異世界魔女の配信生活 作:龍翠
美味しいものを食べたから、次は純粋に観光、ということで、次の場所に来た。旧イギリス領事館。イギリスという国が領事館として使っていた建物らしい。
「領事館ってなに?」
「えーっと……。現地に滞在する自国民のための行政サービスを行ってる施設……かな? かなり簡単に言えばだけど」
「へえ」
じゃあ、実際に使っている建物には入れそうにないね。いや、入る予定もないけど。
入館料を払って、中に入ってみる。当時の様子を再現した部屋とかあって、ちょっとおもしろい。ここでお仕事をしてたってことだね。ちょっと贅沢。
建物の裏はちょっとした庭園になっていて、お花がいっぱい咲いていた。花のトンネルもある。すごい。
「お庭がいい」
「あはは。リタちゃんは建物よりもお庭の方が好みなんだね」
「ん」
自然がいっぱいなのはとてもいいことだと思う。
『さすが野生児』
『森育ちだからね、やっぱり野生がいいよね!』
『おまえらwww』
怒ってもいいかな?
次に行ったのは、旧公会堂というところ。こっちも昔に使われていて、今は公開している建物ってことだね。ここはなんだか見た目からしてちょっとすごい建物だ。なんだか高級そう。
中も広い部屋がたくさんあった。ほとんどは資料室になってるけど、間取りとかは変えられないだろうし、こういった建物を実際に使っていたらしい。
大食堂もあるよ。いや、何か食べられるわけじゃないけど。…………。ちょっと残念。
一番印象的だったのは二階だね。大広間。本当にとっても広い部屋で、ピアノも置かれてる。どんなことに使われた部屋なのかちょっと分からないけど、すごく印象に残る。
『ダンスホールとかに使ってたんかな?』
『リタちゃん、そこで踊ろうぜ!』
『いやリタちゃんダンスそのものできないだろw』
ダンス。よく分からない。やり方とか、教えてもらったらできると思うけど……。
「師匠」
「いや、俺に振るな。さすがにダンスとか知らないから」
「ん……」
『ダンスぐらい義務教育だろシッショ!』
『簡単な社交ダンスぐらい教えてやれよシッショ!』
「ダンスを教えられるやつだけが俺に文句を言えよ? うろ覚えじゃなくてだからな?」
『そんなことより次に行こうぜ!』
『まだまだ函館は広いんだ!』
「おい」
結局誰もはっきりと覚えてないってことだね。残念だけど仕方ない、のかな?
次に来たのは、お船を記念館にした不思議な場所。摩周丸、だって。お船だよお船。
「お船」
「リタちゃんのテンションがちょっと高くなってますね」
「船好きだっけ?」
『わりと乗り物が好きっぽい』
『車や電車にも興味津々なんだぞ!』
「あー……。勝手に動く乗り物が新鮮で楽しいんだよな。分かる」
『シッショ、お前もかw』
このお船は動かないようになってるみたいだけどね。それでもお船。楽しみだね。
中はやっぱり資料がたくさんだけど、当時実際に使っていたものの展示もあっておもしろい。あと、操舵室という場所にも入ることができた。
操舵室。つまり、ここでお船の操縦をしていたってことだよね。なんだかたくさんの機器類が置いていてよく分からないけど、ここで働く人は全部しっかり理解してたんだと思う。すごい。
「これをくるくる回すとお船が動いたの?」
「そうだね。今も動かせるよ」
「んー……。おー」
丸いものを回してみる。これでお船が進む方向を変えていたということらしい。どんな仕組みなんだろう。お船の本、買ってみようかな?
あとは、通信室。モールス信号の体験もできるらしい。モールス信号って、確か短い音と長い音を組み合わせて連絡する、みたいなやつだったよね?
『そういやリタちゃんの世界でモールス信号みたいなのってないよね』
『ぶっちゃけ必要なさそう』
『ある程度の通信なら魔法でどうにかなりそうだしな』
『リタちゃんの配信魔法もあるぐらいだし』
いや、私のこの魔法は精霊様の魔法だからあまり参考にはならないだろうけど……。でも、遠方に連絡を取る魔道具はあるし、モールス信号は私の世界にはないと思う。
甲板にも出ることができた。お船の上。風が気持ちいい。
「ここでご飯を食べたら楽しそう」
「だめだからね?」
「わかってる」
『お船の甲板でご飯……いいよね……』
『ここでは当然だめだけど、そういったイベントも別の場所ではあるし、探してみたら?』
あるのかな。あるのなら行ってみたいな。ちょっとうるさくなるかもしれないけど。
しっかり全部見終わって、終わり。いろんな場所を見れたと思う。結構楽しかった。
「もうそろそろいい時間だね」
「ん?」
時間。そろそろ夕方、だね。一箇所ずつをじっくり見ていたから、もう晩ご飯の時間だ。晩ご飯。何にするのかな。もう決まってるのかな?
「真美。真美。晩ご飯は何にするの?」
「ふっふっふ……。函館に来たら、食べないといけないものがあるんだよ……」
「ん?」
ささっと真美がスマホを操作して、画面を見せてくれる。次の場所。晩ご飯の場所。そうして示されたのは、美味しいうにの丼を提供するお店、とのことだった。
「つまり! うにだよ!」
「うに」
『うに丼か!? うに丼を食べるのか!?』
『函館のうにとかめちゃくちゃうまそう!』
美味しいらしい。それは楽しみだ。是非食べよう。すぐに行こう。
壁|w・)きりがないのでダイジェストだ!