からくりサーカスパロ・クラウディア序章   作:ネコシマれーな

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車関連のお話になるので、カマロ、フェアレディZマイチェン後とか出てきます。
ジョージの性癖と過去が明らかに?


クラウディア からくりパロ #5 クラウディア5◆カマロ◆

=========20XX年X月X日 ジョージ自宅============

 

 

 

 

今日はスタントの仕事を休んだ。どうってことはない、私がいなくてもギィがいる。

私はただ身体の調子が悪いんだ。

だから今日は家でじっとしていよう。外に出ては行けない。

なんとなく右目がおかしい。むず痒い感じがして、コメカミを押して見たが治らなかった。

目玉を穿り出して裏返しにしたら何かが寄生しているのが見られるかもしれない。

家の中にいれば大丈夫だ。

1階の殆どを占めているガレージに入って、其処にじっとしていた。

部屋にいたほうが良かったんだ。

分かってたけど押さえきれなかった。

車の近くにいると落ちつく。

ミッドシップのデルソル

6MTのカマロ

潰れた1996年型バイパーの残骸

マイチェン後のフェアレディ300ZX2by2。コレだけは純正のままだ。

 

カマロのボンネットの上に仰向けに乗り、天井を見つめた。

 

落ちつけ。

面白そうだ、なんて一瞬でも思ってはイケナイ。

またもどれなくなるのは真っ平ご免だ。

 

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手入れの行き届いた芝生。道路脇に車を止めると其処に降り立ったのは阿紫花。

それを浅く踏み分けながら玄関へとたどりつく。

良くあるアメリカスタイルの一軒家。

ちょっと違うのは玄関の脇からすぐにガレージになっている事だろうか。

あたりを見まわして、玄関のガラス窓を覗きこむ。

何もない部屋がガラスごしに見え、まるで空き屋の様。

ブザーを何度か押しても誰の反応もない。

ブザーを諦めて扉を直接叩いた。

嵌めこまれたガラスがガタガタと鳴るが、それだけで反応は無し。

かたん、扉についた郵便受けに指を突っ込んでみるがまたもや反応無し。あるわけないか。

諦めずにもう一度ブザーを押す。

ボタンに指を掛けて、二ミリほど押し込むと中で音が響くのが聞こえた。

そのまま、押しつづける。

…このまま押しつづけてたらブザーの電池が切れちまいやしないかと思い始めた頃。

ガレージの中から物音が聞こえた。

 

 阿紫花:「あっち、でしたか…」

 

音をたどってガレージの前に移ろうとした途端ん。

爆音が響いて、それが連続的な排気音に変わった。

ガレージの前に立って段々と開いて行くシャッターの隙間から中を覗きこむ。

 

 阿紫花:「ジョージさン??」

 

アタシに気づいてすぐさま睨みつけたその顔。

どう見ても昨日の兄さんとは別人に思えるその迫力。

さすがのアタシもブルっちまって…

それ以上声が出ませんでした。

 

ジョージ:「何しに来た」

 

そのピンと張り詰めたような声に我に帰って。

黒のカマロの革シートに身を埋めたその姿。全て黒。黒。

 

 阿紫花:「昨日の答え、頂けませんか」

ジョージ:「何故私が必要なのかそれを聞いていない」

 阿紫花:「対象が車だからですよ。腕が必要です」

ジョージ:「対象?ふざけるな。こそ泥の真似をするツモリはない。そこをどけ。」

 阿紫花:「面白そうだよとは思いませんか」

ジョージ:「思わないね」

 阿紫花:「スリルが欲しいんでしょ。アタシもなんですよ。だから…」

ジョージ:「乗りたいのか?」

 阿紫花:「それはイイ返事をもらったと解釈しても?」

ジョージ:「勝手に解釈するな。」

 阿紫花:「何でノッてこねぇんですか。」

ジョージ:「一般人を言葉たくみに誘惑して

      仲間に引き入れようだなんて…警察に訴えてやろうか」

 阿紫花:「一般人ですか?」

 

アタシの一言に鋭い目線。

車のエンジンは切らずに扉だけを開いて。

黒ずくめのジョージさんがアタシの前に降り立つ。

 

ジョージ:「どう言う意味だ」

 阿紫花:「盗品所持」

ジョージ:「なんの話だ」

 阿紫花:「バイパーですよ。…盗品でしょ」

ジョージ:「スタントで使ったものを貰いうけた物だ。盗品ではない」

 阿紫花:「違いますよ」

ジョージ:「なに?」

 阿紫花:「3年前の宝石店の事件覚えてます?」

ジョージ:「…さぁね」

 阿紫花:「アンタは勇気ある行動で、宝石店を襲った強盗逮捕に役だった」

ジョージ:「強盗が入ったのを知ったから突破口を作っただけだ。私のやり方でな」

 阿紫花:「人質を取りたてこもった宝石店にバイパーで飛びこんだんですね」

ジョージ:「…その隙に警官隊が押入った。それだけだ」

 阿紫花:「ジョージさん本人は大怪我をして病院へ、バイパーはレッカー車でアンタのガレージへ」

ジョージ:「よく調べた物だ」

 阿紫花:「そしてコレが今ここにある」

 

ボンネットに手を掛け。

其処を開くと、ばら撒かれた宝石の数々がバイパーのエンジンに絡みつく様に散らばっている。

肩をすくめて向き直ると、ジョージが苦笑しながら顔をそらす所だった。

 

ジョージ:「…脅しか?私は知らなかったと言ったら?」

 阿紫花:「3年もですかい?」

ジョージ:「怪しいかな?」

 阿紫花:「怪しいでしょう」

ジョージ:「だろうな」

 阿紫花:「アタシが全部さばいてあげましょうか?」

ジョージ:「売るツモリはない。そこにある事が重要なんだ、私にとってはね」

 阿紫花:「それはどういう?」

ジョージ:「クラッシュカーマニアなんだよ私は。潰れた車ほど美しく見える、まぁ一種の病気だな」

 阿紫花:「そりゃエライ病気ですネェ」

ジョージ:「君ほどじゃぁない」

 阿紫花:「アタシが病気に見えますか」

ジョージ:「クラウディアを作るようなやつが正気である筈がない」

 阿紫花:「そりゃ褒め言葉ですね」

ジョージ:「褒めたツモリだ」

 

参ったという顔で笑い、

身を屈めてカマロを除きこみ、軽い溜め息をついて。

 

 阿紫花:「乗っても?」

ジョージ:「ああ」

 阿紫花:「邪魔しちまわえねぇですか」

ジョージ:「何故だ?」

 阿紫花:「外出の予定があったからエンジンお掛けになったんでしょ」

ジョージ:「まぁな」

 阿紫花:「どちらへ?」

ジョージ:「崖から飛び降りに」

 阿紫花:「お付き合いしましょう」

ジョージ:「冗談だと思うか?」

 阿紫花:「別にどっちでもイイですよ、途中でアタシを家まで届けてくれればね」

 

そう言って笑いかけたら、大きな溜め息をつかれた。

この人、本気だったんですかネェ。

 

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