荒廃寸前の二木市にて──。
ワルプルギスの夜から放たれた業火の炎と極大な光線が己の存在をぶつけるかのように衝突した。
それは拮抗し、押し合いを始める。
まるでその力は宇宙の誕生と終焉を繰り返すビッグバンのような衝撃と轟音を撒き散らしながら、二つのエネルギーが反発しあう。
その衝撃により、周りの地面や瓦礫は吹き飛び、空に浮かぶ雲が消えていく。まるで、その世界の終わりを象徴するかのように。
だが、その均衡は崩れ始め、魔女が放った灼熱の業火が黄金に輝く気に徐々に押され始めていた。
無理もない、先ほどのダメージを負った上に力を消耗しきっている舞台装置の魔女と、まだ余力を残している孫悟空とでは、力の差がありすぎる。
しかも、ワルプルギスの夜は本来の数十分の一の力も発揮出来ていない状態なのだ。只でさえ正位置の全力を持ってしても敵わななかった相手に、更に弱体化した状態で抵抗しても意味が無い。
このままでは確実に負ける。
絶望的な状況だ。
本来なら絶望を振りまく存在であるはずのワルプルギスの夜が、今は逆に神と名乗る男の絶望に飲まれようとしていた。こんな皮肉な話があるだろうか、いや、あってたまるか。
「見よ!太陽系どころか銀河すら消し去る、神の黄金の一撃を!」
孫悟空が叫ぶと同時に、彼の放つ金色のオーラは一層輝きを増していき、やがてその光は超新星爆発の如く、視界を埋め尽くさんばかりの眩さを放つ。それに合わせ放たれている極太の光線が、舞台装置の魔女の炎を呑み込み始めた。
今の彼ならばその気になれば銀河団をも破壊できる光線を放出することが出来るだろう。
『アアアアアッ!!』
舞台装置の魔女は必死に抵抗する。自分の存在そのものを燃やしつくさんとする黒衣の男の攻撃を押し返そうと、ありったけの魔力を込めていく。
だが、それでもジリ貧だ。圧倒的な火力差の前には為す術がない。
仮に傷を完全に癒していたとしても、消耗した魔力を回復していたとしても、恐らく結果は変わらなかっただろう。それほどまでに、両者の力量はかけ離れていたのだ。
終いにはどんどんと迫り来る圧倒的な破壊のエネルギーを前に、とうとう限界が訪れたのか、ワルプルギスの夜は大きな亀裂がある巨体から膨大な闇の魔力が漏れ出し、僅かずつだが全身が崩壊を始めたのだ。
『アァ……アアア……!』
「これで、フィナーレだ」
そう言うと、孫悟空は光線を放ち続ける両手をより強く広げ、更に勢いを強めていった。舞台装置の魔女が苦しそうに声を上げる。最早、どう足掻いても無駄だった。このまま孫悟空から放たれた攻撃に飲み込まれ、ワルプルギスの夜は消滅する。
誰もがそう思ったその時だった。
「行け!!ひかる軍団!!」
突如として現れた第三者の声。それと同時に、無数の使い魔の兵隊が孫悟空に向かって突撃してきたのだ。
迫り来る使い魔の群れ。黒衣の男が放っている気功波の背後から使い魔が襲ってきサーベルで斬りつけてくるため、常人ならばそれを防がなければいけないだろう。しかし、それが普通の人間であればの話だ。
今ここにいるのは神を名乗る黒き男。
「大人しく逃げていれば良いものを……」
何者かの妨害、それは戦線から馬の如く離脱した小娘だろうと即座に把握する。
彼は一瞬で身体から気を膨れ上げさせ、まるでバリアを張るように、自分を中心に全方位に気を放った。それにより、孫悟空に襲いかかろうとしていた使い魔達は、気の圧力に押し潰され、消滅していった。しかし、それも想定内なのか、少女達は慌てる事なく次の行動に移る。
「今よぉ!!」
結菜が叫んだ。
すると、その掛け声に合わせて樹里、アオ、結菜、ひかる、その他魔法少女達が一斉に動き出したのだ。
まず最初に動いたのは、ひかるとアオ。二人はそれぞれ、孫悟空の背後に回り込むようにして接近していく。そして、孫悟空を挟み撃ちにするような形で立ち止まった。
