異世界魔女の配信生活   作:龍翠

585 / 585
函館の朝食バイキング

 

 早朝。もぞもぞとベッドの中で動いて、顔を出す。まだちょっと眠い。むにゃむにゃ。

 

『リタちゃんがむにゃむにゃしてる……』

『かわいい』

『寝心地良かったのかな?』

 

 んー……。そういえば、配信したままだったね。朝からみんなの声が聞こえてきてる。みんなはちゃんと寝たのかな?

 今は朝の五時、だね。朝ご飯は六時半だったはずだから、まだ少し時間がある。お散歩でも行ってみようかな。どうしよう?

 ベッドから出て、とりあえず朝ご飯までの軽食としてアイテムボックスの中にあるお菓子を食べることにした。シリアルにチョコをかけたやつ。サクサクしていて甘くて美味しい。

 

『この子、朝食前にお菓子食べてる……!』

『真美ちゃんに怒られるぞ!』

 

「ばれなきゃいいんだよってみんなが言った」

 

『悪いことばかり覚えて……!』

 

 本当に悪いことをするつもりはないけどね。

 ぽりぽり食べていたら、目覚ましが鳴って真美が起きた。真美がむくりと体を起こして、目覚ましを止めて……。ぽりぽりお菓子を食べている私を見て、目を細めた。

 

「…………。何も言うまい……」

「何か諦められた気がする」

 

『草』

『そこで諦めるなよ真美ちゃん! 君が止めなくて誰が止めるんだ!』

『止める必要あるんか?』

『ないですね!』

 

 いっぱい食べられるからね。気にしたらだめだと思う。

 着替えるらしいから、配信画面を森の風景にしておく。視聴者さんが何か言ってるけど、こういう時は無視だ。

 着替え終わって、五時半。朝食会場に向かうことになった。

 

「早くない?」

「ものすごく混むらしいから。特に今日は絶対に混むから」

「どうして?」

「リタちゃんがいるからねー……」

「……?」

 

『まあいつものことですね』

『リタちゃんを一目見ようとする人がたくさん行きそう』

 

 みんなちょっと暇すぎると思うよ。

 朝食会場は二階。行ってみたけど、とりあえずまだ人はいなかった。師匠はいたけど。

 

「師匠、早いね」

「どこかの誰かがいるから絶対に混むことが分かるからな」

 

『もはや共通認識』

『でも多分シッショだけでも同じだぞ』

『シッショも地味な人気があるからな!』

 

「なにそれいらない」

 

 みんな気にしすぎだと思うよね。

 三人でのんびり待っていたら、人が増えてきた。増えてきた、というより、一気に増えてきた。あっという間に人の行列ができてる。まだ三十分以上あるのに、すごい行列だ。

 

「人いっぱい」

「あはは……」

 

『何人が視聴者なんですかねえ』

『絶対配信に気づいてから来てるやついるだろw』

 

 物好きだね。のんびり寝ていればいいのに。

 のんびり待って、時間になって……。会場が開かれた。ドアを開いてくれた人が私を見て、ごくり、と息をのんだ。失礼だと思う。

 

『緊張の時……!』

『リタちゃんの食欲で朝食会場の修羅場が決まる!』

 

 普段通りにしか食べないよ。そこまでにはならないと思う。

 入って、お盆をもらう。入ってすぐの正面が海鮮コーナーみたい。大きな貝がある。とてもいい香りだね。

 

「真美。真美。これはなに?」

「多分ホタテだよ」

「おー」

 

 もらっていこう。お皿と一緒にホタテを回収。

 海鮮コーナーは四角形になっていて、半周する形みたいだね。同じメニューが半分ずつにあるみたい。一番人気らしいから二箇所あるのかな。

 ホタテをもらって、次はごはん。小さめのお茶碗を不思議な機械の下側にセットする。そこでボタンを押すと、ごはんがぽとっと落ちてきた。おもしろい。

 

『なにそれwww』

『そんな機械あるんかw』

『ご飯入れるのに時間かかる人もいるし、これは便利そう』

 

 その奥が、たくさんの海鮮。イカにまぐろ、サーモン、いくら、いっぱいだ。自分だけの海鮮丼が作れるんだって。おもしろそう。

 というわけで、ご飯を二杯もらっておいた。いくらが美味しいらしいから、シンプルにいくらだけこんもりと。もう一つは、たくさんある海鮮をちょっとずつ載せていく。楽しい。

 最後にあるのは、お醤油。いっぱい種類があるみたいで好みのものを使っていいらしいけど……。

 

「そもそも違いを知らない」

「あはは……」

 

 味を比べられたらいいんだけど、人が多いからそれをすると迷惑だと思う。なので、とりあえず適当な醤油を使っておいた。海鮮丼にちょろちょろと。

 さらに奥には他のメニューもいっぱいだ。とりあえずいっぱい食べてみたいから、作った海鮮丼のお盆をアイテムボックスに入れて、新しいお盆をもらった。

 

「それはずるいよリタちゃん」

「真美のも預かる?」

「…………。そんなに食べられないかな!」

 

 えー。真美はもっといっぱい食べるべきだと思う。

 

『一般人はそこまで食えんのよ……』

『二つ目のお盆におかずがどんどん積まれていくぅ!』

『三つ目いきそうw』

 

 分厚いベーコン、パスタ、ウィンナー。それに昨日聞いたザンギもあるね。あ、あっちにはデザートもある! あれももらっておこう!

