夕暮れの彼岸花   作:女の子は女の子同士で恋愛すべきだと思うの

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 リコリス・リコイルに脳を焼かれました。女の子2人のバディ物としてはアニメ及び小説が完成し過ぎているので、別方向で書かせて頂いております。



First contact

 

 

『君には才能がある。机上の空論を実現するだけの……身の丈に合わぬ才能が。枯らすには惜しい、使うのは危険……そんなじゃじゃ馬だ。君には二つの選択肢がある。この手を取るか、取らないか。才を開花させるか、枯らすか。選びたまえ、自由は君の手にある』

 

 アラン機関と呼ばれる、才能を神から与えられたギフトと称して無償の支援を行う無所属の法人。支援を行う才能には見境がない。人殺しも人助けも同様に素晴らしき才として援助をする。

 

 僕はその機関に選ばれた。何かの才を見込まれ、身の丈に合わない使命を遂行する為にずっと足掻いてきた。この世界は子供が独りで歩くには少しばかり厳しくて……何度も死にかけて、その度に生を噛み締めた。

 

 思えば、ずっと後悔の連続だった。自分で自分の道を選べた事なんて殆どない。根無草のように様々な組織を転々とし、数多の命を摘み取ってきた。その道を選んだことにずっと後悔していた。

 

 別に、僕は他人の命を踏み躙ってまで生きたいとは思えなかった。

 

 どんな才能にも、どんな関係にもスペアがある。僕が消えても、僕と似たような誰かが才を見込まれるだろう。この才能だって、多少代替するのが難しい程度だ。唯一無二なんて、どこにもない。

 

 だから、自分が死ぬときも「あぁそうか」としか思えなかった。

 

 依頼として受けたテロリストの鎮圧に電波塔を訪れ、そこからリコリス・リリベル・テロリスト・僕の四つ巴で血みどろの争いが行われた。テロリストは早々に脱落し、あとは同じ管轄のはずのリコリスとリリベルの争いに巻き込まれる形で。

 

 硝煙弾雨が飛び交う戦場に、誰一人として20歳を超えるものはいない。そんなことを容認している国家に嫌悪感を覚えて、そして同時に自分も同じ穴の狢だと吐き捨てて。

 

 最後くらいは従順な飼い犬じゃなくて一人の人間として反抗を試みた。元より歳の近い少年少女……それも治安維持の為の捨て駒として扱われている彼等彼女等を殺す気にはなれなかった。それに、風の噂で不殺を徹底しているリコリスがいると聞いた。

 

 ならば自分にもできるはず、と思い上がった果てがこれだ。誰もいない暗い路地裏で独りで無様に地に伏している。出血多量による失血死が近い。意識も朧で、凍えるくらい寒くなってきて、どうしようもない終わりが爪を研いで待っている。

 

 だけど、僕にはそれが祝福に思えた。死ぬ理由がなくて惰性で生きていた。生きることはずっと苦しくて、辛かった。だけど、僕はもう取り繕う必要はない。誰かを殺すことも、傷つける事もなく、苦しい事も全部終わって……自分にも世界にも嘘を吐かなくていい。

 

 あぁ、やっと眠れるのか……。

 

 閉じゆく視界の外で、白金が揺れたのはきっと幻想だ。

 

 

 ▼

 

 

 喫茶リコリコの従業員は4名いる。

 

 和服をきっちりと着こなし、絶品のコーヒーを淹れるハードボイルドな黒人のマスター……ミカ。柔和な笑みと優しい雰囲気、和洋折衷を体現する喫茶リコリコの店長。

 

 長いブラウンヘアと赤緑のハーフリムの眼鏡が目を引く理知的な美人……中原ミズキ。なお、酒好きでしょっちゅう酔っ払っており絶賛彼氏募集中だ。

 

 白金の髪と真っ赤な眼という日本人離れをした容姿を持つ喫茶リコリコの看板娘……錦木千束。毎日を楽しく活発に歩んでいる為、彼女から元気や勇気を貰う人も多いそうだ。

 

 そして、最後の一人。アッシュグレイの髪と深淵のような深い蒼の瞳、白磁のような肌と細くしなやかな四肢を持つ……まるで芸術品のような、過剰なまでに整った容姿の青年……白峰透奈。

 

