異世界魔女の配信生活 作:龍翠
「お久しぶりです、師匠さん」
真美のお家に転移して、真美と師匠が話してる。師匠はちょっと気まずそう。
「あ、ああ……。どうも」
「ふふ。どうしたんですか?」
「いや、なんでもないよ……。うん。なんでもない」
この間のことがあったから、かな? もう気にしなくていいと思うんだけど。
「真美。空港にはどうやって行くの?」
「タクシーを呼んでおいたよ。もう来てるらしいから、行こっか」
「ん」
というわけで、お家を出て一階に向かう。マンションから出ると、青い車がとまっていた。乗用車、というやつらしい。
「これがタクシー?」
「そうそう。相手は一般人だからね」
「ん」
「その注意は意味あるのか……?」
分からないけど、なんとなく気をつけようと思う。
タクシーに近づくと、ドライバーさんが外に出てきた。
「こんにちは。予約していた真美です」
「は……。は、はい! お待ちしておりました……、あ、いや、ちがくて……」
「あはは。気にしないので空港までお願いします」
「はい!」
ドライバーさんは、若い男の人、だね。なんだかちょっぴり緊張してるみたい。どうしたのかな。
荷物は車の後ろ、トランクという場所に入れるわけだけど、今回も荷物は全て私のアイテムボックスに入れておいた。だから荷物はなし。でも仕組みが気になったから見せてもらった。ちょっとおもしろい。
「ここにも乗れる?」
「やめようね?」
「ん」
だめらしい。一般の人だと普通に危ないんだとか。
タクシーに乗って、空港へ。空港の名称はそのまま心桜島空港。こういう場所は分かりやすい名称の方がいいよね。
そうして、空港に到着した。
「さて。それじゃあそろそろ配信していいよ」
「ん」
それじゃあ、配信開始、だね。
「空港に来た」
『リタちゃんおはよまってえええ!?』
『今日の配信は遅いなって思ったら、空港、だと!?』
『なんでいきなり!?』
「函館に行く」
『なん、だと……!?』
『よく見たらシッショと真美ちゃんもいる!』
『函館旅行か! いいなあいいなあ!』
いいでしょ。だってこれから。
「飛行機に乗る」
『あ、なんかそわそわしてると思ったらw』
『飛行機に興奮する、普段から空を飛ぶ魔女』
『妙だな……』
『何が妙なんですかね?』
空を飛ぶ飛行機。とっても楽しみだ。
空港の一階は、チェックインカウンターというのがあるみたい。あとは荷物を預ける場所。心桜島はそこまで人が多いわけじゃない、と思っていたけど、結構な人数が集まって手続きをしてる。
「並ぶの?」
「私たちは並ばないよ。ネットで手続き終わってるから、保安検査にそのまま行くだけ」
「おー」
『便利な時代になったもんだよね』
『あれ? 荷物は預けないの?』
『ヒント、リタちゃん』
『理解したw』
まだまだ荷物はたくさん預かれるよ。
たくさんの視線がこっちに集まってきてるけど、気にせず二階に向かう。とっても広い部屋の右側にエスカレーターがあったから、そのまま二階へ。
二階もまたすごく広い部屋だった。上がって、左側に何かの列がある。保安検査の列なんだとか。
「保安検査」
「そう。保安検査。危ないものを持ち込まないようにするために検査するんだよ。武器とか持ってたら当然だめだからね?」
「杖は?」
「だめです」
「刃物じゃないよ?」
「だめです」
『無慈悲w』
『しかし当然ではある』
『いやでも、魔法を使うのはリタちゃんだから……』
変なことは言わないでほしい。なんだかちょっと嫌な予感がしてくるから。
「このまま保安検査に行ってもいいけど、どうせだから送迎デッキにも行こっか。飛行機がたくさん見えるよ」
「おー!」
それはちょっと見てみたいかも!
真美に案内されて、エスカレーターでさらに三階へ。三階の北側に外に繋がるドアがあった。そこから飛行機の発着陸を見ることができるらしい。
外に出てみたら、花壇とかがあって綺麗に整えられていた。柵の向こう側には、飛行機。飛行機!
「おー……!」
「すごく興奮してる……」
『配信でも分かる興奮ぶり』
『子供かな? 子供だったわ』
『かわいいw』
あれが、飛行機! とても大きい! あ、これから飛び立つみたいで……。おー! 飛んで行った! すごい! とても、すごい!
「ちなみに、心桜島空港の二階にはお土産を買うためのお店もあります。三階にはフードコート。是非利用してください」
「誰に宣伝してんだよ」
『視聴者にだろうなw』
『利用させていただきます!』
フードコートもあるんだね。それじゃあ早速、そこにも行こう。