異世界魔女の配信生活 作:龍翠
少し待つと、店員さんが料理を持ってきてくれた。カツカレーとラーメンだ。どっちも美味しそう。
ちなみに師匠と真美はラーメンだけ。少なくないのかな?
「それで足りるの?」
「むしろこの後のことを考えると食べ過ぎになりそう……」
『まだお昼過ぎだからな。この後に魚とかいろいろ食べるとなるとな』
『函館には美味しいものがいっぱいあるからな!』
『リタちゃんのお腹をはち切れさせることはできないから、真美ちゃんのお腹をはちきれさせるぜ!』
「やめてください」
いっぱいの美味しいもの。今からとても楽しみ。だけどその前に、まずは目の前の料理だ。
まずはカツカレーから。カツにしっかりとカレーを絡めて、ぱくりと食べる。カツは揚げたてなのか、サクサクとしていて美味しい。カレーも美味しい。んー……。
「ん。カツカレー。美味しい」
『普通に美味しいカレーってことかな?』
『真美ちゃんのカレーとどっちが美味しい?』
「真美」
『知ってたw』
このカレーももちろん悪くない。カツもちゃんと美味しいから。でも私はやっぱり、真美のカレーが一番好き。
次は、ある意味でメインのもの、だね。塩ラーメン。函館と言えば塩ラーメンらしいから。
それじゃあ、いただきます。
スープは薄い黄金色で、ちゃんと中まで見えるちょっと透き通ったスープだ。ちょっと飲んでみると、そこまで強い塩味じゃない。あっさりとした塩味、だね。
でもだからこそ、くどくない味とも言える。あっさりとした塩味だから、気づいたら飲み干しちゃうかもしれない。
麺をすすって、ずずずっと。んー……。美味しい。つるつるとした麺だけど、スープがこってりしてないからこっちの方が食べやすいと思う。
もぐもぐと食べていたら、塩味以外にもほのかに別の味も感じられた。これは……。貝とか、そういったものかも。塩味は控えめに、魚介の味を引き立ててる。お魚が美味しいって聞いてるけど、ラーメンにもそれが強く出てるみたいだね。
チャーシューも大きくて、とてもいい。大きなお肉はそれだけで正義だと思う。
「んー……。あっさりしていて、美味しい」
「うん。あっちでも魚介の塩ラーメンは食べられるけど、やっぱりちょっと違うね。こっちの方が魚介の味を引き立ててる気がする」
うん。これはとてもいいものだね。函館のラーメンもすごく美味しい。
スープをしっかり飲み干して、完食。ごちそうさまでした。
「美味しかった」
「ね。これならもっと食べられそう」
「食べる?」
「今はいいかな!」
『隙あらば二杯目を狙う魔女』
『多分真美ちゃんが食べるって言ったら、マジで二杯目に行くんだろうなw』
『でももっと食べればいいと思います!』
それはそうかもしれないけど、他にも美味しいものはあると思うから、ちゃんと他も見て回りたい。せっかくだから、食べ物以外にも見て回りたいしね。
お会計をして、お店の外に出る。もちろん写真も撮っておいた。お店の人とだけ、ね。お客さんと撮ったら、周りの人も集まってきてすごいことになりそうだから。
「ここからの移動はどうするんだ? 確かバスが出てたと思うけど」
「師匠さん、詳しいですね」
「ふっ……。以前は金がなかったからさ……。こういうのを調べて、旅行した気分になってたもんだよ……」
「あー……」
『なにそれ悲しくならない?』
『わかる。わかるぞシッショ。ちょっとでも旅行した気分を味わいたいんだよな』
『視聴者の反応すら二分してるw』
お金がないと、やっぱり大変だね。
ここからはバスが出てるらしい。それじゃあバスに乗るのかな。
「バスもいいけど、せっかくだからタクシーで行こっか。バスに乗ると周囲の視線が気になるだろうから」
「ん」
『確かにバスだと視線が気になるかも』
『一緒のバスだったらずっとリタちゃんを見てる自信があるわw』
暇なのかな? せっかくの旅行なんだから、私なんかよりも景色とかを見た方がいいと思う。
「タクシーか。金はかなりあるから、全員分出せるな」
「え? いや待ってください。ちゃんと自分の分ぐらいは……」
「いや、むしろ俺らが使わないと怒られそうだし……。ちょっとでも経済に貢献しておかないとな」
持っているだけで使わない、というのは避けた方がいいっていうのは何度も聞いた。私もお守りでたくさんお金をもらってるから、こういう時ぐらいはちゃんと使わないと。
「だから真美の分も全部出す。気にせず食べたいものとかがあったら言ってね」
「あ、うん……。ありがたいけど、なんというか……。たかっているような気がして、心苦しいというか……」
「いつもお世話になってるから、奢られてほしい。お金はいっぱいあるから」
「あ、うん……」
『これが、金銭的な強者の余裕!』
『リタちゃん! 俺たちにも奢ってほしいです!』
『ワイバーンのお肉でいいよ!』
「精霊様に怒られそうだからだめ」
多分、というより間違いなく精霊様に怒られると思う。だからワイバーンのお肉をここで出すつもりはないよ。本当に。例外は真美ぐらいかな?
「タクシーはどこから乗るの?」
「外に出てすぐに乗り場があるよ」
「ん」
こっち、と案内してくれる真美に従って、空港から外に出た。
壁|w・)塩ラーメンもいいもの!