「キミくん、おかえりなさ~い!」
『よさちただいま!』
「お風呂にする?ご飯にする?それとも…よさり?」
「う~ん、よさち!って言いたいけど、汗かいちゃったからお風呂にするよ」
『は~い!準備は出来てるよ♪』
よさちと一緒に暮らし始めてはや2ヶ月。最初は苦手だったご飯作りも今では3食きっちりと作るくらい得意になったみたい。
『やった!それじゃお風呂に行ってくるね~』
「…ちょっと待って」
『どうしたの?』
「キミくんからほかの女のにおいがする」
『あ…会社で隣の席の人が女性だからかな』
「ふーん…」
『ど、どうしたの?』
「よさちじゃ…不満?」
『そんなことないよ!』
「でも…ほかの女のほうがいいんでしょ?」
『いや…よさちしか見てないけど』
「キミくんが街でほかの女見てるの知ってるんだからね」
『そんなこと…ないよ!』
「ほらぁ!!!…キミくんはよさりだけを見てればいいんだよ?」
『え?』
「キミくんはよさりだけを見て。いい?」
『わかった』
「それならよし!おふろいってらっしゃ~い!」
『いってきま~す!』
…今のはなんだったんだろう。突然意識がフワッとしたと思ったらいつも通りニコニコしたよさちがいて… ウッ頭が…
華鏡よさり視点
キミくんはよさりだけを見てればいいのに…。どうしてこの世界にはほかの女がいるんだろう…。姐様はもちろんOKだよ?
…キミくんをでろっでろに甘やかせばよさりだけを見てくれるかな…?そうだよね!そっか!キミくんが よさりだけじゃなくてよさりしか見れないようにすればいいんだ!簡単なことじゃん。
お仕事もやめてもらえばいいんだ!お金はよさりが働けばいいし、そしたら害虫も寄ってこないし…これしかない!
お風呂からキミくんが上がったらお話してみよ!
あなた視点
『お風呂あがりました~!』
「お湯加減はどうだった?」
『ちょうどよかったよ!』
「フフ、それならよかった!あ、ご飯持ってくるね~」
『うん!』
今日のご飯は何だろうなと心待ちにしていると耳元で声がした。
「ねぇキミくん。会社辞めない?」
『え?!どうして?』
「キミくんはよさりだけを見ていればいいの。何も心配しなくていいよ?ぜ~んぶよさりがやってあげるから。そのためにこの2ヶ月いっぱい練習したんだから。だからキミくんはお家でずっとよさりと一緒にいればいいの。それ以外は考えなくて大丈夫だよ?わかった?」
『でも…』
「…怖いの。いつかキミくんが遠くに行っちゃうんじゃないかって。だから…よさりと一緒にいて?じゃないと…何するかわからないよ?」
『わかった…明日辞表出してくるよ』
「…ほんと?」
『ほんと』
「それならよかった~!ほらご飯食べよ!」
よさちが手を叩くのと同時に目が覚めた。
『??』
「どうしたの?」
『いやなんでもない…』
「そう?(これは気付かないよね…。でもこれでキミくんと二人っきり…!)」
さっきまでの記憶はないけれど確かなのは一つ。明日会社に辞表を出すということだ。これだけはなぜかやらなきゃいけないような気がする。
「キミくん!ず~っとよさりと一緒だよ♡」