異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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果報バンタ

 

 のんびりと過ごして、夕方。真美のお家に戻ってきた。

 

「真美。真美。いる?」

「いるよー」

 

 リビングをのぞくと、真美とちいちゃんがリュックにいろいろ入れてるところだった。水着とか、みたい。準備はばっちり、かな?

 

『生着替えかと思いました』

『めちゃくちゃ期待しました』

『お前らキモいから黙ろうな?』

 

 さすがにもしも着替えてたらすぐに隠すようにはするよ。

 

「準備完了! ちい! 海だよ!」

「うみー!」

 

 ちいちゃんは嬉しそうに両手を上げていて、かわいい。ちょこちょこ走り回っていて、とてもかわいい。撫でておこう。なでなで。

 

「えへー」

 

 撫でてあげたらふにゃりと笑った。うん。

 

「ちっちゃい子はかわいい」

「ちっちゃい子がちっちゃい子を愛でてる」

「真美?」

「なんでもないよ?」

 

『草』

『言いたいことはとても分かる』

『いいよね……ちっこいがちっこいをなでなでしていたら、微笑ましいよね……』

 

「だよね!」

「真美?」

「なんでもないよ?」

 

『ループかな?』

『ループものって怖いよね!』

 

 むう……。いや、いいけど。真美から見ると、私は確かに小さいから。たまに真美に撫でられるし。真美のなでなでは気持ちいいから嫌ではないけど。

 

「あ、そうだ。リタちゃん。せっかく沖縄に行くなら綺麗な景色も見たいなって」

「んー……。きれいな景色」

 

 じゃあ……。またあの消える島を見に行く? 今の時間だとどうなんだろう? それとも、他の候補とかあったりするかな?

 考えていたら、たくさんコメントが流れていた。綺麗な景色の候補、だね。いっぱいだ。さすが沖縄。でもいっぱい流れてきても詳細が分からないから困る。

 

「真美。選んで」

「リタちゃん。一般人はその黒い板に流れてる大量のコメントを見分けることはできないんだよ」

「大丈夫。師匠が言ってた。九割方はゴミだって」

「師匠さん!?」

 

『おいシッショ!』

『なんてこと教えてんだお前!』

『ほう? 否定するんだな? うん?』

『否定しきれないから怒るんだよバカ!』

『悲しい……』

 

 冗談は置いておいて。あまり遅くなると暗くなっちゃうから、早く決めないとね。んー……。

 

「じゃあ、ここで」

 

 それなりに同じ地名もいくつかあったから、そのうちの一つにする。スマホで軽く調べて、二人を連れて転移した。

 そうして転移した先は、ちょっとした丘の上。那覇市からちょっと東にある島で、丘の上から海岸を見ることができる。そこがとっても綺麗らしい。

 

「うわあ!? 急に人が出てきた!」

「鳥か!? 飛行機か!?」

「リタちゃんだあああ!」

 

『どこの誰かは知らんが、何歳だよと言いたい』

『今時の若者は絶対知らないぞそれ』

『百年ほど前のネタでびっくらこいた』

『びっくらこいたも最近では聞かないけどな?』

『そんな古いネタが咄嗟に出てくる現地人はなんなんだよw』

 

 よく分からないけど、そんなネタがあるんだね。

 振り返ってみたら、学生さんがわくわくした目でこっちを見ていた。何歳だよ、と言うわりにはとても若いよ? 学生さんがたくさんいる。旅行か何かかな。

 学生さんたちに手を振られたので振り返しておく。ふりふり。

 

『ふりふり返しが羨ましい』

『いや景色を見ろよw せっかくの果報バンタなのにw』

 

 ん……。そうだね。景色を見よう。

 ここは果報バンタという場所らしい。ちょっとした丘の上から見下ろせる砂浜の海はエメラルドグリーンに輝いていて、とても綺麗だ。たくさんの自然に囲まれた砂浜で、砂浜の白さとのコントラストがとっても綺麗だね。

 

「すごい……海がとても綺麗……」

「きれー!」

「ん。毒みたいだね」

「リタちゃん。怒るよ」

「ご、ごめん……」

 

『真美さん、怒った!』

『綺麗な景色を楽しんでいたら毒みたいとか言われたらなw』

『というか毒みたいは言っちゃだめって言ったでしょ!』

 

「だって……師匠が、緑色の水は危険だって言ってたから……」

「師匠さん、あとでお話ししましょうか」

 

『え、俺か? 俺が悪いのか?』

『草』

『いやまあほら、異世界の森での教育だったからね? 多少はね?』

 

 さすがに今回は師匠は悪くないと思う。真美も冗談だったみたいで笑ってるけど。

 

「おねえちゃん、あそこで泳ぐの?」

「あそこでは泳がないかなあ。誰も泳いでないし」

 

 そもそも道がないと思う。私なら行こうと思えば行けるけど、無理して行っても仕方ないよね。ちゃんと人のいる場所の方が、ちょっとしたお買い物もできるから便利だと思うし。

 

「そろそろ海に行く?」

「そうだね。あ、その前に写真いい?」

「ん」

 

 真美にお願いされたから、みんなで写真。せっかくなのでその場にいた学生さんに、三人並んだところを撮ってもらった。お返しに学生さんとも撮ってあげたからいいと思う。

 

『綺麗な景色を後ろにしてリタちゃんと写真とか最高すぎて羨ましいので学生さんを呪います』

『長文で危ない発言すんなw』

 

 変なことは言わない方がいいと私も思うよ。

 それじゃあ、海に行こう。予定通り古宇利島、かな。

 




壁|w・)話の展開上、果報バンタには夕方に行っていますが、この時間はぶっちゃけ微妙だそうです。
訪れる際はお昼頃がおすすめとのこと。詳しくは調べてみてね!

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