異世界魔女の配信生活   作:龍翠

577 / 583
はこだて明治館と赤レンガ倉庫群

 

 市場を出て、赤レンガ倉庫に向かう……前に、似たような建物でまたちょっと違う場所に行くことになった。ついでだからそこも見ていこう、だって。

 

「それがここ、はこだて明治館!」

「おー」

 

 蔓……ではないけど、草にちょっと覆われてるレンガの建物だ。ちょっとすごい。かっこいい。

 

「ここもショッピングモールみたいなものだけどね。赤レンガ倉庫に近いから、一緒に行くのがいいかも」

「なるほど」

 

 ちょっとわくわくしながら中に入った。

 中は結構広い。吹き抜けになっていて、二階を見ることができる。壁際にぐるっとお店が並んでいた。たくさんのお店があるね。でも食べ物はないみたい。ちょっと残念。

 

「ここは元々は郵便局だったらしいよ」

「郵便局。行ったことがない」

「あー……。まあ、ね……」

 

『リタちゃんには残念ながら無縁の場所だろうからなあ』

『お手紙とか、送らなくても転移で渡しに行けるしそっちの方が早いし……』

『つまり……転移があれば郵便局は廃れるってこと!?』

『郵便局どころかあらゆるものが廃れて失業者があふれかえるわ』

 

 転移、とても便利だけど地球ではない方がよさそうだね。私の世界でも転移を使えるのはほとんどいないはずだけど。

 

「転移はいろいろ計算とかが大変だから。座標がずれるととんでもないことになるよ」

 

 便利だけじゃなくて、ちょっと大変なものなのだ。

 

「リタちゃん。ぬいぐるみがあるよ」

「ぬいぐるみ」

「見て見て。シマエナガ」

「しまえなが」

 

 なんだろう。しまえなが。真美が持っているぬいぐるみは、白い鳥のぬいぐるみ、だね。両手で持つとちょうどいい大きさのぬいぐるみだ。かわいい。

 

「シマエナガは白い大きな鳥なんだね」

「え、違うけど」

「ん……?」

 

 違うの……?

 

『違うぞ』

『説明しよう! シマエナガとは北海道に生息する小鳥だ! 白くてふわふわでかわいいぞ!』

『説明が中途半端すぎるけど要点は合ってるw』

 

 小鳥。ちっちゃい鳥ってことだね。じゃあこのぬいぐるみは抱きやすいように大きくしてるだけなんだ。実際のシマエナガもかわいいのかな?

 真美がスマホを操作して、シマエナガの写真を見せてくれた。んー……。

 

「おー……。白くてふわふわの小鳥。なるほど。とてもかわいい」

「ね! かわいいよね!」

「ん。ぬいぐるみ、買う」

「あはは」

 

 本物を連れて帰りたくなるけど、多分私の森に連れて行ったらすぐに食べられちゃうと思う。せめてぬいぐるみだけでも連れて帰ろう。

 

「真美は? ぬいぐるみいる?」

「あ、えっと……。欲しい、かな……」

「ん。じゃあちいちゃんの分と買っておく」

「あはは……。ごめんね……」

「気にしないでほしい」

 

 何度も言うけど、お金だけはいっぱいあるから。

 私と、真美と、ちいちゃん、それに精霊様。あとおまけでもう一個。五個買っておいた。店員さんに驚かれたけど、なんだか微笑ましそうに包んでくれた。

 

「ここの二階には有名なアニメ映画のぬいぐるみとかもあるよ」

 

 真美に教えてもらったので、奥の階段で二階へ。二階の吹き抜けから一階を見下ろすと、なんだかとてもいい雰囲気だなって思えた。

 棚にはたくさんのぬいぐるみとか人形が並んでる。真美のお家で見たアニメ映画のキャラクターだね。ずんぐりとしていてかわいい。二階の隅には同じキャラクターでとても大きなぬいぐるみもあった。すごい。

 

「ぬいぐるみいっぱい」

「だね。あ、リタちゃん、そこ、大きなぬいぐるみの前に立って」

「ん? いいよ」

「はい、ぱしゃー」

「ん……」

 

 写真、だね。真美のスマホで写真を撮ってくれた。見せてもらうと、ぬいぐるみの隣に私が立ってる。んー……。なんだか不思議な感じ。

 

『そういえば、リタちゃん単独の写真って珍しいのでは?』

『リタちゃんも思い出にたくさん写真撮ろうぜ!』

 

 それは……。そうだね。私も撮ろうかな。

 

「この写真はプリントアウトしてリタちゃんに渡すね」

「ん」

 

 それはちょっと楽しみ、だね。

 ぐるっと見終わって、今度は赤レンガ倉庫。たくさんのレンガの建物が並んでる。中はほとんどがショッピングモールだ。

 その赤レンガ倉庫の集まりの中にちょっとした広場があって、川みたいなのがあった。倉庫と倉庫の間にある川。運河、というものらしい。すぐ海に繋がってるけど。

 

「ここはかなり有名なところだよ」

「へえ……」

 

『ここって確か小さい観光船もあったんじゃないかな』

『ちょっとお高いけど、函館湾をぐるっと見れるからおすすめ!』

 

 ちょっと気になるけど……。今はちょうど船が出たところみたいで、まだしばらく戻ってこないらしかった。タイミングが悪かったね。

 せっかくだから、運河の端っこで写真を撮る。私と真美で並んで、師匠に撮ってもらった。それを見ていた他の観光客さんが、三人での写真も撮ってくれた。みんないい人。

 

「ありがとう」

「いえいえ。楽しんでくださいね」

 

 撮ってくれた人とも一緒に写真を撮った。写真いっぱいだね。

 それじゃあ、赤レンガ倉庫の中を見て回ろう。お店がたくさんあるらしい。食べ物もあるのだとか。

 

「行こう」

「あはは。じゃあゆっくり見て回ろうね」

「ん」

 

 どんなお店があるのか、わくわくだね。

 




壁|w・)何のアニメ映画かは、ご想像にお任せします……。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。