「はぁあああ──っ!」
「うおおお──っ!」
二人が同時に叫びながら、それぞれの武器を握りしめ振りかぶる。
その光景を見て孫悟空は思った。
挟み撃ちで俺を仕留めようという算段か。
確かにそれは効果的かもしれない。だが、そんな単純な作戦が通じる相手ではない。常識はずれの強さを持つ相手には、どんな奇策も無意味に等しい。
まさか絶望のあまりに血迷ったか?と、孫悟空は疑問に思う。
それもそのはず、黒衣の男と対峙する時点で既に、彼女達の勝率は限りなくゼロに近い状態だった。そんな状態で、無謀にも勝負を仕掛けてきたことに、流石の神も驚きを隠せなかった。だが、すぐに冷静さを取り戻す。
所詮はただの人間の浅知恵だ。
いくら考えたところで、奴らの考えなどたかが知れている。
ならばここは敢えて乗ろうではないか。
「挟み撃ちとは考えたな。だが、そんなもので俺を倒せると思うな」
そう言って、孫悟空は両目を大きく見開くと、そこから黄金の闘気が溢れだし、二人の攻撃を眼力だけで弾き飛ばした。
「ぐっ!」
「きゃあっ!?」
吹き飛ばされた二人だったが、すぐに体勢を整え、再び攻撃を仕掛けようと走り出す。
「まだまだぁ!!」
次に、今度は結菜と部下であろう魔法少女が黒衣の男に向かって走る。
「また貴様か……」
孫悟空は呟くと、眼を大きく見開き、その視線を結菜達に向けた。
そして次の瞬間、その目からは赤いレーザー光線のような物が発射されたのだ。それは一直線に伸びていき、結菜達の足元に着弾する。
刹那、まるで落雷が轟いた音が辺りに響かせる。
その衝撃により、砂煙が舞い上がり、辺り一帯が爆音と共に吹き飛んだ。だが、それでも怯むことなく、結菜と部下の魔法少女は黒衣の男の目の前まで辿り着くと、一斉に飛びかかり攻撃を開始した。
激しい打撃音が鳴り響く。
だが、彼は顔色一つ変えずに、全ての攻撃を受け止めていた。悲しいかな、かすり傷すら与えれない。
「おやおや、まさかこの程度の実力しかないというのに、俺を倒すなどと言うつもりなのか?呼吸するだけでも塵になりそうな貴様らがか?」
余裕の表情を浮かべる孫悟空。
「このチャンスは逃がさないぃ、この先輩に託された虎屋町の未来のためにもぉ!!」
「敵は過去最悪な存在だ!これを放っておいたら全てが滅びかねないと思え!殺せ!!」
「がアアアアアアッ!!」
などと怒りの声を上げながら、次々と拳や蹴り、斬劇等を繰り出していく。
「ふぅ……」
孫悟空は軽く息を吐いた。その瞬間、吐いた息がまるで巨大な濁流のように変化していた。されど息が、たかが息が、それだけで、結菜、ひかる、アオ、その他の魔法少女は、黒衣の男の周りから一気に弾き飛ばされてしまった。
砂を抉るような音が周囲に響かせる。
地面に転がり、ボロ雑巾のように転がっていく。まるで、嵐の中に投げ出された木の葉のようだ。
「ぐ……がぁ……」
「あ……が……ぁ……」
「う……ぐ……」
皆辛うじて意識はあるが、立ち上がることさえ出来ない。
だが、それでも尚、立ち上がった者が一人だけ居た。
そう、結菜だ。
彼女はフラつきながらも立ち上がり、再び孫悟空の方へ向かおうとする。
「やれやれ、阿呆か貴様らは?超サイヤ人に変異せずとも哀れむ程に絶隔した実力差があると、理解しているはずだろうが……はて、何故悪足掻きをする」
「んなもん決まってんだろ」
「ん?」
結菜とは別の方向から声がする。見ると、そこには樹里が立っていた。
「訳の分からん理由で勝手に人の町ぶっ壊しやがって、このまま黙って引き下がれっかよ!!それに」
そう言いながら、樹里は手に持っていた火炎放射器を孫悟空に向ける。
「お前だけはぜってぇにウェルダンにしてやると決めてたからな!!」
「フハハッ、馬鹿め。そんな玩具で神である俺に勝てると思っているのか?」
「ごちゃごちゃうるせぇんだよ!喰らいやがれ!!」
