【急募】IS世界で生き残る方法【助けて】   作:ポブラノ

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【前門の福音】IS世界で生き残る方法を考えるスレpart8-1【後門の天災】

[side:(ハジメ)

 

 臨海学校2日目の朝。

 

 今日は丸一日ISの装備試験である。俺含めた生徒のほとんどは若干浮足立った様子で旅館から離れた場所にある砂浜に繰り出した。

 

 

 

 砂浜では既に教師陣が『打鉄』やIS用の装備のチェックをしている。

よくよく観察してみると、教師陣の他にも首からよくわからないロゴの入った社員証を提げた人もISをチェックしている。

 

俺の近くでポヤッとした雰囲気で佇む本音さんに聞くと、IS委員会の日本支部が呼んだ人員だそうだ。

 

世間では俺の右腕はIS実習中の事故ということで通っているので、事故の再発防止という大義名分を引っ提げて干渉してきたのだとか。

 

本音さんの口ぶりから推測するに彼らは無理矢理捩じ込んできたようで、何らかの目的があるのだろう。

 

全く、大人の世界はどこもドロドロで世知辛いよ。

 

 

 俺が物思いに耽るのを他所に織斑先生が俺達生徒の前に立つ。

 

「おはよう。ではこれよりIS各種装備の運用テストを開始する。

ISとその装備は既に準備してある。山田先生の指示に従いテストを進めるように。

専用機持ちは専用機用のテスト会場に移動する。私に付いて来い。

あぁそれと、昼まで花月荘には戻れんことを留意しておけ。

以上だ。」

 

 いつも通りに淡々と告げられた指示に従い、織斑先生に連れられて砂浜を歩くこと少し。

 

所々の転がる岩が目立つ砂浜の外れに到着した。

 

織斑先生が足を止めたタイミングで、俺は先程からの疑問について彼女に問いかけた。

 

 

「あの…織斑先生?なぜ箒さんもこっちに来てるんですか?ISスーツも新しいものに変わってますし…」

 

「あぁ、そのことか。それなら…」

「ちぃぃーーーちゃぁぁあぁぁあん!!!!」

 

背後からいつぞやに聞いた声がした瞬間、俺の体は宙を舞った。

 

「グワァーッ!?」

 

グルグルと回転する視界の中で呆然とこちらを見上げる一夏達を発見すること3回、澄み渡る青空を視界に収め、派手な水飛沫を上げながら着水した。

 

「はッ(ハジメ)ーッ!!」

 

 

一夏の呼ぶ声が遠ざかる中俺の体は沈んで…

 

 

 

 

 

沈…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………思ったより浅いわココ。

 

 

 

完全に溺れる前に体勢を立て直した。今使ってる義手、耐水性があると言われていたけれど海水にがっつり浸かってしまっても平気なのだろうか。

 

今考えても仕方ないな、ヨシ!

 

 

 

 立ち泳ぎの体勢で浮上し水面に顔を出すと、今から飛び込もうとでも言いたげな恰好のラウラさんと救命浮き輪を構えた簪さんと目が合った。

 

「………無事でしたーなんて…アハハ…」

 

気まずッ!2人の決死の行動を無駄にしたみたいで居た堪れないわ。

 

何とも言えない気まずい沈黙を破ったのは篠ノ之博士の底抜けに能天気な掛け声であった。

 

 

「カァモォオン!『紅椿(あかつばき)』ィ!!」

 

 

俺が着水した方角からニンジン型のロケットがお手本のような放物線を描きながら飛んできた。

 

そのロケットは放物線の頂点を過ぎたあたりで分離、内部に格納していた立方体のコンテナのみとなり、さっきまで俺が立っていた場所に直撃した。

 

「うひゃー…」

 

あそこに居たままであったらどのような惨事が起こったのか想像してしまい、背中に冷たい汗が流れた。

 

気を取り直して海からあがり、義手の関節部に入り込んだ海水を拭き取りながらみんなの下に戻ると丁度、箒さんの専用機『紅椿』がその姿を露わにしたところであった。

 

深紅の戦鎧を想起させる機体を前に篠ノ之束は出来たばかりの工作を自慢する子供のように無邪気な様子で話し出す。

 

「この世紀の大天才、篠ノ之束がフルスクラッチ開発したこのIS、『紅椿』!現行ISの全てを凌駕するスペックを持つ、箒ちゃんの為だけのインフィニット・ストラトスさ!」

 

説明を聞いた全員が茫然としていると、元凶の彼女はスカートをふわりと持ち上がるように回りながら続ける。

 

「さぁさぁ、箒ちゃん早速最適化処理(フィッティング)とパーソナライズを済ませちゃおうか!」

 

「はい。お願いします。」

 

「も~そんな固くならないでよ~箒ちゃんに喜んでもらうために束さん頑張ったんだからさ~」

 

