東方頭文字D 〜 Lunatic Stage 〜   作:D-Ⅸ

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今回、いろんな車、いろんなキャラがドバッと登場します。
それに合わせて更新当日からその翌日にかけて設定集への大幅な加筆を行います。
また、新たなリクエストキャラクターの登場の布石というか、匂わせ描写をこっそり忍ばせてます。

リクエスト(キャラ、車両、エピソード等問わず)はまだまだ募集中です。
感想や評価、または誤字誤植の指摘等もよろしくお願いします。


第12話 交流戦、秋名に集う走り屋たち!

秋名山の麓のガソリンスタンドでは、祐一が閉店に備えて準備をしていた。

ポールを立ててその間にロープを張って車が入れない様にし、併設された整備ブースのシャッターを下ろすと鍵を閉める。

 

ふと、道路の側へと視線を向ければ彼の目の前を勇ましい音を轟かせながら数台の車列が通過していく。

ここ1時間と少しの間だけでも何度も見た光景だった。

 

祐一(凄いな……31スカイラインに20ソアラ、その後ろは33ローレルと82スターレットか。……お、少し遅れて80マークⅡが2台も来たぞ)

 

エアロパーツで武装したりメーカーステッカーやチームステッカーで着飾った、見るからにいかにもな車の集団がぞろぞろと秋名山の方へと抜けていく。

祐一は以前に池谷たちから小耳に挟んだイベント絡みだろうとは思ったが、それにしても凄い台数だと感嘆せざるを得なかった。

 

そんなことを思いながら店の戸締りをしているとまた社外マフラーのサウンドが複数重なり合いながら近づいて来る。

 

祐一(今度はランタボに初代レガシィRS、185セリカ、ブルーバードにガゼールとはまた懐かしい奴らだ。少し前のWRCや全日本ラリーを思い出すな)

 

やはりこの車列も先ほどの一団と同じく、スタンドを横切って秋名山に向け登っていくルートを進んで行った。

 

祐一(まるでお祭りだ。……後で俺も顔を出してみるか。なんだか久々に血が騒ぐな)

 

祐一は走り去る数々の車たちを見送りつつ、そこにかつての自分や文太たちの面影を重ね、どこか懐かしさを抱くのだった。

 

 

 

 

 

● ● ● ●

 

 

 

 

 

秋名山、そこはとてつもない数のギャラリーでごった返していた。

全面的にギャラリーに開放されている上りスタート側はもちろん、下りスタート側も事前に各参加チーム用に確保された指定枠以外はほとんど満車に近く、さらに展望台側の小さな駐車場に至ってはすでに所狭しとスポーツカーが並んでいた。

 

一区画が参加者用として区切られたダウンヒルスタート地点の駐車場には特に人が多く、なかには高橋兄弟の追っかけ集団まで詰めかけていた。

ギャラリー用の区画には既に30スカイラインや11レビン、EG・EKシビックにBPレガシィ、82スターレット、GDAインプレッサ、ストーリアX4をはじめ、中にはピックアップトラックのような風変わりなものも含めた多くの車が集結していて、その大半は他の山のチームステッカーを貼り付けた走り屋の車であることからも、この交流会に対する周辺勢力の注目度の高さが伺えた。

 

ギャラリー1「すげぇ人だ。まだ地元の奴らしか上がってきてないってのに大した盛り上がりだぜ」

 

ギャラリー2「あぁ、レッドサンズとしては初の本格的なチーム全体を挙げての遠征だからな。ここ最近は高橋兄弟2人はともかくとして、チームとしての大きな動きがなかっただけに、他の勢力からの注目もデカいさ。……ほらあそこなんかすごいぞ。赤城ファイヤーバーズや高橋兄弟の追っかけレディースチーム、赤城ホワイトローズの車が見える。妙義ナイトキッズ、桐生サンダースに碓氷の奴らまでいる。群馬中の走り屋が来てるな」

 

ギャラリー3「あっちには大垂水や筑波のステッカーを貼ってる奴もいるぞ。栃木や埼玉のナンバーだってある。あそこのR32は箱根の走り屋か?……確かどれもそれぞれの地元じゃ有名なチームだったはずだ。高橋兄弟目当てか?」

 

ギャラリー2「ほんと、レッドサンズと高橋兄弟のネームバリューはすげぇ」

 

ギャラリー3「高橋兄弟と言えば、今や走りの世界じゃあ『富士の北条兄弟、赤城の高橋兄弟』って並び称されるくらいだからなぁ……。それにレッドサンズの他のメンバー、特に一軍の奴らも侮れない実力者ばかりだ」

 

