異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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函館山の夜景

 

 ロープウェイの建物は、小さな建物、だね。一階の券売機でチケットを買って、上の階に向かう。上でロープウェイが行ったり来たりしてるみたい。

 もうすっかり日が沈んでしまってるけど、人は結構多い。まだまだたくさんの人が上に向かうみたい。でもそこまで待つこともなくて、わりとすぐにロープウェイに乗ることができた。

 函館山のロープウェイは結構広い。四方は全部窓になっていて、どこにいても景色が楽しめるみたいだね。後ろの方にいた方が夜景が楽しめるって聞いたから、とりあえず後ろの場所を確保した。

 ガイドさんが出発の合図をして、ロープウェイが進み始めた。

 

「おー……。すごい」

 

 夜景、だね。なるほど、これはすごいと思う。建物の光がたくさんだ。真ん中に光が集まっていて、左右は海でちょっと暗い。光の川みたいになっていて、すごく綺麗。

 

『まだ低いのにめちゃくちゃ綺麗』

『すごーい!』

『やばい、函館行きたくなってきた』

 

 ん……。これは、すごくいいと思う。三大夜景、だっけ。選ばれる理由も分かるね。

 ゆっくりと登っていって、やがて山頂にたどり着いた。みんなで降りて、外に向かう。展望台もあるらしい。

 ロープウェイの建物を出てすぐにあるのは、ちょっとした広場。まだ展望台ではないけど、漁火公園という場所らしい。展望台はすごく人が多くて混雑するらしいけど、ここはわりと人が少なくて穴場なんだとか。

 なるほど、確かにみんなここは素通りして展望台に向かってる。展望台は混雑しちゃいそうだ。

 

「リタちゃん、せっかくだから写真撮ろうよ」

「ん」

 

 スマホを取り出して、写真もーど……。こう、このアイコンを……ぺちり。

 

『もたもた』

『もたもたたすかる』

『このもたもたが好き』

 

 もしかしなくても、私はケンカを売られているのかもしれない。怒るよ?

 写真モード……できた。それじゃあ、漁火公園の端から写真をぱしゃりと。ロープウェイの建物が入っちゃうけど、これはこれでなかなかいいと思う。

 

「二人とも。そこに並びな。写真撮るから」

「ん」

「あ、お願いします」

 

 師匠が写真を撮ってくれるらしい。スマホを預けて、真美と並ぶ。師匠はさっとスマホを操作して、すぐに写真を撮ってくれた。見せてもらうと、夜景をバックに私と真美が並ぶ写真だ。

 

『さすがシッショ、スマホの操作はお手の物』

『今となっては異世界人だけど、ちゃんと地球で生きていた人だからな!』

『ポンコッショなのに!』

 

「ケンカ売ってんのか」

 

 気にしたらだめだと思う。

 次は展望台、だね。三人で上に行こう、と思ったんだけど……。たくさんの人が写真を撮っていた。夜景の、じゃなくて、私たちの。手を振られたから振り返しておく。ふりふり。

 

『夜景バックなリタちゃん写真ゲットだぜ!』

『リタちゃんの写真ってだけでレアだけど、これはさらにレアものではなかろうか!』

『リタちゃん写真欲しいです!』

 

「好きにすればいいよ」

 

 みんなで見れるようにするんだよね。別に好きにすればいいと思う。真美が映っていたら、認識阻害が入るからちょっと変なことになるかもしれないけど。

 階段を上って、ちょっと歩いて……。そうして、建物の上、展望台にたどり着いた。ただ、やっぱり人がとても多い。ちょっと落ち着いて写真を撮るのは難しそうだね。

 

「みんな夜景を撮ってないけど。私を撮ってるけど」

「あ、あはは……」

 

 カメラとかスマホのほとんどが私の方を向いてる。みんな、せっかくここに来たんだから、ちゃんと夜景撮らないと。

 

『いやあ、どっちがレアかって言ったら、間違いなくリタちゃんの写真の方がレアだからさあ……』

『ぶっちゃけ夜景の写真は後日でも撮れる。でもリタちゃんの写真は今しか撮れない』

『そんな中でリタちゃんを撮らねえってやついる!? いねえよなあ!』

 

 いてよ。ちょっとおかしいよ。

 それはそうと、やっぱりちょっと夜景が撮れない。人が多すぎるね……。よし。

 

「真美。真美。ちょっと撮ってくる」

「え」

「いってきます」

 

 スマホを持って、上空へ。夜景がメインだから、あまり高くなりすぎないように……。これぐらい、かな? ぱしゃり、と。

 撮れた写真を見る。とても綺麗な夜景になっていた。うん。すごく満足。

 真美の方に戻って写真を見せると、真美はちょっとだけ苦笑いだった。

 

「本当にすごく便利だよね……」

「ん」

「でも、その、あまりそういうのは、よくないと思うよ? 下から写真を撮られちゃうから……」

「ん? 大丈夫」

 

『パンツとかはなんか不思議な感じにガードされます』

『精霊様の過保護な魔法ですね!』

『そもそも撮ろうとするやつが普通に悪い』

『それはそうw』

 

 精霊様の魔法だから、私もそこまで詳しくどうなってるかは分からない。

 夜景を見終わった後は、建物の中に入ってお土産屋さんに入った。函館のお土産がいっぱい。夜景を使ったクリアファイルとか……。あ。

 

「真美! 真美! カレーがある!」

「さすがリタちゃん、目ざとい……」

 

 レトルトカレーだ! 函館ラムカレー。羊のお肉を使ったカレーだよね。これは買っていかないと。きっと美味しいと思うから。とりあえず……十個ぐらい買っていこう。

 なんだか周りの視線が気になる。みんな笑ってる気がする。きっと気のせいだから、レジに行こう。ラムカレー、旅行が終わったら是非食べないと、ね。

 レジでお金を支払って、またロープウェイに。帰りは転移でもいいかなと思ったけど、帰りもやっぱり夜景が見えるからちゃんと乗ることにした。

 

 帰りのロープウェイはすごく空いてるね。お土産屋さんが混雑していたから、みんなそっちに行ってるのかも。ほとんど貸し切りみたいになった。

 帰りもちゃんと夜景を撮る。夜景の写真がいっぱい、だね。

 んー……。たくさん夜景の写真を撮れて、満足。私の世界にもこんな写真が撮れる場所ってあったりするかな。ちょっと探してみるのもいいかもしれない。

 それじゃあ、ホテルに帰ろう。次は温泉だ。

 




壁|w・)霧は大丈夫だったらしい。
私が行った時は帰る直前に霧がかかり始めたのでぎりぎりでした……。
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