底抜けに明るい声色の姉に比べて妹の方は努めて他人行儀で話している。

 

人のことはあまり言えた口ではないが、彼女らの家庭環境は中々に複雑なようだ。

 

 

空中に幾つもの投影型ディスプレイとキーボードを浮かべるメルヘンな装いの自称天才科学者は目にも止まらぬ打鍵でISの設定をしながらも口は動かし続けている。

 

「箒ちゃん、胸、おっきくなった?お尻も…うん!成長期ってやつだね!束さん、箒ちゃんの成長が知れて嬉しいよ!」

 

「やっ止めて下さい!姉さん!」

 

「何でさ~家族の成長を喜んでるだけだよ~

…っと、出来たよ~ささっ装着してみよ~」

 

「……はい。

すぅ…『紅椿』!」

 

箒さんが受け取った待機状態の赤い紐になった『紅椿』を掌に握り込み、ISを起動させた。

 

深紅色の『紅椿』はあるべき場所に戻ったかのように箒さんにフィットしている。

 

「おぉ…」

 

「調子はどう?まぁとりあえず飛んでみなよ~」

 

彼女は新しいISの動作の具合を確かめるように鋼鉄の手を2,3度開いて閉じてを繰り返してから上空に躍り出た。

 

彼女の駆る『紅椿』は機動力特化型ISの『白式』もかくやとばかりの動きを見せつけてるように弧を描いて飛んでいる。

 

「よーし!問題ないようだね~装備のマニュアル入ってるから確認しといてね~」

 

 彼女を薄目で眺める束博士はそう言うと視線を上空のISから一夏の方に向ける。

 

「次はいっくんの番だね!ささ、『白式』見せて~」

 

「は、はい。」

 

『白式』の待機状態である腕輪にケーブルを接続させると再びキーボードとディスプレイを投影し先程同様、凄まじいスピードのタイピングで稼働データを漁り出した。

 

キーボードを打ち出してから1分経たずに彼女は目ぼしいデータを探り終えたのか、満足気な表情でケーブルを引き抜いた。

 

「いや~ありがとうね!ISの発展はいっくんの両肩にかかっていると言っても過言ではないよ!」

 

「は、はぁ…」

 

 

 

一夏と篠ノ之博士が話しているのを遠巻きに見ていると篠ノ之博士がこちらに気づき、不機嫌と言わんばかりの表情で話しかけてきた。

 

 

「おいそこの、見世物じゃないんだ。さっさとどこかに消えろよ。」

 

嫌悪感を隠そうともしない言い草に少々むかっ腹が立つがぐっと飲みこんだ。

 

「篠ノ之博士、一つ質問が」

 

あ?聞いてなかったのかよ擬い物が。

私は消えろって言ったんだよ。せっかくのいっくんとの交流の邪魔してんじゃねーよ。

 

剣呑な雰囲気とピリピリと肌に突き刺さるような殺気。

 

ラスボスと相対したような張り詰めた空気の中、意を決してあの質問を投げかけた。

 

「どんな異性が好み(タイプ)ですか?もちろん同性でも可。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……は?」

 

 

凍り付いた雰囲気を破ったのは束博士の心底呆れたような声であった。

 

 

「ちなみに俺は胸と(タッパ)のデカい女が好み(タイプ)です!」

 

 

「胸…」

「身長…」

 

 

「ボーデヴィッヒに更識妹、そう私を恨めしそうに見つめても自分のものは変わらないぞ。」

 

 

たっぷり数十秒、考え込むような表情で腕を組んだ彼女はこちらをまっすぐこちらを睨みつけながら腰を落した。

 

「誰がお前なんかの質問に答えてやるかよッ」

 

 

そこから言い渡された質問の返答は鳩尾直撃の正拳突きだった。

 

「ぐえっ!?」

 

突然の衝撃によろけ、後ろに倒れこむと目の前にはローファーの靴底が。

 

 

 

 

思わず目をつぶったがいつまで経っても痛みはやってこない。

 

恐る恐る目を開けると今度は視界一杯の革靴の裏があった。

 

よくよく見ると天災が踏み抜こうとした足を織斑先生が足の甲を挟み込む形で止めていた。

 

 

「はぁ…一ノ瀬、これ相手に迂闊が過ぎるぞ。さっさとパッケージの確認に行ってこい。」

 

「はいぃ」

 

喉が絞り出すような声で返事しながら情けなく引っ込む。寿命が3年は持っていかれた気分だ。

 

 

 

 

「どいてちーちゃん、束さんはそのセクハラ野郎に制裁を加える権利があるの。」

 

「それなら私の方から済ませておく。お前は大人しく帰れ」

 

「ひどーい!束さんとちーちゃんの仲でしょ!?」

 

「うるさい。」

 

 

ピリピリとひりつくような空気を背に黒子重工のロゴの入ったコンテナの下に急いだ。

 

うへぇ~もう安価はこりごりだよぉ~

 

 

 

▼▼▼

 

 

 

53:名無しの転生者 ID:6cy7I1HAr

新スレになったがイッチの浮上はまだなのか?