ギャラリー1「そんな凄腕集団に最初に目ぇつけられた他の2チームもかわいそうだよな。……秋名だって、昔は結構キレた走りをする奴がいるって話題になってたって聞くけど、最近の秋名はさっぱりだからな。タイムアタックはもう結果が見えてるぜ」

 

ギャラリー2「そう言うなよ。相手が相手だ……仕方がないさ」

 

ギャラリー4「おーい!レッドサンズが登ってくるぞ!駐車場開けろ!入口から離れてくれ!」

 

ギャラリー3「よし来た!レッドサンズのお出ましだ!」

 

レッドサンズが来ると聞いた瞬間、沸き立つと同時にゾロゾロとガードレールの裏などの邪魔にならない位置へとはけていくギャラリーたち。

それから十数秒もしないうちにレッドサンズの車列が最後のコーナーを抜けて駐車場へと進入して来る。

先頭を切って走る白いFCと黄色のFDの新旧RX-7コンビの登場に、ギャラリーは歓声をあげる。

 

ギャラリー2「おぉ!レッドサンズだ!高橋兄弟だ!」

 

ギャラリー5「きゃー!啓介様よ!本物よ!」

 

ギャラリー1「やっぱり高橋涼介のセブンはかっこいいぜ!」

 

ギャラリー3「あぁ、特にFCは良い……最高にシブいよなぁ」

 

レッドサンズのツートップである高橋兄弟を筆頭に、その後ろには外報部長の史浩にナンバースリーの賢太など、一軍や幹部陣を始めとしたメンバー次々と続いていく。

10台以上の車列が無事にレッドサンズのスペースに止め終わると、そこに黒山の人だかりがあっという間に形成された。

レッドサンズの熱烈なファンである彼ら彼女らはもう次に来るファンタジアという無名のチームのことなど頭からすっぽ抜けていた。

 

 

 

 

 

そしてその熱狂を複雑そうに見つめる一団がいた。

レッドサンズの登場でほぼ空気と化している、スピードスターズをはじめとする秋名の走り屋たちである。

 

四郎「すげぇや、レッドサンズ。……一瞬でギャラリーの大半を掻っ攫っていったぞ」

 

健二「高橋兄弟はもちろん他の一軍や二軍メンバーもみんな普通にちやほやされてやがるよ」

 

池谷「こうしてると、格の違いを改めて見せつけられてる様な気分だぜ」

 

隆春「まぁ、レッドサンズのメンバーは高橋兄弟を筆頭に走行会ではランカーって呼ばれるような上位の常連だし、プロからも注目されてて、さらに雑誌にまで出てるんだよ。そんな走り屋なんかそうそういないからな」

 

守「……それこそ、俺たちとは住んでる世界が違うって訳だ」

 

滋「……ほんと、羨ましいぜ」

 

健二「俺らもいつか、あんな風になれたらなぁ……」

 

あれほどのスター扱いともなると、そこまで至るには相当な努力と実績が必要になるだろうことは想像に難くないが、走り屋として憧れを抱かずにはいられなかった。

 

 

 

 

 

● ● ● ●

 

 

 

 

 

現在、秋名山の駐車場は秋名スピードスターズ用の区画、赤城レッドサンズ用の区画、そして一番の大所帯であるチームファンタジア用の区画に綺麗に仕切られていて、残りの枠を地元や県外からのギャラリー用として使われているのだが、まだファンタジアが来ていないため一部分だけ空きの目立つ状態であった。

そんな状態に疑問を抱いたのか、ギャラリーの1人が高橋涼介に一つの質問を投げかける。

彼はレッドサンズと同じく赤城山をホームとする数ある走り屋チームの一員で高橋兄弟とは見知った仲であった。

 

赤城の走り屋1「……ところで、涼介さん。この交流会に参加する3つ目のチームのファンタジアって、どんなチームなんだ?初めて聞くような名前のチームの割には、この枠の多さを見るに結構な大所帯っぽいじゃないか」

 

涼介「それについてだが、もうそろそろアイツらも来る頃合いだろうし、それは来てからのお楽しみということにしてくれないか。……この中には練習期間中からギャラリーに来ていて知っている奴もいるだろうが、後数分だけ我慢して欲しい。……ただし、今の内に一つ言うことがあるとすれば……ここ最近は群馬の峠には目立った動きはなかったが、あいつらの存在がいい刺激になるんじゃないかと、俺は思っている」

 

赤城の走り屋1「涼介さん……。それってどう言う……」

 

