異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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函館の朝食バイキング

 

 早朝。もぞもぞとベッドの中で動いて、顔を出す。まだちょっと眠い。むにゃむにゃ。

 

『リタちゃんがむにゃむにゃしてる……』

『かわいい』

『寝心地良かったのかな?』

 

 んー……。そういえば、配信したままだったね。朝からみんなの声が聞こえてきてる。みんなはちゃんと寝たのかな?

 今は朝の五時、だね。朝ご飯は六時半だったはずだから、まだ少し時間がある。お散歩でも行ってみようかな。どうしよう?

 ベッドから出て、とりあえず朝ご飯までの軽食としてアイテムボックスの中にあるお菓子を食べることにした。シリアルにチョコをかけたやつ。サクサクしていて甘くて美味しい。

 

『この子、朝食前にお菓子食べてる……!』

『真美ちゃんに怒られるぞ!』

 

「ばれなきゃいいんだよってみんなが言った」

 

『悪いことばかり覚えて……!』

 

 本当に悪いことをするつもりはないけどね。

 ぽりぽり食べていたら、目覚ましが鳴って真美が起きた。真美がむくりと体を起こして、目覚ましを止めて……。ぽりぽりお菓子を食べている私を見て、目を細めた。

 

「…………。何も言うまい……」

「何か諦められた気がする」

 

『草』

『そこで諦めるなよ真美ちゃん! 君が止めなくて誰が止めるんだ!』

『止める必要あるんか?』

『ないですね!』

 

 いっぱい食べられるからね。気にしたらだめだと思う。

 着替えるらしいから、配信画面を森の風景にしておく。視聴者さんが何か言ってるけど、こういう時は無視だ。

 着替え終わって、五時半。朝食会場に向かうことになった。

 

「早くない?」

「ものすごく混むらしいから。特に今日は絶対に混むから」

「どうして?」

「リタちゃんがいるからねー……」

「……?」

 

『まあいつものことですね』

『リタちゃんを一目見ようとする人がたくさん行きそう』

 

 みんなちょっと暇すぎると思うよ。

 朝食会場は二階。行ってみたけど、とりあえずまだ人はいなかった。師匠はいたけど。

 

「師匠、早いね」

「どこかの誰かがいるから絶対に混むことが分かるからな」

 

『もはや共通認識』

『でも多分シッショだけでも同じだぞ』

『シッショも地味な人気があるからな!』

 

「なにそれいらない」

 

 みんな気にしすぎだと思うよね。

 三人でのんびり待っていたら、人が増えてきた。増えてきた、というより、一気に増えてきた。あっという間に人の行列ができてる。まだ三十分以上あるのに、すごい行列だ。

 

「人いっぱい」

「あはは……」

 

『何人が視聴者なんですかねえ』

『絶対配信に気づいてから来てるやついるだろw』

 

 物好きだね。のんびり寝ていればいいのに。

 のんびり待って、時間になって……。会場が開かれた。ドアを開いてくれた人が私を見て、ごくり、と息をのんだ。失礼だと思う。

 

『緊張の時……!』

『リタちゃんの食欲で朝食会場の修羅場が決まる!』

 

 普段通りにしか食べないよ。そこまでにはならないと思う。

 入って、お盆をもらう。入ってすぐの正面が海鮮コーナーみたい。大きな貝がある。とてもいい香りだね。

 

「真美。真美。これはなに?」

「多分ホタテだよ」

「おー」

 

 もらっていこう。お皿と一緒にホタテを回収。

 海鮮コーナーは四角形になっていて、半周する形みたいだね。同じメニューが半分ずつにあるみたい。一番人気らしいから二箇所あるのかな。

 ホタテをもらって、次はごはん。小さめのお茶碗を不思議な機械の下側にセットする。そこでボタンを押すと、ごはんがぽとっと落ちてきた。おもしろい。

 

『なにそれwww』

『そんな機械あるんかw』

『ご飯入れるのに時間かかる人もいるし、これは便利そう』

 

 その奥が、たくさんの海鮮。イカにまぐろ、サーモン、いくら、いっぱいだ。自分だけの海鮮丼が作れるんだって。おもしろそう。

 というわけで、ご飯を二杯もらっておいた。いくらが美味しいらしいから、シンプルにいくらだけこんもりと。もう一つは、たくさんある海鮮をちょっとずつ載せていく。楽しい。

 最後にあるのは、お醤油。いっぱい種類があるみたいで好みのものを使っていいらしいけど……。

 

「そもそも違いを知らない」

「あはは……」

 

 味を比べられたらいいんだけど、人が多いからそれをすると迷惑だと思う。なので、とりあえず適当な醤油を使っておいた。海鮮丼にちょろちょろと。

 さらに奥には他のメニューもいっぱいだ。とりあえずいっぱい食べてみたいから、作った海鮮丼のお盆をアイテムボックスに入れて、新しいお盆をもらった。

 

「それはずるいよリタちゃん」

「真美のも預かる?」

「…………。そんなに食べられないかな!」

 

 えー。真美はもっといっぱい食べるべきだと思う。

 

『一般人はそこまで食えんのよ……』

『二つ目のお盆におかずがどんどん積まれていくぅ!』

『三つ目いきそうw』

 

 分厚いベーコン、パスタ、ウィンナー。それに昨日聞いたザンギもあるね。あ、あっちにはデザートもある! あれももらっておこう!

 

『はーい四枚目でーす』

『あかんて。多いて。食べ始める前にお盆四枚目は多いて』

『残念だったな、五枚目いったぞ』

『やりすぎぃ!』

 

 んー……。とりあえずこれぐらいでいいかな。真美と師匠がいつの間にか席を取ってくれていたから、そっちに行こう。食べるのが楽しみだ。早く食べたい。

 




壁|w・)実食は次回!
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