 

 

54:名無しの転生者 ID:TpZq0N54H

>>53

この掲示板に居る全員がお前さんみたく張り付いてる訳じゃあないんだ

大人しく全裸待機していてもらおうかぁ

 

 

55:名無しの転生者 ID:6cy7I1HAr

>>54

甘いな

私は既に全裸で獣狩りの夜を駆け回っておる

 

 

56:名無しの転生者 ID:UJ7tQCPhd

>>55

啓蒙上げすぎだろ…

 

 

57:二人目のイッチ ID:EHw0PG0VQ

>>55

獣より野生に還るのは禁止っすよね

 

 

58:名無しの転生者 ID:6cy7I1HAr

>>57

狩人はルール無用だろ

 

てか浮上したんならさっさと可愛い女の子の画像をくれ

 

知り合った女は皆殺しに来るんだ癒しが欲しいんだ

 

 

59:二人目のイッチ ID:EHw0PG0VQ

>>58

しゃーないなー

クソウサギの安価達成の報告に来たところやのに

 

【画像】

 

 

 

60:名無しの転生者 ID:6cy7I1HAr

>>59

エボルラビットじゃねーか!

 

 

61:二人目のイッチ ID:EHw0PG0VQ

>>60

いいだろ?

(ツラ)と体が最高の女だぜ

 

 

62:名無しの転生者 ID:r3dYRuFK3

>>61

(ツラ)と体だけの間違いだろ

 

 

63:名無しの転生者 ID:7i+3ydxSt

>>61

3歳児みたいなメンタリティの自称天災(笑)やん

 

 

64:名無しの転生者 ID:eT/x839Jk

>>62

失礼な!声も良いぞ!

 

 

65:名無しの転生者 ID:ojXjNwb1M

>>64

それ以外はカスって言ってるようなもんやん

 

 

66:名無しの転生者 ID:eT/x839Jk

>>65

それは…まぁ…はい。

 

 

67:名無しの転生者 ID:jYsJEVKXu

>>66

認めちゃってるやん

 

 

68:二人目のイッチ ID:EHw0PG0VQ

これ以上あれの話は危険や!

何かこっちを睨み付けてきてるからな!

 

【画像】

 

 

69:名無しの転生者 ID:jfRg0azpY

>>68

ヒエッ

 

 

70:名無しの転生者 ID:NljtNPUyM

>>68

イッチがあれを心の中で愚弄しているのが原因では?

 

 

71:二人目のイッチ ID:EHw0PG0VQ

>>70

それはそう

 

 

72:名無しの転生者 ID:6cy7I1HAr

>>71

自業自得やん

 

安価結果報告してほらほら

 

 

73:二人目のイッチ ID:EHw0PG0VQ

>>72

嫌でござるまだ死にたくないでござる

 

 

74:名無しの転生者 ID:XYTbGUWd9

>>73

ちっふーが近くで控えてんだからエエやろ

 

 

75:二人目のイッチ ID:EHw0PG0VQ

ならエエか

 

クソウサギにさ、性癖聞いたら正拳突きが返って来たで

 

多分あれで俺の腹筋われたわ

 

 

76:名無しの転生者 ID:SoMyq24Ld

>>75

そうはならんやろ

 

 

77:名無しの転生者 ID:GXdGG2Z+0

>>75

はえー今の掲示板って夢の中から書き込めるんかー

 

 

78:二人目のイッチ ID:EHw0PG0VQ

>>76

>>77

最近俺への当たり強くない!?

 

 

79:名無しの転生者 ID:DBuP+VERS

>>78

最近おもろいスレが立たない方が悪い

 

 

80:名無しの転生者 ID:BcWe/3pcg

>>78

因果応報ってわけよ

 

 

81:二人目のイッチ ID:EHw0PG0VQ

はーっ!暇人共よタヒね!

 

 

82:名無しの転生者 ID:LXpixgKh3

ゲラゲラゲラゲラゲラゲラ

 

 

83:名無しの転生者 ID:0kRSdvJTn

ま、死なない程度に頑張ってくださいな

 

 




・モッピー
 専用機が貰えてウキウキ。
 少し調子に乗ってる。
 天災に苦手意識あり。

・エボルラビット
 性格以外が超絶ハイスペックな天災。
 イッチが鬱陶しくてイライラしている。
 何やら暗躍している模様。
 
・IS委員会日本支部の皆様
 IS学園で起きた事故(イッチの右腕が吹っ飛んだ事件のカバーストーリー)を受けて生徒への安全指導のために参加してきた人達。
 急遽決まったので日本のIS企業の従業員が助っ人参加している。

Ifルート(ほぼバットエンド)

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