異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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リタの新しい目標……?

 

 真美たちをお家に送って、精霊の森に帰ってきた。

 

「ただいま」

「ああ。おかえり」

「おかえりなさい」

 

 転移先は、世界樹の前。精霊様がにこにこ笑顔で待ってくれてる。師匠も本を読みながら待ってくれてた。なんだか嬉しい。

 

『精霊様がめっちゃ機嫌いいな』

『にこにこしてる』

『世界樹の前に来てくれてるからね!』

 

「余計なことは書き込まないでほしいですね」

 

『さーせんwww』

 

 最近は師匠もこっちにいるからね。ちょうどいいと思う。

 

「で、リタ。何持ってんの?」

「カレーのお鍋」

「なんで……?」

「作ってくれたから」

 

 真美のカレーライス。とても好き。しかも今回は沖縄に行ったから、ちょっと特別なカレーを作ってくれた。隠し味に黒糖を入れたカレーだ。沖縄のお店で買ってきたもの。黒糖そのものは東京でも買えるけど、せっかくだから、だって。

 あとはもちろん沖縄そばとかソーキそばとか……。いろいろあるからみんなで食べよう。私はカレーを食べるけど。新しいカレー、楽しみ。真美が言うには、私の好みからはちょっとだけずれてしまうらしいけど。

 ごはんをぺたぺた盛りつけて、カレーをよそう。んー……。

 

「香りがちょっと違うね。ちょっぴり甘い香りが混じってるような気がする」

 

 これが黒糖を入れたから、なのかな? この香りはちょっと初めてだと思うから。

 それじゃあ、いただきます。

 

「もぐもぐ……。カレー特有のスパイスの中に、ほんのりカラメルみたいな味がしてる、かな……? 辛さもちょっとまろやかになってる」

 

 普段のカレーとは確かに明確に違うね。口当たりも変わってる。黒糖を入れただけなのに、普段のカレーとは完全に別物だ。

 どちらが好きかと言えば私はやっぱり普段のカレーの方が好きだけど、このカレーも悪くないと思う。今まで食べてきたカレーとは違う味で、ちょっと新鮮だ。元が真美のカレーというのもあるかもしれないけど。

 

「んー……。多分、黒糖を入れるのに合わせて、他の調味料とかスパイスを調節してるよね」

 

『さすがに黒糖入れるからそれに合わせて調整なんて……』

『プロの料理家じゃあるまいしwww』

『すごい! どうして分かったの?』

『マジかよこの子』

『まあでもぶっちゃけ知ってたw』

 

 本当に、真美は私の好みに合わせて調整してくれるから安心して食べられる。黒糖を入れたカレーだけど、やっぱり真美のカレーはとても美味しい。

 

「んふー」

「幸せそうに食べるなあ」

「もぐ」

 

 美味しいものを食べたら幸せだよ。

 もぐもぐカレーを食べていたら、隣からガリゴリと音が聞こえてきた。隣を見たら師匠が大きな骨をかみ砕いてる。あれは……ソーキそばの骨、かな?

 

『シッショが骨を食ってる……』

『なんだろう。森の中で大きな骨を食ってると、悪い魔法使いに見えてくるな』

『さてはそれ、人の骨だな!?』

 

「お前らは俺をなんだと思ってんだよ……」

 

 さすがに人を食べたりはしないよ。森の動物たちは、迷い込んだ人を食べてるだろうけど、そこまで私は関与しないしね。

 カレーをたくさん食べた後は、デザートにお菓子。沖縄のお菓子は不思議なものが多いけど、これもやっぱり美味しいから好き。甘いものは正義だと思う。ちょっと塩味のものもいいよ。

 

「もぐもぐ……。ところで師匠」

「ほう……黒糖使うとこうなるのか……。ん? なんだ?」

「お菓子のお家作りたい」

「ちょっと何言ってるか分からないですね」

「師匠?」

 

『シッショwww』

『おら! かわいい弟子のおねだりだぞ! 聞けよ!』

『なお精霊様は話を振られないように必死に気配を消してるっぽい』

 

 あ、そうだ。森に作る以上は精霊様に言わないとだめだよね。うん。

 

「精霊様」

「どうして私に触れたんですか気配を消していたのに!」

 

『草』

『おら! かわいい愛し子のおねだりだぞ! 聞けよ!』

『なあに、森が甘ったるい香りになるだけさ! いけるいける!』

 

 香りがだめなら結界でどうとでもするよ。だから、だめかな?

 

「だめ?」

「…………」

 

 師匠は大きな、とても大きなため息をついた。そしてまっすぐに私を見つめてくる。なんだろう?

 

「リタ。お菓子の家を作るとする」

「ん」

「材料が目の前にどかんとあるわけだ」

「ん……」

 

 お菓子の山。いいよね。

 

「食べずに我慢できるのか……?」

「…………」

 

 がまん……。がまん? がまん……。

 

「そもそも作ったとして、それ食べずに我慢できるのか? せっかく作ったのに食べちゃったら一瞬で消えちゃうぞ? いいのか?」

「…………」

 

 で、でも……。お菓子のお家……。いいなって……。んー……。

 

「わかった……。今回はやめる」

「うん。そうしろ……、今回はってことは諦めてはないのか……」

 

 我慢しなくてもいい方法とか、いろいろ考えてみようと思う。

 

「お菓子のお家。いつか作りたい……」

「お前らのせいで変な目標できてるぞどうすんだこれ!」

 

『さーせんwww』

『でも見てみたいと思ってるのは内緒だ!』

『リタちゃん、森でだめなら日本で作ろうぜ!』

『新たなランドマークになりそうw』

 

 日本で作るのもいいかもしれない。精霊様もそれなら安心だろうし。

 どうしてか師匠と精霊様が頭を抱えてるけど、理由は分からない。不思議。

 ちょっとだけお菓子のお家をイメージしながら、追加のお菓子を食べた。とっても甘くて幸せ。

 




壁|w・)お菓子のお家作り編、開幕! …………。しません。
次回からは獣人国に戻ります。おにく! おにく!

カクヨムに投稿していた『侵略者系魔女の侵略ライフ』をこちらでも投稿し始めました。
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