 

『はーい四枚目でーす』

『あかんて。多いて。食べ始める前にお盆四枚目は多いて』

『残念だったな、五枚目いったぞ』

『やりすぎぃ!』

 

 んー……。とりあえずこれぐらいでいいかな。真美と師匠がいつの間にか席を取ってくれていたから、そっちに行こう。食べるのが楽しみだ。早く食べたい。

 




壁|w・)実食は次回!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

【本編完結】 ハンマー少女はバズらない! 固有スキル【隠遁】で自由に探索してたら伝説になってました(作者:chikuwabu)(オリジナル現代/冒険・バトル)

 魔物からも認識されないし、人間からも認識されない。そんな癖の強いスキルのおかげで人知れずソロ探索をしていたら、いつの間にかドワーフだとか座敷童子だとか、変な目撃証言が広まっちゃった、見た目子供な女の子(18)のお話。▼ そんな噂は気にもせず、妖精少女をパートナーに従えて、カレーを作ったり、ハンマーを振ったり、探索したり、人助けをしたり、たまに目撃されたり、…


総合評価:10536/評価:8.8/完結:649話/更新日時:2026年07月03日(金) 23:00 小説情報

異世界でチート美少女になればやり直せると思ってたけど燃え尽きた(作者:暁刀魚)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

どんな人生を送っていても、異世界でチート美少女になればやり直せると思っていた。▼でも実際にそうなった時、ミツキは自分の生き方を変えようとして挫折した。▼そして逃げるように冒険者となった時、気づいてしまったのである。▼力も容姿も手に入ってしまったから、これ以上を望む必要がない、と。▼今の彼女に残っているのは、いかにノンストレスに生きるかということだけ。▼これは…


総合評価:19216/評価:8.81/連載:52話/更新日時:2026年09月21日(月) 18:05 小説情報

転生したら異世界の宇宙最強の龍でした!〜0から星と生命を作り出して一大文明の支配者になったので現代日本へ帰還します。自分は日本が一番暮らしやすい。〜(作者:電動ガン)(オリジナル現代/コメディ)

目覚めたら無だった。何も無い。宇宙さえも。自分の身体を見る。銀色の甲殻、長い尻尾これモンスターだ!?よく見ると俺の他にも二頭のモンスターが。ドラゴンだこれ!!▼俺たち三頭の女神龍は宇宙創成の前の世界にいる。俺たちを生み出した主神の指示で世界を作り生命を繁栄させることとなったけど・・・・・・それ何年掛かるの?▼何億年も掛けて生命が宿れる星を何個も作り、失敗し、…


総合評価:2794/評価:7.58/連載:145話/更新日時:2026年09月15日(火) 22:48 小説情報

音楽チートで世に絶望していたTS少女がSIDEROSの強火追っかけになる話(作者:鐘楼)(原作:ぼっち・ざ・ろっく!)

前世での悔しさから、音楽チートを望み、規格外の才能を手に入れたTS少女・池揉優菜。しかし、ある時から行き過ぎた自分の力が嫌いになってしまっていた。そんなある日、訪れた新宿FOLTではメタルバンド・SIDEROSのライブが行われており…… ▼ 音楽ガバは勘弁してください。▼ シリアスは一話だけ(予定)▼掲示板はおまけです。


総合評価:48621/評価:9.03/完結:52話/更新日時:2026年01月31日(土) 07:05 小説情報

TSさせられてエイリアン生まされたけど我が子は可愛い(作者:SIS)(オリジナル現代/冒険・バトル)

宇宙の果てからやってきた侵略者につかまって、実験でTSさせられた挙句、寄生型の生物兵器を産まされました。▼だけど体を痛めて生んだ子供はやっぱり可愛いよね!▼あ、ダメだよ人間食べちゃ。めっ!! 人里離れて暮らすしかないか……。▼※ハーメルン匿名杯総合第三位! みなさんありがとうございました!▼※カクヨム・小説家になろうでも投稿しています。


総合評価:23216/評価:9.21/完結:152話/更新日時:2026年09月23日(水) 15:23 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>