異世界魔女の配信生活 作:龍翠
転移した場所は、函館空港のわりと近くにある修道院。修道院、というのはよく分からないけど、ここは女性しかいない女子修道院なんだとか。
「修道院」
「えっと……。簡単に言えば、キリスト教の人が、世俗から離れて祈りと労働に生涯を捧げるための施設、かな?」
「ふうん」
キリスト教。宗教、だね。なんとなくは分かるけど、逆に言うとなんとなくしか分からない。私の世界に宗教というのはほとんどないらしいから。
「俺たちの世界は精霊たちが普通に関わってくるからな。精霊様が魔力を遮断して国が滅ぶ、というのも実際にある世界だし」
『てことは、宗教戦争みたいなのはなさそう?』
『わりと平和な世界!』
「いや、なんていうかな、信仰のやり方の違いでの戦争はあったはず。なにせ精霊様は別に神託とかするわけじゃないから、正しいやり方ってのがない。あと、宗教の対立は少ないけど、種族の対立は普通にある。勇者召喚した国とかあっただろ」
『そういえばあそこは魔族の国と対立してたっけ』
『唐突に思い出される精霊様のやらかし』
『その節は本当に日本の方に申し訳なく……』
『精霊様www』
あまり馴染みがないから、宗教というものにはちょっと興味があるよ。それに、日本にいる時も不思議な気配があったりもするから。
修道院の門はわりと小さくて、大きな車とかは通れなさそう。そもそも通る必要がないというのはあるかもしれないけど。
そして中は、結構綺麗な場所だった。
「おー……」
なんだか不思議な場所。像とかもある。聖ミカエルだって。あとは、聖母マリア。そういう像がある。
ちょっと奥には綺麗な庭園がある。しっかりと手入れがされてるみたい。庭園は階段にもなっていて、その奥にちょっと大きな建物があった。あそこにここで暮らす人がいるのかな。
「綺麗な場所だね」
「ん」
邪魔をしないように、早めに帰ろう。中とか興味があるけど、きっとここは勝手に入ったらいけない場所だ。
庭園に戻って、ちょっと上から改めて敷地を見る。とっても綺麗な場所。きっとここで暮らす人は、みんなとってもいい人たちだ。
少し歩いて、敷地内の少し小さい建物へ。ちょっとした資料室になってるみたいで、この修道院のこととかが分かる写真とかも飾られていた。どんな暮らしをしているかも書かれてる。
そして別の部屋は、いろいろと売ってる場所。そう、クッキーとか!
「真美! 真美! クッキーがある!」
「あるねえ」
「買おう!」
「買おうねえ」
『お母さんを振り回す幼子かな?』
『クッキーに大喜びのリタちゃん』
『子供かな?』
クッキーは小分けにされて袋に入れられてる。プレーンクッキーとココナッツクッキーがある。あと、ホワイトチョコレートもあるね。どれも手作りらしい。
どれもとっても美味しいらしいから……。えっと……。
「全部はだめ?」
「だめです」
「じゃあ……。三袋ずつで……」
「それぐらいならいいかな……?」
じゃあ、三袋ずつだね。お会計をして、敷地の外へ。早速一つ食べてみよう。
「クッキーはちょっと厚めだね。バターの香りがする」
それじゃあ、いただきます。ぱくり。
「んー……。さくさく食感。シンプルな味だけど、バターをしっかりと感じられる味。でもくどくはなくて、食べやすいね。とっても美味しい」
今まで食べたクッキーでは上位に入る美味しさだ。とても美味しい。これも、なくなったらちょっと買いに来たりしてもいいかもしれない。もぐもぐ。
「さあ、リタちゃん! 次は牧場だよ! 北海道と言えば牧場だよね!」
『偏見がすぎるぞ真美ちゃん!』
『でも牛乳のイメージはあります!』
もぐもぐ……。牛乳。美味しいミルクを飲みたい。あと、アイスクリームもあるかな。
『さあ、牛乳を凍らせてアイスクリームを作ろうぜ!』
『思い出したかのようにいじられるシッショの失敗料理シリーズ』
「やめてくれない?」
真美に地図を見せてもらって、早速転移だ。
転移した場所は、牧場の前。函館空港のすぐ近くにある牧場だね。修道院からもわりと近いから、一般の人でも車があればすぐに来れるかも。
牧場に入って左側に、ソフトクリームを売ってるお店もあった。牧場併設のお店、だって。これはとても期待できる。
普通のソフトクリームだけじゃなくて、モカというソフトクリームもある。コーヒー味かな? どっちも美味しそう。早速買ってみよう。
それじゃあ、いただきます。もぐり。
「んー……。今まで食べたどのソフトクリームよりもミルク感がある。とっても濃厚で、ちょっと不思議な口当たり」
「安定剤っていうのを使ってないから、すぐ溶けちゃうらしいよ」
「おお……。早く食べないと。あと十個ください」
「早く食べないととは」
『草』
『早く食べよう(だからもっとください)』
『まるで意味がわからんぞ!』
だってアイテムボックスに入れておけば、溶ける心配はないから。
モカもほんのりコーヒー味があって、とても美味しい。あとコロッケとかも売ってるね。いただきます。
「流れるように買っていってる……」
「行く先々で食べてるなあ」
『ある意味平常運転』
『いっぱい食べる君が好き』
『わかる』
もぐもぐ……。コロッケも、美味しい。さくさく。
たっぷり食べて、お店の反対側へ。牛へのエサやり体験だって。バケツに入ってるエサを買って、牛にあげられるらしい。
牛はのんびりとエサをもらいに来てる子たち。ちょっと大きな牛もいるけど、結構かわいいと思う。エサをあげたら、のっそりと食べ始めた。撫でておこう。なでなで。
『あまり触っちゃだめだぞ!』
『変な病気を持ち込む危険性もあるから、マジで注意』
「わかった。魔法で綺麗にしておく」
『それはずるいw』
ずるくない。予防は大事。
牛とちょっぴり遊んで、次の場所に行くことになった。次は綺麗な場所だって。
壁|w・)どっちもとっても美味でした……!