 ミカはコーヒーを挽いていて、千束とミズキは買い出しに行き、透奈は壁に背を預けながら文庫本を読んでいる。豆を挽く音と、紙を捲る音が2人しかいない店内に静寂を知らせる。ミズキと千束が居れば数秒足りとも保たないような繊細な空間は、感慨深そうなミカの声によって崩された。

 

「透奈がここに来てから大体10年になるのか……月日が経つのは早いな」

「……そうですね。本当に、あっという間です。毎日が夢を見ているような日々で……ここに来てからずっと楽しくて。ファウストが『時よ止まれ、君は美しい』って言った意味がよく分かります」

「本当に大きくなった。今では片手で抱っこもできないよ。それに、優しい子に育ってくれた」

「ミカさんの育て方が素晴らしかったんです。貴方は僕にとって親であり兄であり、憧れですから……ミカさんが胸を張れるような息子であり続けたいな」

 

 くしゃり、と笑う彼に釣られてミカも笑う。血のつながりなんてなくとも彼らは正しく親子であり……ミカにとっては千束も透奈もどこに出しても恥ずかしくない自慢の子供であり、目に入れても痛くない娘と息子だ。

 

 ミカは今でも昨日の事のように思い出せる。

 千束が血だらけの子供を抱えて、今にも泣きそうな顔で戸を勢いよく開けて……「この子を助けて」と叫んだ事を。それから行く宛がない彼を引き取り、千束と同じように愛情を込めて育てここまで共に歩んできた。

 

 だが、彼はその愛情を最初受け取らなかった……否、受け取れなかった。千束もミカもミズキも全員優しくて、暖かくて、本当に良い人だと心から思った。自分を助けたのも、ただ放っておけなかっただけというのも分かっていた。

 

 だからこそ、自分があの人達に触れて……あの優しさや体温を奪ってしまうのが死んでしまいそうなほど怖かった。その恐怖も彼らは包み込み、優しく溶かして……そうして、透奈は初めて人の手に触れて、その温かさに涙した。

 

「そろそろ千束とミズキさんが帰ってくるかな。静かなリコリコもいいですけど、やっぱり騒がしい方がここには合ってます」

「そうだな……ほら、噂をすれば」

 

 バン、と大きな音がして。

 

「たっだいまー! 千束でーす! 戻りましたー!」

 

 それに負けないくらい元気の良い声で帰宅を告げる看板娘がいた。後ろにはミズキもいて、2人の両手には買い出しの品が下げられている。

 いつもの騒がしく明るく暖かい、リコリコが帰ってきた。

 

 

 ▼

 

 

「ブレンドコーヒー2杯と、どら焼きバーガー、団子三兄弟が一つずつですね。お間違いはありませんか?」

「は、はい……大丈夫、です……」

「かしこまりました。ミルク、シュガーはお好みで使用してください。ではお持ちしますので少々お待ちください」

 

 微笑みかけながら流麗にオーダーを取り、最後は腰を折って一礼。ウェイターとして非の打ち所がない完璧な所作は、ミカに教えられた丁寧な接客を体現している。その光景を見ながらミズキはポツリと呟いた。

 

「透奈、本当にホストっぽいわね」

「……そんなにです?」

 

 その独り言は当の本人に届いたようで、苦笑いしながらカウンターに歩いてくる。その苦笑いも妙に色っぽくて、ミズキはなんとなくムカついた。

 

「少なくともスーツだったらその手の店になってたわホント。あんなガキンチョだった透奈がこんな女誑しになるなんてなぁ」

「別に誰も誑し込んでませんよ……オーダー入りました。コーヒー2、どらやきと団子が1つずつです」

「はいよ」

 

 手持ち無沙汰になった透奈は千束の方を見るが、常連さんとの会話に夢中になっていた。楽しそうに話す彼女とお客さんを見ていると此方まで楽しくなってくる。

 

「透奈、顔と体は最高だし彼女の1人や2人いてもおかしくないでしょ。そこん所どうなのよ」

「2人いたら不誠実なクソ野郎ですよ。あと彼女なんていた事ありませんし、さっきの発言普通に最悪ですからね?」

「あー! 透奈があと10年早く生まれてたらなー! 結婚前提の付き合い申し込んでたんだけどなー!」

「……もしかして口説いてます? だとしたらごめんなさい。一回り歳が違いますし、酒癖が悪い人はちょっと……」

「ぶっ飛ばすぞ透奈っ!」

 

