からくりサーカスパロ・クラウディア序章   作:ネコシマれーな

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ついに意を決するか。

クラウディアはわくわくらぶらぶではあるが…


クラウディア、終わりにしよう◆続編

クラウディア:「ねぇねぇ。どこへ行くの?」

  ジョージ:「警察さ」

クラウディア:「いやだわ。行きたくない」

 

突然大人びた声を出してクラウディアがそう言った。

それを無視して車を走らせる。

朝露が湿ったボンネットの上に水玉を作って流れた。

 

クラウディア:「ジョージはさ」

  ジョージ:「なんだ?」

クラウディア:「阿紫花のコト好き?」

  ジョージ:「…………」

 

え?いま、

なんと。

 

クラウディア:「アタシは好き。でもなんとなく怖いの。其処が彼のイケナイトコロよね!」

 

私に同意を求めるその瞳は特に珍しいことを言っているツモリではなさそうで。

 

  ジョージ:「君は…」

クラウディア:「あーもう、クララって読んでって!」

  ジョージ:「…クララ、何故阿紫花を…」

クラウディア:「あ、ほらあそこアタシのお家よ!」

 

クラウディアの言葉に先を阻まれて慌てて急ブレーキをかける。

ジョージ宅から1KMも離れていない小さな庭のついた綺麗な家。

止まった車から勝手に降りたクラウディアは、その庭の中へかけこんで、手を振って見せた。

 

  ジョージ:「一件落着、と言うことに…しておくか」

 

もう、なんだか面倒なコトが多すぎるような気がした。

クラウディアの口から出た阿紫花の名前。

何故知っているのかを聞くことも出来なかった。

例え聞いたとしても答えたかどうかもわからないが。

右目の奥がまた疼く。

遠くから小さな高い声。

 

 

また行くわ!

 

 

その声に大きく溜め息をついても、胸の奥がちょっと苦しくなっただけだった。

小さな家の扉が閉じる。

疑問の解決への糸口も同時に閉じたような気になって。

ふいに、メマイを覚えた。

 

 

アタシと組みませんか?

 

 

阿紫花の声がこだまする。

…いや、考えちゃイケナイ。

…何を、盗みたいんだろう。阿紫花は。

…いや、私には関係のないことだ。

…盗む対象が車だと言っていたな。

…一体どんな車に目をつけたんだ?

…ああ、メマイが止まらない。

ああ、メマイが止まらなくなる。目の奥が疼いて目を閉じた。

 

 

   女医者:「…とくに変わったところはなさそうですよ」

  ジョージ:「そう、ですか…」

   女医者:「自律神経失調症かもしれないわ、ちょっと薬飲んでみる?」

  ジョージ:「いや…必要ありませんから…」

   女医者:「あのね、ならなんで病院来たの?」

  ジョージ:「……」

   女医者:「医者は病名つけて薬出すのが、稼ぎ口だと思ってる?」

 

 

気がつくと病院にきていた。

仕事のコトはすっかり忘れてしまっていたがそれは後の話…

内科の医者にかかるなんて始めてのコトだった。

だが、私が薬を飲んだところで何も変わらないのは分かっていた。

女の医者が私の目を覗きこむ。

ちょっとこの女はお喋りが好きなようだ。

病院に患者があまり来ていなくて暇を持て余してもいるようだが。

 

 

  ジョージ:「いいえ。何故そんなコトを聞くんですか」

   女医者:「あ、ゴメン、アタシ余計な口が多くて。えーっとね?

        アタシが言いたいのは内部に問題がなければ

        精神的な物の可能性が多い言って言いたいわけなの。わかるかなー」

  ジョージ:「…ああ、わかります」

   女医者:「飲んでみる?薬。」

  ジョージ:「…はァ…」

   女医者:「んー、多分その調子だと薬出しても飲みそうにないねーキミ。」

  

なんか、今日、私は厄日なのか?なんて。

ピシっと私を白いボールペンで指差すと、医者はウインクをして見せた。

変わった医者だ。

…ん?

ボールペンの脇に刻んである小さな文字を読み取る。

 

 

  ジョージ:「薬の名前ですか」

   女医者:「え?何が?」

  ジョージ:「ボールペンの所にかいてある…」

   女医者:「あはは、やだなー。これ手書きじゃない。

        勿論アタシの名前よ、物に名前書くの好きなのよね。あ、お札にまでは書かないよ」

  ジョージ:「名前…、名前?」

   女医者:「そう、あたしの名前、クラウディア。」

 

 

イイ名前でしょ、と言って医者が笑った。

黒くて柔らかい髪が肩より下まで揺れていて

黒目がちな瞳が悪戯そうに微笑む。

顔立ちをキツク見せているのは細身の眼鏡のせいなのか。

 

 

  ジョージ:「…クラウディア…ですか」

クラウディア:「そうそう、おっと、そろそろ薬飲む気になった?」

  ジョージ:「残念ながら」

クラウディア:「なによ、より悪化したような顔して」

  ジョージ:「いいえ、別に…」

クラウディア:「そだ、ジョージさんだったよね。ジョージラローシュ。

        名前聞いてるわよ、阿紫花によろしくね」

  ジョージ:「…!?」

クラウディア:「とりあえずさー、薬は出しとくから。1回飲んでみてまた明日来て。」

  ジョージ:「あ、あの、なん…」

クラウディア:「あ、ゴメン次の人来ちゃった、またお話しようぜィダーリン★」

 

 

空いた、口が、塞がらない…

 

 

受付で薬を貰って。

朦朧とした頭で家路につく。

何故、阿紫花の名前を?

クラウディア?何故クラウディア?

もう、わからない。もしかしたらこのメマイの原因はクラウディアにあるのかもしれない。

そうだとするとクラウディアを作った阿紫花にも責任があるに違いない。

ああ、もう、面倒だ。

そして、私は更なるメマイを覚えるコトになる。

いっそ家の前を通りすぎてしまおうかとも思った。

何故なら、玄関先に私のメマイの元凶がいたからだ。

阿紫花英良。…全ての元凶を、封じ込めてしまおうか。

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