「遊園地?行く!」
姐様から一緒に遊園地へ行かないかとの誘いを受け、大喜びで返事をした。色々な準備が終わってやっと時間が出来たみたい。
「お弁当もあった方がいいよね!…姐様のために頑張らなきゃ!!」
…遠くの方から『よさち止めて!早まるな!』って声が聞こえた気がしたけれど…多分気のせいだよね。
そうと決めたからには作るぞ~!
ドンッ
「きゃっ?!」
大きな爆発音とともにフライパンの中身が消し飛んだ。
「…レシピ通りに作ったのに…なんで…?」
<よさりちゃん、どうしたの?!>
「お母さん…」
居候させて貰っているお家のお母さんが駆け込んで来た。
「たすけてぇ…」
事情を説明してお手伝いをお願いしてみると、
<なるほどね…。琴絵さんとデートする時にお弁当を持っていきたいと…。わかった。私も手伝うわ!>
「ありがとう~!」
お母さんに教えて貰いながら、お弁当を埋めていく。
「で、出来たぁ!」
<うん!これなら大丈夫よ。きっと琴絵さんも喜んでくれると思うわ>
「お母さんのおかげだよ!ありがとう!」
<いえいえ、どういたしまして>
しっかりとお弁当を包みベッドに入る。
「明日が楽しみだなぁ…久しぶりに姐様に…」
「んん…朝…?」
気が付くと眠っていたみたいで朝になっていた。
「準備しなきゃ…」
ベッドから起きて準備をする。しっかりと気合いを入れて。
「いってきまーす!」
駅前集合だけど電車に遅れないよう少し余裕を持って家を出る。(2時間前)…楽しみすぎたのです。
「着いた!けど…まだまだ時間がある…ここで待っとこ」
Twitterでエゴサをしながら待っていると知らない人から声をかけられた。
[お姉さん1人?俺たちと遊ばない?]
「すみません、人を待ってるので…」
めんどくさいのに絡まれたと思いつつ受け流すも…
[いいじゃん。ちょっと遊ぼうよ~]
「ごめんなさい」
離れようとしたら腕を捕まれた。
「離してくださいっ…!」
[ね?ちょっと俺らと遊ぼうぜ?]
「止めてくださいっ!」
『まろの連れに何してる?』
「姐様!!」
『よさち大丈夫だったか?』
[ちっ…いくぞ]
『あ、待て!』
「姐様!もう大丈夫だからいこ?時間間に合わないよ」
『そうじゃな…よしいこう!』
電車内で積もる話をしていると目的の遊園地の最寄り駅に到着した。
「『ついた~!!』」
『このバスに乗るとそのまま直通でいけるみたいじゃな』
「姐様、準備万端だね~!すごい!」
『ふふ、よしいくぞ!』
『ほら今日の目的地はここだ~!!』
「うわ~おっきい!」
『今日はいっぱい楽しむぞ~!!』
「お~!」
「姐様姐様!あれ乗ろ!!!」
『メリーゴーランドか、もちろん!!』
「姐様!あれもやろ!!」
『ふむジェットコースターか…よさちは高いところ怖くないのか?』
「うん!平気だよ~!」
『それならよし!乗り場まで競争だ~!』
「姐様待って~!」
「…待って、こんな高く昇るの…?」
『そうだが…もしかしてよさち知らなかった?』
「うん…」
『それなら…もう耐えるしかないぞ。ほら落ちる!』
「え?いやぁぁぁぁぁ~!!!!!!」
『きゃ~!!!』
「…ふへぇ…酔った…吐きそう…」
『大丈夫…?少し空気にあたって休むか』
「うん…」
30分後…
「治った!!!」
『よさちは酔いやすかったな…絶叫系はやめて次はあれにしようか』
「あれ?」
そう言って姐様が指さす先を見るといかにもなお化け屋敷があった。
「やだ!!!!!!」
『え?でもすこし休んだほうがいいからあれいくよ?』
「やだ!私が怖いの苦手なの知ってるでしょ!?」
『うん』
「なんで!」
『気をそらしたら元気になるかなと…』
「ならないよ?!てかもう元気だし!」
『よしいこう!(腕を引きながら)』
「なんで?!」
『ホラーからしか得られないものがある!!』
「やだぁ!!!」
『諦めるんだよさち!』
「いやだぁぁぁ!!!」
『お願いしま~す』
「姐様、絶対離さないでね?絶対だよ?」
『わかってるって!かわいいよさちから手を放すわけないじゃん』
「うっ…///」
『(ヨサチカワイイヤッター!!)』
