全ては幻想郷のために   作:nyagou

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本作品は『東方project』の二次創作です。原作に作者の発想、解釈を加えたものになります。その点ご了承ください。


急なお茶会と始まらない昼食

「助けてくれー!レミリアー!」

 

パチュリーに追いかけられ、魔理沙はレミリアの部屋に飛び込む。

 

「あら、魔理沙。今あなたはメイドなんだから、私のことはお嬢様と呼ぶものよ?咲夜の教育が行き届いていなかったのかしら?」(魔理沙は今紅魔館のメイドになっている。「紅魔の陰謀『一生に一度のお願い』」参照)

 

「そんなことどうでもいいんだぜ!今パチュリーがものすんごい剣幕で…!」

 

次の瞬間、レミリアの部屋のドアが再び勢いよく開けられる。

 

「こらあ!魔理沙!…ゼー…その本を!…ゼー…」

 

「喘息持ちなのにそんなに走るもんじゃないよ、パチェ」

 

今度はフランが心配そうに声をかける。

 

「よっ、フラン。久しぶり。…ところで何でレミリアの部屋にいるのぜ?」

 

「何かお茶会しようってお姉様が言ったから。…もう少し早く来てくれたら霊夢も誘えたのに」

 

「そうか…じゃあ私が代わりって言ってはなんだが参加しようか?」

 

「いいけど…お姉様は?」

 

「全然構わないわ。こういうのは多い方が楽しいものよ。…パチェもどう?ぶっちゃけもう疲れてるんじゃない?」

 

「…そうさせてもらうわ」

 

壁に座って寄りかかっていたパチュリーがか細い声でそう返答した。

 

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「まあ美味しいわね」

 

「これで咲夜が入れてくれたらもっと完璧なのに…」

 

「咲夜は今昼食の準備中よ。…遠回しにまずいって言ってる?」

 

「なんでもないのぜ」

 

レミリアは普段紅茶を淹れない。全部咲夜に丸投げしている。だから淹れ方が下手になったのかもしれない。

 

「お姉様、何で紅茶飲まないの?」

 

「…まずいって言われたものを飲みたいって思う?」

 

「あーあ、魔理沙のせいでお姉様がへそ曲げちゃった」

 

「私のせいなのぜ?!」

 

「そうよ、紅魔館で起こる悪いことは全部魔理沙のせいよ。…例えば図書館から本がなくなるとか」

 

「それしか考えてなかっただろ、パチュリー!…そういえば何で始めからカップが4つあったんだ?」

 

強引に話の方向転換を図る魔理沙。

 

「運命を見たからよ、魔理沙。あなたがパチュリーに追いかけられてここに来ることは既にわかっていたわ」

 

「何か怖いな、それ」

 

「運命とはそういうものよ。太陽が東から昇って西に沈むようなもの。基本的には変わらない…基本的にはね」

 

「けれどもレミリアはそれを変えられるんだろ?」

 

「変えられるだけよ。変えたとしてその先に望む結果があるかどうかは私にもわからないわ。ただ…出来るだけ良い未来に繋がるように努力する…ただそれだけよ」

 

その瞬間、パチュリーが突然椅子から崩れ落ちた。

 

「どうした、パチュリー!大丈夫…か…」

 

「そろそろ効き出したようね」

 

「何を言ってるんだぜ…レミリア…お前…まさか…!」

 

「痺れ薬と睡眠薬を入れさせてもらったわ。邪魔者…とは言わないまでも第三者には消えてもらいたかったからね」

 

「お姉様…」

 

「大丈夫よ、フラン。これは『良い』未来のためなのだから」

 

「…レミリア…」

 

目の前が次第に暗くなっていく。遠のいていく意識の中で魔理沙は思ったー

 

(霊夢…すまねえ…)

 

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「ちょっといいかしら」

 

「何?見たとおり私は昼食の準備で忙しいのだけど?なんなら手伝ってくれない?」

 

霊夢が料理中の咲夜に近づく。

 

「10日前の昼過ぎ、どこにいた?」

 

「さあ…そんなの覚えてないわよ。私はいつも忙しいんだから」

 

「とぼけるのもいい加減にしなさい。この魔道具によるとどうやら外に出ていたようね」

 

そう言って取り出したのはパチュリーお手製の「紅魔館全監視魔道具」。文字通り紅魔館のあらゆるところを見ることができる。

 

「あー、確かにその時は食材の買い出しに出てたかもしれないわね。それで?」

 

「十六夜咲夜。あなたに博麗神社襲撃の容疑があるわ。大人しくお縄につきなさい!」

 

「は?何言ってるのか私にはさっぱり…

 

「とぼけるな!」

 

霊夢が一喝する。

 

「10日前、あんたは博麗神社を襲撃した。その時はガスマスクで顔が隠れていてわからなかったけど、術式はわかった。文字通り瞬間移動ね。けれども、私が知ってる中で瞬間移動を扱うやつは1人もいなかった。しかし、ここに来て気づいたのよ…あんたの「時を操る能力」なら可能ってね!」

 

「…」

 

「そして、あんたは10日前の昼過ぎには紅魔館にはいなかった。これで仮定が確信に変わったわ。…さて、もうあの時みたいなドジを踏むつもりはないわ。力づくでも連行させてもらうわよ、陽炎!」

 

霊夢の手にはもう札と大幣が。しかも霊夢のもう一つの武器である陰陽玉まで装備していた。

 

「…嫌だ」

 

「何ですって?」

 

「嫌だと言ったのよ!」

 

咲夜が作りかけの料理が入った鍋を投げつける。霊夢がさっと避ける。咲夜の手にはもうナイフが握られていた。

 

「お嬢様のためにも!この紅魔館のためにも!私はそんな冤罪のために連行される筋合いはない!」

 

「ほお〜、まだ違うってほざくのね。いいわ。かかって来なさい!」




【十六夜咲夜】種族:人間 能力:時間を操る程度の能力
紅魔館メイド長。ナイフを主な弾幕としている。異変時には霊夢の仲間として解決に同行することもある。
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