異世界魔女の配信生活 作:龍翠
温泉とアイスをしっかり楽しんで、ぐっすりと眠って……。朝。
「はぐはぐはぐはぐ」
「すごい勢いで食べてる……」
今は朝ご飯の時間。ホテルの朝ご飯。美味しい海鮮のご飯。いっぱい食べないといけない。
『今日も何周もするんだろうか』
『お、今来たのか? すでに昨日と同じ量を確保済みだぞ』
『さすがだあ……』
なんだろう。文句でもあるのかな。ホテルの人に怒られたら謝るけど。
「いくら。いくら。美味しい。もぐもぐ」
「あははー」
「お刺身。イカ。まぐろ。美味しい。もぐもぐ」
「あ、あはは……」
「ザンギ。ケーキ。どれも美味しい。もぐもぐ」
「…………」
『真美ちゃんの笑顔がちょっとずつ引きつってるw』
『朝からあの勢いで食べるのを見たらちょっと食欲失せたりもしそう』
『美味しそうに食べるのを見てると逆にお腹が減ってきたりもしそう』
『どっちなんだよw』
もぐもぐもぐ……。もぐ?
「真美?」
「なんでもないよ。いっぱい食べてね」
「ん」
いっぱい食べる。
『いっぱい食べる君が好き』
『ちっちゃいお口で一生懸命食べるのが好き』
『一所懸命な』
『うるせえ』
変なケンカはしないでほしい。どっちでもいいよ。もぐもぐ。
朝ご飯をしっかり食べた後は、朝もお風呂に入れるらしいから最後にお風呂にも入ることにした。たっぷり食べた後の朝風呂。とても気持ちいいと思う。何よりも温泉だから。
「はふぅ」
「とろけてる……」
『てんてー! 俺たちからは見れないです! てんてー!』
『せめて! せめて溶岩を映すにしてもフェニちゃんも入れてください! てんてー!』
『てんてーとか久しぶりに聞いたなあ』
朝風呂は他の人が夜よりもちょっと少ないから、とてもいいと思う。ゆっくりできるね。ふにゃふにゃしそう。ふにゃふにゃ。
「はーい。そろそろ出ようねー」
「んあー」
『何が! 何が起きてるんですか!』
『猫のように持ち上げられて連れて行かれるリタちゃん……とかか!?』
『見たいよお!』
よくわかんないけど、だめです。うあー。
朝風呂も満喫して、荷物をまとめてチェックアウト。一階にある機械にカードキーを入れると、お支払いができるようになってる。すごい仕組みだ。日本、すごい。
お支払いをした後は、お土産を買うためにコンビニへ。みんなチェックアウト前に買うためか、コンビニに人は少ない。じっくり選べるね。
「全部買おう」
「選ぶとは?」
「師匠、黙って」
「ひどくない?」
『草』
『わりと真っ当なツッコミだったのにw』
『野暮なことは言うなってことですよ』
そういうことです。
もちろん買い占めるとかじゃなくて、全種類少しずつ買う、ということだよ。他の人の迷惑にもなるだろうから。あ、冷蔵に函館牛乳ってある。これも買っておこう。チーズ帆立も美味しかったからそれもだね。あとこれも……。
「師匠さん。カゴがすごいことに」
「五つ目だなあ。これ店員さん大変じゃないか?」
『カウンターにいる店員さんの頬がすでに引きつってるぞ』
『なんだよ文句あるなら俺が代わるぞリタちゃんとお話しできるんだぞ!』
『羨ましい!』
お菓子もいっぱい入れて……。シマエナガのぬいぐるみもある。手のひらサイズの、えっと……。キーホルダー。これはちょっと多めに買っておこう。大きめのやつも。ぬいぐるみはかわいいから。
そうしていっぱいカゴに入れて、カウンターに向かった。
「お願いします」
「は、はい……!」
なんだか不思議な表情だけど……。そんなに手間にはならない、と思う。
スキャンしてもらった物から順番にアイテムボックスへ。袋詰めは必要ない。どんどんいこう。
『なるほど、こりゃいいや』
『なんだかんだと袋詰めが一番時間かかるからね』
お支払いもして、終わり。店員さんに頼まれて、最後に写真を撮っておいた。これでいいかな?
それじゃあ、やることもやったし、次は……。
「真美。真美」
「うん。そろそろ空港に……」
「カレー行こう!」
「だよね!」
「あっはっは」
『昨日言ってたもんな、カレー食べるってw』
『でっかいホタテのカレーやな!』
それもだけど、またいっぱい食べたい。食べたくなったらいつでも来れるとはいえ、頻繁に来るとも思えないから。ちゃんと食べないと、ね。
「いや、リタちゃん、朝ご飯ちょっと前に食べたところなのに……」
「……?」
「そのきょとん顔はやめてほしいなあ!」
分かってたけど、なんて言ってる。いつものことだからね。
『カレーからは逃げられない!』
『また全種類食べるんだろうかw』
『カレー屋さん、準備しておくんだ! 間に合わなくなっても知らんぞお!』
『お前はどこの野菜人だw』
よく分からないけど、とりあえずカレーだ。いっぱい食べたいね。
壁|w・)やり残しがないように、最後にわちゃわちゃするのは旅行の常……。
まあどこぞの魔女は忘れたことがあったらほいほい戻ってくるんですけどね。