 ミズキの人生に、『告ってもないのにフラれた』という悲しい一文が刻まれた瞬間だった。

 

 透奈は『この人本当に面白いな』と思いながら。このキレの良いツッコミと温度感が心地よくて揶揄ってしまう。ある意味、この喫茶リコリコの中で一番自分を曝け出せるのがミズキだった。

 

「まあ、透奈の女性人気が高いのは間違いではないな。SNSでも喫茶リコリコの美形店員と数年前から話題になっている」

「あの子達も透奈目当てじゃない? アンタが接客に行ったとき、露骨に嬉しそうな顔してたし」

 

 それらの言葉に彼は顎に手を当てて考えるポーズをしながら一言。

 

「つまり客寄せパンダ、と」

「お前はそれで良いのか」

「いいんですよ。ここが賑わってくれるなら僕は嬉しい。贔屓目抜きで見ても素晴らしい場所ですから……沢山の人に、ここの温かさを知ってもらいたい」

 

 僕と同じように、と付け加えて。そんな彼にミズキは頬杖をついて呆れて、ミカは微笑みを浮かべて……2人とも『彼らしいな』と思っている。

 

「変わらないな、透奈も……コーヒーとどら焼き、団子だ」

「いいえ、変われたからここに居られるんです」

 

 注文の品をミカから受け取り、先ほどのテーブルまで歩いて行く彼の後ろ姿をぼんやりとミズキは見ていた。

 

……お待たせしました。ブレンドコーヒー2杯と、どら焼きバーガー、団子三兄弟です。ご注文の品は以上でよろしいですか? 

はい……あの、シフトってどれくらい入ってるんですか……? 

ほぼ毎日、どの時間帯でもいますよ。それがどうかされましたか……? 

い、いえ! なんでもない、です……

? そうですか。なら良いのですが……では、ごゆっくりお過ごしください

 

「あれ、どう思う? JKに捕まってる透奈」

「彼がどんな人を好きになるかは、彼の自由だ。私達は彼の幸せを応援するだけでいい。無論、透奈を傷付けるような輩には容赦しないがね」

 

 優しい、大人としての顔を覗かせる2人の目の前では接客が終わった透奈が千束に引っ張られ座敷席に座らされている。

 

「青春ねぇ……」

「だな。楽しそうでなによりだ」

「透奈と千束が青春をしているのに、なぜアタシに春が来ないんだ……!」

「ミズキがそんなんだからだよー!」

「千束ォ!」

 

 限りなく巻き込まれたに近い形で言い合いの中心地にいる透奈に同情しつつ、ミカはその騒がしさを愛しいと思う。その思いはきっと透奈も同じで、先ほどからずっと笑みを浮かべている。彼はこの場所を心の底から愛しているのだ。

 

 願わくば、この日々がいつまでも。

 

 






 銃を持つ女の子ってなんであんなにかっこいいんですかね。持論ですが、女の子のが持つ銃火器は大きければ大きい程良いと思ってます。10kg以上ある対戦車ライフルやミニガンを持つ女の子なんてのを見た日には興奮で夜寝れなくなります。その銃弾で君の思う敵や愛する者をぶち抜いてくれ。女の子の殺意からでしか得られない栄養素がある。

 リコリコにもそういう個人運用を想定していない火力だけを求めた銃火器出てくれないかなーと思っていましたが女系暗殺者から派生した組織の女の子にそんな物を持たせるはずもなく……。まあ合理的に考えたらあんなバ火力なんて必要ありませんもんね。

 あと、私は女の子の泣き顔にとても興奮しますが、それはそれとして笑顔が見たい派ですので基本的には曇らせたくないですね。甘いものや好きなものを前にして顔を綻ばせる千束、リコリコに配属されて笑顔が増えたたきなを見ていたい。私は壁よ。床だったらパンツ見えちゃうし。あーでも千束逆立ちしてたから壁もダメじゃん。死のう。
 あー!私も千束の太ももに挟まりてぇなぁ!そしてそれをたきなに見られて脳天ぶち抜かれて千束の太ももに真っ赤な花を作りてぇなぁ!これが俺の彼岸花だぁ!って感じです。
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