涼介の思わせぶりな言葉に、その走り屋が怪訝そうな顔で返したちょうどその時だった。

この場にいる走り屋やギャラリーたちの耳に届く複数のエキゾーストサウンドと、それに混じるコーナー脇のガードレールに陣取りに行ったギャラリーたちの歓声。

 

涼介「噂をすれば……どうやら来たようだな」

 

涼介がその車列が顔を出すであろうコーナーの先へと目を向けると、周りに居た他のギャラリーたちも、そしてある程度事情を知るスピードスターズやレッドサンズのメンバーたちもその方向へと視線を向かわせる。

レッドサンズの存在に湧き上がっていたギャラリーもそわそわとし始めた。

 

???「ファンタジア……か。どんなチームなんだろうな」

 

中にはどういう奴らなのか見極めてやろうと鋭い視線を向ける者もちらほらと見られた。

 

ギャラリー7「ついに来たぞ!あれが例のチームだ!」

 

ギャラリー6「きたきた!すげぇ奴らだぞ!お前ら度肝抜かれんなよ!」

 

そして、ついにその時はやって来た。

爆音を響かせなだれ込んで来た大量のスポーツカー、総勢20台以上。

 

先頭から、青い最終型FD、白いEK9シビック、黄色いZ33、黄色い後期GC8、シルバーのNBロードスター、白い80スープラ、青い後期MR-S、紫色の後期R33 GT-Rなど。

そしてシルビア組や四駆組を始めとした面々が続き、最後に赤いS15と黒いR34 GT-Rが現れた。

新旧様々な車両が指定区画内の各々好きな枠へと止め終わると、示しを合わせたかのように続々とドライバーたちが出てくる。

 

ギャラリー1「マ……マジだったのかよ。しんじらんねぇ……」

 

ギャラリー4「全員女……レディースチームか!聞いていた噂通り……いや噂以上だ!すげぇ……」

 

ギャラリー3「車もより取り見取りだし……ドライバーも……何つーか、やべぇわ……」

 

ギャラリー2「うっはぁ!美人ぞろいだ!車もすげぇ決まってるし最高だぜ!今日まで生きててよかった!」

 

ギャラリー5「何これ……私たちにも強力なライバル出現って感じぃ?でも私の啓介様は誰にも渡さないんだから!」

 

ギャラリー8「よっしゃあ!!テンション上がって来た!花があるってレベルじゃねぇや!」

 

ギャラリー6「ふぅー!影狼ちゃん、やっぱり来てくれた!相変わらず痺れる様なS15だぜ!」

 

赤城の走り屋「涼介さん……。すげぇ……こりゃあ、とんでもねぇサプライズだよ」

 

あまりに衝撃的なそれに、周囲の走り屋やギャラリーが騒然とする。

 

涼介「さて、役者は揃ったな。……史浩、予定通りに頼むぞ」

 

史浩「OK。……それじゃあ、まずは主役となる3チームの走り屋の紹介と行こうか。彼女達の事について今すぐにでも知りたい気持ちはわかるが、まずはこの交流会に賛同、そして事前準備に協力してくれた地元の走り屋である秋名スピードスターズから、俺たちレッドサンズ、そして最後にファンタジアの順だ」

 

そうして各チームのメンバーが自己紹介をしていく。

1人20秒もかからない簡単なものだが、これを池谷や健二たちから順に回していき、レッドサンズの二軍メンバーから一軍に、そして高橋兄弟へと回って来た。

高橋兄弟のところで追っかけたちの拍手と歓声が上がり、その人気ぶりを見せつけた。

 

そしてついにファンタジアの番がやって来た。

 

まずは先頭で入って来た、マツダスピード製のR-SPECフルエアロに身を包んだ青い最終型FDから出て来た、紫のドレスを着た金髪の女性からだった。

 

紫「私は八雲紫。このレディースチームの発起人兼チームリーダーを務めているわ。メンバーは私の伝手を使って集めた実力者揃い。……皆様のお眼鏡にかなえば嬉しいわ」

 

次にC-WEST製のフルエアロで着飾ったチャンピオンシップホワイトのボディにカーボンボンネットのEK9シビックの傍に立つ、白いブラウスに黒のタイトスカートという出で立ちをしたOL風のこれまた金髪の女性。

 

藍「私はリーダーの妹、八雲藍と申します。皆様、よろしくお願いします」

 

次はひまわりのように鮮やかな黄色のボディが目を引く、アミューズ製フルエアロで飾られたZ33と、その隣に佇む赤いチェック柄のベストとロングスカートを纏った緑髪で長身の女性。

 

幽香「私は風見幽香。別荘の管理人をしているわ、よろしくね」

 

