異世界魔女の配信生活 作:龍翠
飛行機。二回目の飛行機だね。わくわくだね。
「リタちゃんが窓にへばりついてる……」
『もう一回見ただろうにw』
『飛行機大好き魔女』
『飛行機かっこいいからね!』
「ん。かっこいい」
もうすぐ動き始めるはず……。そう思っていたら、動き始めた。最初はゆっくり、だんだん速く。そしてふわりと飛び始めた。ごー。
「おー……。あっという間に雲の上」
「転移で文字通りあっという間に移動できるよね?」
「それはそう」
『でも飛行機いいよね』
『でもリタちゃんのお楽しみはこの後だよね』
「ん」
荷物が戻ってくるくるくるを見たいからね。あれがとても楽しみ。だから飛行機が到着するまではのんびり待つ。
「リタちゃん、みかんキャンディいる?」
「いる」
飴でもなめながらのんびり待とう。
本を読みながら待っていたら、飛行機が心桜島空港に近づいてきた。ゆっくりと下り始めてる。もうすぐ到着だね。
飛行機が着陸して、空港の建物に近づいていく。もうここは心桜島。あっという間だ。
「それじゃあ降りよっか」
「ん」
真美に促されて、飛行機から降りる。短い通路を進んで、階段を下りて……。
「こっちだね」
「ん」
真美の後ろを歩いてたどり着いたのは、ちょっと大きな機械の前。黒くて細長い板が繋がっていて、ぐるぐると回ってる不思議な場所。確か、ターンテーブル、だったよね。
ここに荷物が流れてきて、自分のものが来たら自分で取るらしい。おもしろいね。
「どうやって自分のものだって分かるの?」
「目印をつける人もいるかな。あと、荷物を預ける時にタグを取り付けたでしょ? それで確認するんだよ」
「なるほど」
真美の説明を聞いている間に、荷物が流れ始めた。機械の真ん中にある穴みたいな場所から荷物が出てきて、ターンテーブルに荷物が載る。誰かが手に取るまでずっとぐるぐるするのかな。
待っていたら、私のキャリーケースが出てきた。ターンテーブルに載って、回り始める。とりあえず……。
「一周見守る」
「なんで……?」
『本当になんでだよw』
『間違って取られちゃっても知らないぞ!』
さすがにその時は声をかけるよ。
私のキャリーケースがのんびり運ばれていく。ぐるーっと、機械の向こう側へ。そして一周して戻ってくる。ゆっくりゆっくり。
「おー……」
「すごく楽しそう」
「かわいいだろ?」
「かわいいですけど!」
『かわいいのは認めよう!』
『でもちょくちょく謎感性だよな!』
そうしてまた私の目の前に来たから、今度はちゃんと手に取る。なぜか手に取った瞬間にあちこちから写真を撮られた。周りに視線を向けると、たくさんの人がスマホを向けていて笑ってる。
「んー……」
とりあえず……。手を振っておこう。ふりふり。また写真を撮られた。好きだね。
『突然のファンサ!』
『よっしゃあ! リタちゃんおててふりふり写真ゲットだぜ!』
『キャリーケースを持ちながらふりふりする写真はレアではなかろうか!』
『そもそもリタちゃんの写真がレアだろうがちくしょう!』
視聴者さんが大騒ぎ、だね。
それじゃあ、後は帰るだけ。転移で帰ろう。
「真美。真美。帰るよ」
「あ、うん」
何をするのか察してくれたみたいで、私の手を握ってくれた。それじゃあ、転移だ。
「師匠は?」
「直接森に帰る。気をつけてな」
「ん」
それじゃあ、転移、と。
真美のお家にはちいちゃんとお母さんがいたから、とりあえずお土産をたくさん渡して、私も森に転移した。
「精霊様、おみやげ」
「おかえりなさい、リタ。ありがとうござ……、多い多い多いです!」
世界樹の前でお土産をたくさん積んだら精霊様が慌て始めた。そんなに多いかな?
「ぬいぐるみもあるよ。シマエナガ」
「はい。かわいい鳥ですね……。飾っておきましょう」
世界樹にまたぬいぐるみが飾られる。なんだかとっても多くなってるね。ぬいぐるみがいっぱいだ。
『また世界樹の実が増えたw』
『相変わらずのぬいぐるみ置き場』
「こうして世界樹の実が増えるんだな……」
師匠がやきとり弁当を食べながら言った。食べずに残していたらしい。私は……ロールカステラを食べよう。食べにくいやつ。
「精霊様。ロールカステラ。美味しいよ」
「ふふ。はい、いただきます」
精霊様と一緒にたくさん食べよう。いっぱい食べて、幸せのお裾分け、だね。美味しいものを食べて寝たら気持ちがいいから。もうすぐ日が沈むけど、畳でお昼寝とか……。
「リタ。獣人国を忘れるなよ」
「…………。わかってる」
『嘘だぞ、絶対に忘れてたぞ』
『忘れてたというか、忘れようとしていたというか』
『美味しいものの情報をもらえるはずだからね!』
んー……。正直、函館でいろいろ満足してしまったというのが本音。美味しいお魚とかいっぱいだった。
でも、約束だったからね。美味しいお肉があるかもしれないし、ちゃんと行こう。
ロールカステラとかお土産をちょっと食べて、獣人国に行くことにした。美味しいお肉があればいいな。
壁|w・)函館旅行、終わり! 改めてものすごく長くなりました……。ほぼ3ヶ月、函館やってましたよ……。
次回からはまた獣人国です。くちゃい。