に楽しめられて、とてもいい料理だと思う。ちょっと苦すぎるけど。
「もぐもぐ……。でもご飯にはよく合うね……。不思議とご飯がすすむ」
『わかる』
『その苦みがいいんだよ。くせになる苦みなんだよ』
『麻薬か何かかな?w』
『ほどよい苦みが好きな人はマジではまると思う』
うん。苦みが好きな人ならきっと大好きになれるはず。
「テレビでたくさん食べるって聞いたからねえ。たくさん作っちゃったけど、大丈夫だったかな?」
「ん……。美味しい。大丈夫」
「それならよかった」
もぐもぐと食べ進めて、完食。満足、だね。
「美味しかった」
「それはよかった。じゃあ、次はタコライスだよ」
「おー」
タコライス。不思議な名前の料理だね。どんな料理かな?
そうして出されたお皿には、たくさんの白いご飯にお肉、かな? それに細かく切ったレタスにトマト、チーズがのせられてる。お肉は一枚肉とかじゃなくて、挽肉にしているものだね。
「タコは?」
「タコかい? ああ……。なるほどねえ。タコライスのタコは、海のタコじゃないよ」
「そうなの?」
「タコミートのことだねえ」
「たこみーと」
なんだか知らないものが出てきた。そのタコミートのたこも海のものじゃないみたい。
『タコミートは牛や豚の挽肉をタマネギとかと一緒に炒めて、香辛料とかを加えてスパイシーに味付けしたものだよ』
『タコライスの重要な部分』
『むしろ本体』
『それは過言ではなかろうかw』
タコは関係ないんだね。でも聞いてるだけで美味しそうな作り方だ。タコライス、早速食べてみよう。
ご飯と一緒にしっかりと具材も含めて……。もぐり。
「おー……。確かにスパイシーだね。とても美味しい。レタスもあるからシャキシャキとしていて食感もいいと思う」
もぐもぐ。それに、タコミート。お肉。わりと辛みをしっかり感じられる味だけど、ご飯と一緒に食べることで辛みを抑えてくれてる。チーズもあるから、どちらかというとまろやかだ。
ご飯にお野菜、お肉、チーズ、さらにトマト。これだけでいろいろそろってる。食べやすくて、美味しい。これはとてもいいもの。
「んふー」
『お口に合ったようで何より』
『タコミート、いいよね。ご飯とタコミートだけで食べたい』
『タコライスを否定すんのやめろやw』
『タコミートとご飯があればタコライスなのではなかろうか』
『いやいやそんな……そんなこと……。あれ……?』
食感も味も、レタスとかチーズもあるから美味しいんだと思うよ。タコミートだけで食べるのも悪くはないと思うけど。
こちらも完食。とても美味しかった。満足。
「多めに作ったつもりだったんだけどねえ。本当によく食べるねえ」
「ん。美味しかった」
「そう言ってもらえると嬉しいねえ」
おばあちゃんはにこにこ笑って食器を片付けてくれてる。本当に、どっちも美味しかったよ。満足してるから。
それじゃあ、次はどこに行こうかな、と思っていたら、不意にお店のドアが開いた。
「ただいまー!」
そうして入ってきたのは、幼い女の子。多分、小学生ぐらい。ぱたぱたと走ってくる。
「おやおや。おかえり。早かったねえ」
「うん!」
ランドセルを背負った女の子がお店の奥に向かおうとして……。私と目が合った。
私に気づいた女の子はぴたりと立ち止まって。私をまじまじと見つめてる。じっと。じいっと。
『めとめがあう~てか?』
『かわいい幼女だ!』
『かこめ!』
『お茶とお菓子をご用意しろ!』
『微妙に危ない発言はやめるんだ』
女の子がぷるぷると震え始めて、そして叫んだ。
「リタちゃんだあああああ!」
とっても大きな声だった。
『うるさっ!?』
『鼓膜ないなった』
『おうどうしたよお前ら。何も聞こえないぐらい静かだろ?』
『それは鼓膜破れてるのでは?w』
冗談だとは思うけど、もしも本当なら病院に行こうね。
壁|w・)タコスを使ったご飯、と思っていたのは内緒内緒。