異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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朝市とイカ釣り体験

 

 ホテルの一階のコンビニで飲み物をいくつか購入して、出発することになった。タクシーとかを使うことも考えたけど、どうしても移動に時間がかかるから私の転移で移動する。どうせならいろいろ見たいよね。

 ちなみに、場所の説明とかは真美がしてくれるらしい。それなら安心だね。

 

「師匠さん。なんだか変な信頼感を向けられた気がします」

「がんばれ。超がんばれ」

「師匠さん!?」

 

『シッショwww』

『まあシッショも別に函館詳しいわけじゃないだろうし』

『何かあれば俺らでフォローするさ!』

 

「これだけ信用できないフォローも珍しいですね」

 

『ひどいwww』

『言い返せないwww』

 

 視聴者さんはわりと勢いの時が多いからね。そこがいいとも思うけど。

 最初に向かうのは、朝市。美味しい海鮮とか、北海道の美味しいものがたくさんあるのだとか。あとはイカ釣り体験みたいなのもあるらしい。

 

「函館と言えばここ、の場所かも」

「おー」

「イカ釣りはすごく並んでいるかもしれないけど……」

 

 その時はのんびり並べばいいと思う。時間はまだまだあるからね。

 少し歩いて、北へ向かう。朝市があるのは函館駅のすぐ側だった。広い建物で、たくさんのお店が入ってるらしい。美味しいものもいっぱいだって。

 

「真美。真美。カニがある。カニ」

「あるねえ」

「メロン! メロンもある!」

「あるねえ」

「お菓子! すごく甘そうなお菓子!」

「あるねえ」

 

『真美ちゃんがあるねえBOTになっちゃった……』

『うきうきリタちゃんかわいい』

『なんだこの……なん……なにこれ?』

 

 あちこちいろいろいっぱいだ。たくさん買いたいけど、あまり買いすぎると他のお買い物をしている人が買えなくなっちゃう。ある程度選ばないと。

 とりあえず……。イカ釣り、だね。

 建物の少し奥に、広いスペースがあった。大きな水槽があって、イカが泳いでるのが見える。あまり大きくはないけど、ちゃんとイカだ。このイカを釣るらしい。

 

「ほらほらリタちゃん」

「ん」

 

 列に並ぼう。是非ともやってみたいから。

 結構長い列になってから、ちょっと待たないといけないかも。そう思ったけど、私に気づいた前の人が場所を譲ってくれた。どうぞどうぞ、だって。

 

「いいの?」

「その代わり握手いいですか!」

「ん」

 

 握手だけで前に行けるなら嬉しいね。というわけで、握手。にぎにぎ。

 

「はあ……。ちっちゃいおてて……。ぷにぷに……」

 

『この場には変態しかいないのか?』

『いつものことです』

『日本はもうおしまいだ』

 

 言い過ぎじゃないかな?

 その後もいろんな人と握手して……。気づけば一番前になっていた。不思議。

 

「次の組の方、どうぞ」

 

 それじゃあ、イカ釣り体験、だね。ありがたくやらせてもらおう。

 小さな釣り竿をもらって、やり方を教えてもらう。普通の釣りみたいにエサを食べてもらう釣りじゃなくて、釣り針をイカの端っこに引っかけて釣り上げるやり方らしい。

 

「釣り上げた時に水や墨を吐くことがありますから、十分に気をつけてくださいね」

「ん」

 

 それじゃあ、やってみよう。釣り針を水に入れて、たくさん泳いでるイカを狙う。んー……。こう、かな?

 難しいのかな、と思ったけど、案外あっさりとイカに引っかかった。簡単に釣り上げることができて……。水を噴いた。ぴゅう、と。こっちには届かなかったけど。

 

「おー……」

 

 服とか、気をつけないといけないね。水ならいいけど、墨だと服が汚れちゃうから。

 釣り上げたイカはその場で調理してくれるみたい。担当の人が手際よくイカを切ってくれた。包丁でささっと。すごい。

 そうして切ってくれたイカは、半透明みたいになってる。お醤油をつけてお刺身で。量は少ないけど、ちょっぴり楽しかったからいいかな。

 それじゃあ、いただきます。

 

「んー……。すごい。コリコリ食感だ」

 

 イカのイメージってもにゅもにゅしてるイメージだったけど、このイカはコリコリと歯ごたえがある。なんだか不思議。

 

「釣りたてのイカってそういうものらしいよ。こういう時にしか食べられない食感だね」

「おー」

 

 貴重な体験、だったのかも? 私の世界でいつか食べたクラーケンも、生ですぐに食べたらこういう食感だったのかな。あの時は全部焼いちゃったから分からない。

 今度、クラーケンを捕まえに行こうかな。クラーケンのお刺身。美味しいかもしれない。

 

「んー……」

「師匠さん。多分リタちゃんが、クラーケンの刺身美味しそう、とか考えてます」

「覚悟しておくといい。不意に持っていくぞ。でっかいイカを。切って、て」

「やめてください死んでしまいます。主に心が」

 

『がんばれ真美ちゃん!』

『ていうかなんでそんな考えてること分かるんだよ』

『リタちゃん検定免許皆伝の者たちだ。面構えが違う』

 

 ちょっと何言ってるか分からない。

 イカ、美味しかった。次は何を買おうかな。他にも美味しそうなものはあるけど……。

 

「ん……。真美。真美。あれ、美味しそう」

「え? ああ……。函館とは違うけど、あれも北海道のお土産だね」

「へえ」

 

 北海道の苫小牧という場所のお土産らしい。早速買ってみよう。

 買ったのは、ロールケーキみたいなお菓子。ハスカップ、という果物を使ったジャムがたっぷりのお菓子みたい。とても美味しそう。早く食べたい。

 

「リタちゃん、あそこにイートインコーナーがあるよ」

「行く。食べる」

「うん」

 

『うきうきリタちゃん』

『最近では珍しい初めて食べるお菓子だからな。わくわくだよな』

『いろんなお菓子を前にして目をきらきらさせていたリタちゃんが懐かしい』

 

 いつの話をしているのかな。かなり昔だと思う。

 




壁|w・)商品名が分かっても出さないようにしてくださいね。
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