そう言うと、樹里は火炎放射器のレバーを引き、最大出力で炎を吹き出した。
豪炎の音色が奏でる。
凄まじい勢いで放たれた炎が、孫悟空の全身を飲み込んでいく。まさに、地獄の業火だ。
彼女の固有魔法はストレスを炎に変換して蓄積するというものだ。それはつまり、彼女が溜め込んだ怒りを吐き出すように、その火力は増していくということだ。
怒りを力に変える、人間の感情から生まれる魔法の力は、時に常識では考えられないような現象を引き起こすだろう。現に今、樹里の怒りは最高潮に達していた。
自分の大切な町を滅茶苦茶にした黒衣の男に対する憎しみが彼女を奮起させたのだ。
だがしかし、悲しいかな、いくら強力な力を持っていようとも、所詮はただの人間。
キュゥベぇと契約したといえど、魔法少女はあくまで少女なのだ。いくら魔法少女とはいえ、所詮はただの少女。
そんな存在が、神の足元にも及ぶはずも無かった。
「くはははっ!生温いぞ小娘!貴様ごとき矮小な怒りが我が黄金の輝きを焼き尽くせるはずが無かろう!」
彼の身体には傷一つついていない。それどころか、服すら燃えていなかった。それを目にして、樹里の顔から血の気が引いていく。
絶望している暇はない。すぐに気持ちを切り替え、次の攻撃に移る。
だが、既に遅かった。
「死ね」
そう言って、孫悟空は視線を樹里に合わせると、眼から先程のレーザー光線のようなものを発射した。その光線は、一瞬で樹里の元に辿り着き、右胸を──心臓を貫いた。
「が……ッ!?」
その瞬間、樹里は口から大量の血液を流しながら、膝から崩れ落ちた。傷口からには噴水のように鮮血が溢れだす。
「く……そ……ッ!」
なんとか立ち上がろうとするが、力が入らない。
まさに絶望と呼ぶべき戦闘力の差。ワルプルギスの夜とエネルギーのぶつかり合いに割って入った今でさえ、ここまで圧倒的な差はもはや覆しようがない。
「くくく、心臓を貫こうがソウルジェムが壊れない限り、魔法少女の肉体は活動続けるか……それにしても少し意外だな、クズでも血は赤いらしい。まぁいい、さて次は貴様だ」
そう言うと、孫悟空はよろめきながらも立っている結菜に目を向けた。まるで、ゴミを見るかのような目だった。
結菜は手持つ棍棒を強く握りしめながら、歯を食いしばるようにして黒衣の男を睨みつける。
「ゆ……結菜……逃げろ……コイ、ツは化けもんだ……!」
「樹里ぃ……!」
樹里は既に虫の息だったが、それでも結菜に逃げるように促した。
「そう怒るではないぞ?別に良かったではないか、ソウルジェムが砕かない限り死にはしない。あえて狙いを外してあるのだからな……くっハハハハ!!」
「よくもぉ……」
怒りが頂点に達した結菜。いや、もはや頂点すら通り越していた。
「そうやって、嘲笑いながら皆を……私達の思い出も……大切な人々をも殺してぇええええええッ!!!!!」
絶叫と共に、結菜は孫悟空に向かって駆け出した。その瞬間結菜の身体に異変が起こる。強烈な恨み、怒り、殺意、それらが混ざった負の感情によって、彼女の魔力が急激に上昇し始めたのだ。
それだけではない、結菜の目つきが変わり目の下にクマが発生し、ソウルジェムの位置が頭上へと移動し角が生えた。その姿はまるで鬼だ。神にあだなす、悪魔そのものの姿とも言えるだろう。
恨み、怒り、殺意、絶望等の負の感情が極限まで高まった時、魔法少女は変異する。それは、魔法少女が魔女になる前兆でもあった。
だが、今は違う。これは変身ではない何かだ。
言うなれば変貌。
そう、言うならば覚醒。
ごく稀にではあるが、魔法少女の中には、ある日突然に進化を遂げる者が居るという。そして、そういう者は決まって、常軌を逸した強さを手に入れるのだ。
結菜もその一人だったというわけである。
彼女は今、怒りという感情のみで神に立ち向かおうとしているのだ。