内心穏やかでない神さまと、ホラーに怯えながらも照れるという器用な付喪神の異色なセットでお化け屋敷に入る。
「いやぁぁ!!!!!!」
入口のすぐ目の前にあった人形があまりにリアルで思わず叫んでしまった。
《う~ら~m…》
「きゃあぁぁ!!!」
『よさち~、落ち着いて…』
「ふにゃぁぁぁ!」
『あ、よさち危ない!!』
「はぁ、はぁ…あれ…?姐様…?どこ…?」
気が付くと一緒にいたはずの姐様がいなくなっていた。
「姐様…?姐様が…いなくなっちゃった…うわぁぁん!」
その時、肩に何かが触れる気配がした。
「姐様…?」
恐る恐る振り向くとそれは…“人ではないナニカ”だった。
「いやぁぁぁ!!!…ぁ…」
ドサッ
『…ちよさち!』
「…あねさま…?」
『そうじゃ!目が覚めてよかった…』
「何があったの…?」
『実は…』
姐様によると私は、叫びながら姐様の手を振りほどき猛ダッシュ。そのまま出口に向けて走っていったそう。急いで追いかけると悲鳴が聞こえたのでそっちへ向かうと倒れていた、とのことらしい。
「ご心配をおかけしましたぁ…」
『いやそれはいいんだが…その…ほんとに大丈夫?』
「なにが?」
『いや、ここのお化け屋敷はな…ほんとに“出る”ってことで有名な場所なんだ…』
「え…?」
『よさちが怖がると思ってあえて黙っておいたんだが…』
それなら、あれは…
「…きぅ…」
『よさち?!しっかりしろ~!!!!』
「姐様きらい!」
『ごめんってよさち…。アイスクリーム買ってあげるから!』
「…………許す…」
そうして姐様に買ってもらったアイスクリームを食べながらちょっと不貞腐れつつ言う
「せっかくよさりがお弁当作ったのに…」
『なに?!なんで言わないの?!』
「つーん」
『なんで?!』
「つーん」
『言わないのか…?』
「つーん」
『それなら…えいっ!』
「やんっ …なにするのっ///」
『言う気になった~?』
「うぐぐ…だって…姐様をびっくりさせたかったんだもん…」
『…(ヨサチカワイイヤッター!!!!!!)ありがとう!よさちの手作りお弁当なんて嬉しいよ!』
「えへへ… もう食べる?」
『うん!』
「『いただきま~す!』」
『おいしい!!』
「ほんと?よかった~」
『あんなに小さかったよさちが今はまろにお弁当を作ってくれるなんて…』
「姐様…」
『そしてこんなに可愛くなって…』
「うっ…///」
『まろは嬉しいよ』
「姐様…」
『隙あり!!!』
「やっ// …あ・ね・さ・ま?」
『あ~よさちのおべんとおいしいなぁ』
「…もう!食べないならよさりが全部食べるよ?」
『ダメです!いただきます!!』
「『ごっちそうさまでした~!』」
『よさち、すごくおいしかった!!』
「姐様ありがとう!」
『まだまだ楽しむか!!』
「うん!」
久しぶりに姐様と過ごす時間が楽しくて、時が過ぎるのを忘れていた。
【ご来場の皆様へお知らせします。まもなく閉園のお時間となります。本日のご来園誠にありがとうございました。またのお越しをお待ちしております。】
「え~、もうおしまい?」
『ふふふふふ…こんなこともあろうかと!近くのホテルを予約しておいたのだ~!!!明日も遊べるぞ!』
「やったー!!姐様大好き!」
そうして、姐様とホテルに移動した。
お部屋に入った瞬間ベットにボフンッと倒れこむ。
「今日は疲れたぁ…」
『そうだろうなぁ…あんなにはしゃいでたし』
「うん…」
『晩御飯も食べたし、お風呂に入ったらもう寝ようか?』
「そうする~」
『よさち先にいいぞ』
「ありがと~」
お風呂にゆっくりと使っているうちに眠気が襲ってきた。
「ここで…寝ちゃダメ…体洗ってあがらなきゃ…」
重い体を動かし、体を洗ってまた湯船につかる。
「…今日は久しぶりに姐様と会えたからはしゃぎすぎちゃったな」
そんな独り言をつぶやきながらお風呂をあがる。
「姐様、あがったよ~…」
『わかった。よさち…眠いの?』
「うん…はしゃぎすぎちゃった…」
『そうか…明日もあるから今日はゆっくり休むといいぞ』
「うん…おやすみぃ…」
『おやすみ、よさち』