異世界魔女の配信生活 作:龍翠
立待岬。函館山の南東にある端っこの部分。海が広がってとっても綺麗な場所だ。
「おー……」
「いい景色だね」
「ん」
一面に広がる海もいいけど、視線を横に向ければちょっとした崖になっていて、そこも緑に覆われたりしていて見ていてすごい。さらに反対側には、函館の町並みが見える。
町並み、海、そして崖の緑。三種類の景色を楽しめてとてもいいと思う。風も気持ちいい。
「海の景色も悪くない」
「だね」
「私は森の方が好きだけど」
「あはは……」
『エルフの血が森を好きにさせるのだ!』
『リタちゃんは森で育った子だからね。やっぱり慣れ親しんだ森の方が好きか』
『さすが野生児!』
野生児言うな。関係ないし。
ちょっと歩く道もあって、景色を楽しみながら、風を感じながら歩くこともできる。お散歩するにはいい場所かもしれない。たまたまかもしれないけど、人もそこまで多くない。
修道院で買ったクッキーをかじりながら景色を眺める。んー……。悪くない。とてもいい。
「もうちょっと公園っぽかったら、ピクニックをしても楽しそうだけどね」
「ん」
でも、あまり大勢の人がここにずっといても迷惑かもしれないから、これでいいのかもしれない。
うん。ここも結構いい場所だ。景色がいい場所も好きだよ。
「それじゃあ、リタちゃん。そろそろお昼ご飯の時間だね」
「お昼ご飯」
「はい。というわけで、次はハンバーガーだよ!」
「ハンバーガー!」
函館のハンバーガー。何を食べられるのかな?
函館には函館近辺にしかないハンバーガー屋さんがあるらしい。実際にはハンバーガー以外もいろいろあるらしいけど、ハンバーガーがとっても有名なのだとか。
とりあえず宿泊してるホテルの近くのお店に来てみたけど……。すごく、混雑してる……。
「わあ……」
「すっご……」
「さすがにここは混みすぎだろ。別の店にした方がいいんじゃないか?」
それはそうかもしれない。多分一時間以上待たされてしまうと思う。いつもと同じならあんなに並ぶとたくさんの人が集まってきそうだし、同じ系列の別のお店がいいね。
真美がささっとスマホで検索して、ここなら良さそう、というお店に転移で移動した。それにしても真美はすごい。スマホの操作が速い。こう、すすって。
「んー……」
「リタちゃん、指を動かしてどうしたの?」
「別に……」
『スマホ操作の動きに憧れたと見た』
『まあ慣れるしかないし、がんばれ!』
がんばる。
お店に入ったら……なんだかすごく不思議なお店だった。たくさんの人形とか飾りとかがされてる。とっても賑やかなお店。販売のお店ならたまに見るけど、飲食のお店でこういうのは珍しいかもしれない。おもしろい。
入ってすぐにあるカウンターに向かって、注文。いっぱいあるね。
「全部……」
「リタちゃん。ここも人が結構入るから、注文が多すぎると次のお客さんに迷惑だよ」
「ん……」
全部食べてみたいけど、ここのお店は注文を受けてからハンバーガーを作るらしいからどうしても時間がかかるのだとか。佐世保バーガーみたいだね。じゃあ……。一番人気のチキンバーガーを三個なら、いいかな……?
「大丈夫……?」
店員さんにそう聞いてみると、笑顔で頷いてくれた。
真美と師匠も同じものを頼んで……。受け取ってから、二階に向かう。お店の面積があまり広くなくて、二階が飲食スペースみたい。
二階もなんだか騒がしい見た目のお店だ。飾り付けいっぱいだね。
空いてる席に座って、それじゃあ、いただきます。
「おー……。ハンバーガーでは初めての味」
挟んでいるのはハンバーグじゃなくて、甘辛いタレがたっぷりの唐揚げ……みたいになってるもの。北海道だからザンギかな? 甘辛いだけじゃなくて、ちょっぴり酸味も感じられるタレだ。
そんな甘辛いタレがしっかりと絡まった大きな唐揚げが三個も挟んである。
シャキシャキのレタスで食感も楽しくて、このレタスのおかげで味がくどくならないようにもなってるね。とても食べやすい。すごく美味しい。
「んふー」
「美味しい?」
「とても美味しい」
『めちゃくちゃうまそう』
『てりやきバーガーともまた違う感じなんかね?』
『甘辛いタレか……。自分で作るしかないのかこれ……』
『その系列、マジで函館周辺にしかないから困る』
『ちなみに函館はそのバーガーチェーンが強すぎて、他のチェーンがなかなか参入できないらしい』
『すげえwww』
そういえば、以前真美と一緒に行ったハンバーガーのお店はまだこの旅行では見てないね。このお店と同じ名前のお店はいくつもあるみたいだけど。確かにすごく美味しいからね。
「もぐもぐ……。もっと注文したい。アイテムボックスに入れておきたい」
「転移で来れるんだから、別の機会にしようね」
「ん」
そう、だね。これだけ美味しいハンバーガーなんだから、他の人もきっと食べたいはず。わがままは言わないようにしよう。すでに三個ももらってるから。
二個目のハンバーガーもぱくりと。やっぱりこの甘辛いタレがとてもいい感じだ。ちゃんと包装もしてくれてるから、ていくあうともばっちりだね。
「とても満足した」
「あはは」
『とっても美味しそうでした』
『とりあえず近くのちょっといいハンバーガー屋さんに来たよ、妥協するよ』
『函館に行けばいいんじゃないかな!』
うん。函館に来ればいいと思う。どれも美味しいから。
最後にお店の人やお客さんたちと写真をさっと撮って、次の場所に向かうことにした。
壁|w・)どこか分かっても、お店の名前は出さないようにしてください……!