端から見ると負の感情に飲み込まれ、自暴自棄になっているように見えるかもしれないが、そうではなかった。
今の彼女は冷静である。いや、むしろ思考回路が完全にクリアになり、普段の彼女からは想像もつかないほど冴え渡っていた。
ほんの一瞬だけでもいい、気を引きさえすればワルプルギスの夜が押し返してくれる。その僅かな隙を狙って、一気に畳み掛けるしかない。そう考えていた。
これは賭けだ。いや、勝算の無い戦いだと言ってもいい。このまま何もせずに死ぬよりはマシだ。そんな考えを巡らせているうちに、あっという間に黒衣の男の元へ辿り着いた。
だが、やはりと言うべきか、孫悟空は全く動じていない。それどころか、余裕たっぷりに口元を歪ませて笑っている。
それがまた腹立たしいが、そんなことを気にしている場合じゃない。結菜は地面を思い切り蹴り上げると、高く跳躍し孫悟空の顔面めがけて思いっきり棍棒を振り下ろす。
「愚か者め、付け焼き刃で敵うか」
それは孫悟空の顔面に直撃し目に見えぬ衝撃を生み出したが、ダメージは一切無いようだった。
「邪魔だ」
次の瞬間、結菜の身体が吹き飛ばされ、数十メートル先の建物に衝突し瓦礫に埋もれてしまった。
だが、それで良かった。何故なら今までの妨害で完全にワルプルギスの夜から気をそらすことに成功したから。
ワルプルギスの夜が反撃を開始する。
『アアアッ!!』
舞台装置の魔女はこの時を待っていたかのように声を上げると、黒衣の男に向けて放っていた極大の業火を更に高出力するかのように巨大化させていく。
「……くっ……なるほど貴様ら魔法少女共が、バカの一つ覚えのように同じ攻撃ばかり繰り返し宴の邪魔をした理由がよく分かったぞ」
孫悟空は苦悶の声を上げながらその炎を放っている気功波で押し返そうとするが、その火力はどんどん増していくばかりだ。
ワルプルギスの夜の身体を良く見ると全身に亀裂が入っていた傷が完全に癒えていた。
どうやら魔法少女達が黒衣の男の気をそらしている間に回復能力で傷を治していたようだ。
しかし、この一撃で確実に仕留める。
そう言わんばかりの勢いで、ワルプルギスの夜はその攻撃をさらに強めた。
この瞬間、ついにワルプルギスの夜が押し返した。凄まじい爆風と爆音、そして衝撃波が辺り一帯に広がった。
それと同時にワルプルギスの夜が放った超特大火球が孫悟空が放っている気功波を押し潰そうとしている。
しかし、そんなことは孫悟空にとって些細な問題に過ぎなかった。
「ああ。残念だったな、この程度の魔力では俺を越えることは出来んよ」
次の瞬間、孫悟空の気功波が一瞬にしてワルプルギスの夜の攻撃を凌駕した。
「くぅっ……!もう、ここまでなのぉ……」
瓦礫をどかして起き上がった。
結菜は後少しだけ気をそらせばよかったのだと理解したのはもう手遅れになってからのことだった。
彼はワルプルギスの夜の放った巨大な火炎を取り込みながらさらに気功波の威力を増していき、ついにはワルプルギスの夜が放つ火炎を押し返し呑み込んでゆく。
まるで、その光景は万物さえも滅ぼしかねない破滅の光だ。
「ククク、ははははっ!弱々しくちっぽけな魔女と魔法少女共が黄金の美しさを持つ俺を出し抜けるはずがないだろう?!宴は終わりだ。神の前に屈服し、すぐに決着を───ッ?!」
その時、黒衣の男の表情が変わった。
身体の中に何かが、異物が入ってきた感覚に襲われたのだ。
一体何が起きたのか、それは分からないが、ただ一つ言えることがあるとすれば、それは最悪の事態だということだ。
孫悟空の体内に侵入してきた異物なナニカは身体全身に広がっていく。まるで侵食されているような気分だ。
そして次の瞬間には驚愕を露にした。
髪の毛色が、伸びていた髪が、瞳が、眉毛が、元の姿に瞬時に戻ってしまう。まるで、何者かの意思が働いているように。
超サイヤ人3が強制的に解除されてしまった。
