異世界魔女の配信生活 作:龍翠
搭乗待合室。ここで飛行機を待つことになるみたい。とっても広い部屋で、たくさんの椅子が並んでる。大きな窓もあって、そこからも飛行機の発着を見ることができた。
小さいけど売店もある。お土産を買い忘れてもここで購入できるみたい。とっても便利だ。
「おー……」
窓からわりと近くで飛行機を見れる。本当に大きい。百人以上乗れるというのも納得の大きさだ。
今も飛行機が下りてきて、側の出口についた。飛行機の先の方にある出入り口に通路を繋げてるみたい。渡り廊下みたいな通路で、半透明になっていて通ってる人も見ることができる。
あ、渡ってる人が私に気づいた。こっちを見て固まってる。手を振っておこう。ふりふり。
「おー……。すごく驚いてる。写真撮ってる」
『めちゃくちゃ羨ましいんですが!』
『近くからではなく、通路越しのリタちゃん……。いい……』
『その写真を言い値で買おう!』
『おまえらwww』
お金がもったいないからやめた方がいいと思う。
見ていたらたくさんの人が写真を撮り始めてる。暇なのかな?
「リタちゃん。ちょっと迷惑になるから椅子に座ろっか」
「ん」
真美に注意されてしまったから引っ込もう。とりあえず椅子に座る。
『降りる人からの怨嗟の声が聞こえてきそうw』
『すぐに別のチケットとって待合室に来る人とかいるんじゃないかなw』
『あり得そうでやばいw』
さすがにお金の無駄だと思うよ。
まだちょっと時間があるから、自動販売機でジュースを買った。オレンジジュースだ。ちょっとずつ飲んで待とうかな。
そうして、のんびりと待って……。飛行機の準備ができた、という放送が聞こえてきた。搭乗口の番号と、飛行機の名前って言えばいいのかな? それが放送されてる。私が乗る飛行機だ。
「行くよ、リタちゃん。私たちは優先で乗れるからね」
「そうなの?」
「うん。ファーストクラスだから」
『ふぁーすと!? ふぁーすとだと!?』
『めっちゃいい席やんけ!』
『国際線じゃなくて国内線のやつだからわりといい席ってだけだけど』
そう、らしい。私はよく分からないけど。
真美と師匠と一緒に、ゲートを通ってあの渡り廊下みたいな通路を歩く。その通路の窓からは、下で手を振っている人たちを見ることができた。たくさんの人が並んで手を振ってる。
「おー……。暇な人たち?」
「やめろばか」
「いたい」
師匠にチョップされてしまった。解せぬ。
『おくちわるわるリタちゃん』
『あの人たちもぶっちゃけ仕事でしてるからね?』
『気持ちよく空の旅を楽しんでもらおうとしている人たちさ!』
それをやってもらうと気分がいいのかな?
飛行機に乗る時にも乗務員さんが笑顔で迎え入れてくれた。一瞬だけ驚いたような顔をしていたけど、それだけ。笑顔で挨拶してくれる。
「プロだね」
「プロだな」
『これはプロ!』
真美と師匠、あと視聴者さんから褒められてる。
「ちなみにリタちゃん。飛行機の乗務員さんは、キャビンアテンダントって言うんだよ」
「きゃびんあてんだんと」
「微妙に発音が違うけどそうだね!」
すごく、長い。乗務員さんでいいと思う。
手荷物はシートの上の棚に入れられるらしいけど、私たちは手荷物とかはないからそのまま椅子に座る。リクライニングもできて、足置きもある。結構座り心地がいいね。目の前には、モニター。いろいろ説明が流れるのだとか。
私は窓側の席に座って、隣は真美。師匠は通路を挟んで反対側の窓際。隣は別の人が座るけど……。師匠は椅子に座ってすぐに気配を消した。ほどよく消してるから、多分普通の人程度に扱われると思う。とても器用。
さらに少し待って、たくさんの人が入ってくる。全員が乗り終わって、扉が閉まって……。そして飛行機が動き始めた。放送も流れてるね。シートベルトのこととか、空調のこととか、いろいろ。
飛行機がゆっくり動いて、滑走路へ。
「さあ、リタちゃん。出発だよ!」
「ん」
飛行機がゆっくり動き始めて……そしてどんどん速くなっていく。おお、なんだかちょっと押しつけられる感覚というか、そういうのがある。ジェットコースターほどではないけど、おもしろい。
窓からの景色の流れもどんどん速くなっていって……。そして、飛んだ。
「おー……!」
すごい。とてもすごい! 飛んでる! ちゃんと飛んでる! これが飛行機!
「真美! 真美! 空を飛んだ! 鉄の塊が空を飛んだ!」
「わあ……。リタちゃんが大興奮してる……」
『わりと珍しい大興奮』
『窓の景色を食い入るように見てるw』
『なお生身で飛んでる魔女です』
それとこれとは話が違うから。
あっという間に空高く飛んで、大きな建物も全て小さくなってしまった。そのまま、雲の上へ。おー……。
「落ちたら死ぬね」
「やめてくれないかな!?」
真美にちょっと怒られてしまった。ごめん。
スピードもまあまあだね。鉄の塊が飛んでるわりにはなかなかの速度だと思う。
「ところでリタちゃん。耳はなんともないの?」
「ん……?」
「あ、なんともないんだ……。仕組みが分からない……」
真美が言うには、耳に圧迫感というか、そういうのを感じたりするらしい。痛くなったりするんだって。私は感じないけど、そういうものらしい。
「大変そう」
「あははー……。羨ましいよ……」
そう言いながら、真美はあめ玉を取り出してなめ始めた。フルーツの飴、かな?
「リタちゃんも食べる?」
「ん」
飴をもらった。ブドウ味。ころころお口の中で転がす。甘くて美味しい。
『耳が痛くならないのは羨ましい』
『この後はのんびり一時間強の旅だぞ!』
『たのしんでなー』
ん。景色とかも楽しむ。飴の味を楽しみながら、窓からの景色を眺めた。おー……。海が広い。
壁|w・)うきうきリタです。