異世界魔女の配信生活 作:龍翠
ホテルに戻ってきた。とりあえず……コンビニだね。
「お菓子買おう。お菓子」
「いや、温泉は……?」
「お菓子」
「あ、うん」
『お菓子を望む魔女からは逃げられない!』
『温泉は逃げないからね、お菓子を買ってからでも大丈夫だね!』
そういうことだよ。
一階のコンビニでお菓子を買う。どこにでも売ってるようなものじゃなくて、お土産みたいなのがいいかな。んー……。お土産のお菓子がいっぱい積まれているから、どれを買おうか悩む。
「真美。真美。どれがいいかな?」
「部屋にあったコーヒークッキーが売ってるよ」
「じゃあそれで」
『わりとあっさり』
『そのホテルのコーヒークッキーは結構美味しいからね』
私も結構気に入ってる。さくさくで美味しかったから。他のはまた後で買おう。
コーヒークッキーをたくさん買って、アイテムボックスに入れてから部屋に戻って……。改めて、温泉に出発だ。
温泉はホテルの最上階。部屋にあるお風呂セットを持って向かう。お風呂セットは小さなカゴで用意されていたもので、普通のタオルとバスタオル、あとはお風呂上がりに着るための服なんかも用意されてる。
真美と一緒にエレベーターで最上階に向かって……。エレベーターから降りると、奥に広い部屋があった。お風呂じゃないね。椅子とかがいっぱい並んでる。その部屋のちょっと手前に左右に廊下があって、そのそれぞれが男湯と女湯に繋がってるみたいだった。
「その広い部屋は涼み所だって。お風呂上がりでのぼせた体を冷ます部屋、かな? のんびりくつろげる部屋でもあるね。あと……アイス食べ放題!」
「アイス……食べ放題!?」
「すごいでしょ?」
「すごい!」
アイスをいっぱい食べてもいいってことだよね? すごい。とてもすごい!
『アイス食べ放題で興奮する魔女』
『言動が子供のそれなんよ』
『それでいいのかリタちゃんw』
いいよ。アイスいっぱい食べたいから。
「すぐに行こう」
「はーい。まずはお風呂ねー」
「うあー」
早速向かおうとしたら、真美に腕を掴まれて引っ張られてしまった。振りほどくのは絶対に怒られるから、このままお風呂……温泉だ。アイスは後で、だね。
『お母さんに連れて行かれる子供かな?』
『まあしゃーなし』
『アイスを美味しく食べるためにもまずはぬくぬくしないとね!』
『おらわくわくしてきたぞ!』
ん……。そうだね。それじゃあ……。
「じゃあ、これから温泉なので……入るね」
『お? マジで許されるの?』
『やったー! 温泉だー!』
『これがホテルの温泉かー!』
『なんか真っ赤やなー!』
とりあえず、フェニちゃんが溶岩風呂に使っている山を映しておく。溶岩の真上。フェニちゃんは今はいないけど、何も映さないよりはいいと思うから。
『どうしよう。見てるだけで暑くなってくるw』
『気持ちだけで暑いよお!』
私も温泉だ。楽しみ。
脱衣所で服を脱いで、扉を通ってお風呂場へ。まずは内湯、だね。洗い場の他に広い浴槽があった。とりあえず体を洗って……。それから、温泉だ。お湯は茶色く濁ってる。そういう温泉らしい。
「んー……。ぬくぬく……」
「いい湯だねえ……」
真美と二人で並んで入る。とても気持ちいい。温泉、いいよね……。
『声しか聞こえないから何か説明してください……』
『気になるよぉ!』
「んー……。茶色のお湯。気持ちいい」
『まるでわからんぞ!』
多分、私が説明するよりも調べた方が早いと思うよ。
内湯のあとは、露天風呂。ここは露天風呂もあるらしい。つまりは、屋上。とてもすごい。
露天風呂は岩風呂、だって。たくさんの岩を並べて作った浴槽に温泉を入れてるってことかな? こっちも茶色の温泉。でも、外の空気はひんやりしているから、こっちの方がちょっと熱く感じる。でも気持ちいい。
「リタちゃん、景色もすごいよ」
「おー……」
危ないからか露天風呂の周りは落ちないようにガラスみたいなので囲われてるけど、ちゃんと景色も見えるようになっていた。函館山や赤レンガもある町並みが見える。とっても綺麗。
「温泉、すごい」
「ね」
あと、岩風呂だけじゃなくて、樽を使ったお風呂や陶器を使ったお風呂、ヒノキを使ったお風呂もある。その三つは一人用だから、人を気にせずゆっくり入れるね。独り占めだ。
「真美。真美。一緒に入ろう」
「あはは」
でも三種類一つずつしかないから、私たちだけで使ったらあと一つしか残らない。だから真美と一緒に入ってみる。ちゃぷんと。
「おー……。気持ちいい……」
「いやあ……。リタちゃん、こういうのは本当に気にしないよね」
「はふぅ……」
「とろけてる……」
『とろとろリタちゃん?』
『ゆっくりリタちゃん!』
『真美先生! 今のリタちゃんを見たいです!』
「だめです」
『ですよねー!』
んー……。温泉は本当に、とっても気持ちいい……。好き。
夜景と一緒に温泉を楽しんで……。ゆっくりぬくぬくしたところで、温泉を出ることにした。とっても気持ちよかった。朝風呂もできるらしいから、帰る前にも入ろうかな?
「配信では映ってないですけど、女性用にはわりと広いパウダールームもあるので、女性にもおすすめですよ」
『真美ちゃんはホテルの回し者なの?』
『男だから入れないんだよなあ!』
パウダールームはよく分からないけど、そこも景色をちゃんと見れて良かったよ。
それよりも、次は涼み所だ。早く行こう。アイス食べないとね。
壁|w・)ゆっくりリタちゃん。お菓子をあげると一日がちょっとだけ幸運になる魔法を使ってくれるかも。