「なんだとッ?!」
ここで初めて本当の意味での焦りを見せた孫悟空。脳内に思考を駆け巡らせる。─なぜ俺は元の姿に戻った。考えられる理由は二つ、まず一つ目は体力切れによる変身の強制解除。だが、これに関しては自分の体力の限界が来たならばいくらなんでも解るはずだ。
ならばもう一つの可能性、それは瀬奈みことからの干渉だ。しかし、これもない。なぜなら、俺の身体に妨害する程の理由が見当たらないからだ。それに、もし仮に瀬奈みことの仕業であったとしても、俺の身体に入り込み乗っ取るという行為は不可能に近い。いや、ほぼ不可能だろう。
つまり、残る答えはあと一つ、そう、魔法少女達だ。奴らは、魔法少女達は、今頃になって、俺がワルプルギスを追い詰めている今この時に、最後の力を振り絞り、俺を弱体化させたのか?それもないだろう。それならば奴らを蹂躙している時に気づくはずなのだから。
そこで黒衣の男はあることに気づいた。
──待てよ、まさか……この場に居ない第三者からの介入かッ?!
だが、その思考も虚しく、孫悟空は一瞬にして元の姿に戻ってしまった。そして、その一瞬の隙を逃すほど結菜は馬鹿ではない。
「はぁあああ!!」
結菜は一瞬にして黒衣の男に向けて棍棒をまるで槍投げの選手のように投げる。
そして、それは孫悟空の顔面に直撃し結菜の方へ見る。
ダメージは皆無だがこの場面で気をそらすことは一瞬でもあまりにも致命的過ぎた。
『アアアアアアーーッ?!』
ワルプルギスの夜が放つ火炎が、孫悟空が放つ気功波を押し返し、瞬時にして呑み込み、拮抗していた強大な力はザマスが押され始めた。それを意味するのは、相手が放ったエネルギーが押されたエネルギーにプラスされそのまま跳ね返ってくるということ。
つまりは、黒衣の男の放った気功波がワルプルギスの夜が放った業火が上乗せされそのまま自身に降りかかるということだ。
「ちぃっ……!!!」
自分が放った気功波を瞬時に解除し、身体全身に漆黒の闘気を纏うと、それはバリアの役目をする防御壁となった。
迫り来る極大な炎と、孫悟空が放つ漆黒なオーラがぶつかり合い凄まじい衝撃が巻き起こった。
ギリギリ耐えるはずだと黒衣の男は踏んでいた。しかし、予想外にも孫悟空の身体は徐々に後方へと押し込まれてゆく。
遂には、孫悟空の身体を覆い尽くさんとする勢いで襲いかかってきた。
そしてそれは爆ぜる。孫悟空を着弾点とした爆発。
それは赤黒い光のドームが現れて大きくなっては、小さくなり、大きくなってはを繰り返している。まるで地獄の蓋が開いたかのような光景だ。
地獄の業火のようなそれは大地をえぐり取り、地形を変えてしまい───風船が破裂するかのように炸裂した。
爆発音と共に巻き起こった爆風により、周囲に倒れている魔法少女達は吹き飛ばされてしまう。
ワルプルギスの夜が放った超特大火球が孫悟空を飲み込んだ後、煙が晴れると、そこに残ったのは無惨にも荒れ果てた大地と孫悟空が膝をつき、呼吸を荒くしている。
先程までとは打って変わって、血味泥に塗れたその姿は、まさに満身創痍という言葉が相応しい姿。そう、その姿になっている黒衣の男がそこに居たのだ。
悲報:ゴクウブラック、両陣営から袋叩きにされ敗北。
どのENDが見てみたい?
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滅亡END(全王も円環の理も総て抹殺)
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ハッピーEND
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ノーマルEND
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バッドEND