次はその車種ではなかなか見ることのない珍しい黄色のボディ色にシンプルな純正フロントリップスポイラーを装備したGC8インプレッサと、その傍に立つ緑のフレアスカートに袖口にフリルをあしらった長袖の黄色い上着を着た、黄緑色の髪に黒い帽子が特徴的な少女。

 

こいし「私、古明地こいし!みんなよろしくね!」

 

次はトヨシマクラフト製のカーボンボンネットとS2レーシング製のフロントバンパーが特徴的なシルバーのNBロードスターと、そのオーナーの黒いワンピースにグレーの薄手のケープを羽織っている灰色の短髪をした小柄な少女。

 

ナズ「私はナズーリン。東欧からの留学生だよ。よろしく」

 

次はDo-Luck製フルエアロとTRD製リアウィングにVARIS製のカーボンボンネットで全身を着飾った白いA80スープラと、その隣に立つ青いワンピースに白いサマーカーディガンを肩に羽織った短い金髪に青い瞳のこちらも外国人であると一目見て分かる少女。

 

アリス「私はアリスマーガトロイド。イングランド生まれアメリカ育ちで、本職は人形師をしているわ」

 

次はバリス製カーボンボンネットにサード製フルエアロとGTウィングで外装をカスタムされている青いMR-Sと、その側に立っている白いブラウスに青いフレアスカート姿の長い緑髪にカエルの髪飾りをつけた少女。

 

早苗「東風谷早苗です!守谷神社で風祝という巫女の様な仕事をしています!」

 

次は紫色のボディカラーにNISMOエアロとJUN AUTO製ボンネットを装備したR33GT-Rに背を預ける、白い薄手のロングワンピースに藍色のケープを羽織った少女。

 

一輪「雲居一輪と申します。普段は命蓮寺というお寺で修行をしておりますが、この度は住職の許可を得てこのチームに参加させていただきました」

 

それ以降はすでにレッドサンズやスピードスターズのメンバーたちとは交流のあった面々の紹介が続いていく。

 

純正エアロに歴代WRXの定番色のWRブルーパールを纏う上白沢慧音のGDB-F型スペックC。

ボーダーレーシング製エアロを飾られた魂魄妖夢の緑のFC3S。

トミーマキネンエディションという特別仕様で専用のカラーリングが施された藤原妹紅のランエボⅥ。

純正エアロにTRD製のマグネシウムホイールへと装いを新たにした西行寺幽々子のアリスト。

R Magicのワイドボディキットとワンオフ品のカーボンGTウィングで全身を固めた固定式ライトが特徴的な黒谷ヤマメの黒いFD3S。

C-ONE製フルエアロにTRD製リアウィングが特徴的な姫海棠はたての黒いST205セリカGT-FOUR。

風間オート製のフルエアロにings製の大きなリアウィングを装備した白い鈴仙優曇華院イナバの後期型180SX。

純正エアロにボディ同色塗装のD-MAX製のカーボンボンネットとVOLTEX製カーボンGTウィングを合わせた犬走椛の白い後期型S14シルビア。

Jブラッド製のエアロとカーボンボンネットで統一された今泉影狼の白いS15シルビア。

フロントバンパーがD-MAXでリアバンパーがURASの赤い赤蛮奇のシルエイティ。

チャージスピード製のフルエアロにオリジンのダックテールスポイラーを装備したわかさぎ姫のS13後期シルビア。

 

そしてその次はVELTEX製エアロにC-WEST製GTウィングを身に纏う赤いS15シルビアと、そのオーナーである桃色のフレアスカートに白い薄手のブラウスを着て、その上から胴部分が赤に袖部分が白のフード付きパーカーを羽織った黒髪の少女。

 

霊夢「私は博麗霊夢。一応、このチームのダウンヒルエースを勤めてるわ」

 

次は黒いボディに白い二本のレーシングストライプを中央に走らせた特徴的なカラーリングにトップシークレット製のフルエアロという奇抜な外見のR34 GT-Rに背を預けている、ダボっとした黒の半袖シャツを着て膝に擦り跡のような加工のあるタイトなダメージジーンズを履いた金髪の少女。

 

魔理沙「私は霧雨魔理沙だ。いたって普通の走り屋さ。このチームのヒルクライムエースを任されてるぜ」

 

 

 

1994年7月某日。

秋名、赤城、そして幻想郷の走り屋たちが数多のギャラリーたちと共に秋名に集う。

この日、後の世で関東の走り屋たちの語り草となる伝説が始まろうとしていた。

 




イツキ「やったー!本番だー!」
作者「やったー!本番だー!」
イツキ「?」

2023 / 12 / 14 20時53分
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