日本海上空、花月荘からの約2㎞の地点。
そこには2機のISが銃弾も斯くやのスピードで飛行していた。
深紅のIS、『紅椿』が先頭を突き進み、そのすぐ後ろには『白式』が追随している形である。
「む、一ノ瀬からのメッセージだ。」
「ホントか?」
「あぁ。…封鎖海域に侵入した漁船を見つけたから追い出してくる。だそうだ。そんなもの放っておけば良いものを。」
「箒、
「ふん!それで福音を逃す訳にはいかないだろう。
一ノ瀬の合流を待たずに行くぞ!」
《目標地点まで15秒!》
「さあ来るぞ一夏!」
「あ、あぁ!」
ISのヘッドセットからの声に答えるように前方を突き進んでいた2機のISが速度を緩めた瞬間、水平線の先から銀色のISがその姿を現した。
一夏らと同様に打倒すべき存在を見つけた『
次の瞬間、翼から幾つもの光弾が2機のIS目掛けて打ち出された。
「甘いッ!」
しかしその光弾は狙った対象に着弾することなく、『紅椿』の放ったエネルギー刃によって切り払われた。
光弾が爆ぜ、眩いばかりの光が海上の一角を埋め尽くす。
「一夏!」
『紅椿』を駆る箒の言葉と同時に分厚い光のカーテンを突き破った銀色が姿を現す。
『
『迎撃対象α,βをメインカメラに補足。
攻撃を開始します。』
無機質な合成音声を残して『
『La~♪』
雲一つない空に歌声が響く海上。雨のように降り注ぐ光弾が開戦の合図となった。
「一夏!私の近くを離れるなよ!
はぁッ!」
「分かってるッ!とぉ!」
(クフッ
クフフフフ…
やはり姉さんに頼んで正解だった!)
『紅椿』にインストールされていた2振りの刀の1つ、『
(軍用ISに対してこんなにもうまく立ち回れるとは嬉しい誤算だ。
これ程の力があれば一夏にも…グフフ…)
「この弾幕じゃ近づけないか…?
箒、
(まただ、
「はっ!その必要など無い!
一夏!『零落白夜』を用意をしておけ」
「はぁ!?おい箒!」
言うが早いか彼女は『紅椿』のもう一振り、『
降り注ぐ光の全てを展開されたシールドで受け止め、静かに息を吸う。
「せやぁ!!」
そして、気迫のこもった掛け声とともに突きと幾筋もの光が放たれる。
降り注ぐエネルギー弾と相殺されながらも弾幕を潜り抜けた『雨月』の光波が福音に殺到する。
だが相手は出力制限を取っ払った軍用IS。無情にも光波は福音のシールドに阻まれて消えた。
「ふっ、やはり一筋縄ではいかぬか」
好戦的な笑みを浮かべる箒とは対照的に一夏は焦燥を感じていた。
(
▼▼▼
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150:二人目のイッチ ID:EHw0PG0VQ
密漁船をあらかじめ封鎖区域から追い出してやったぜ
よしっ!
151:名無しの転生者 ID:6VjlwhE9p
>>150
何やってんだお前ぇぇ!!
152:名無しの転生者 ID:4tCh1EVp2
>>150
不用意に主人公の覚醒フラグを折るのは感心しない。
153:名無しの転生者 ID:UytIpuSMj
>>150
お前がそれっぽい感じに一夏をデコイにしろ
154:名無しの転生者 ID:rEtuxEWIR
>>153
覚醒以前にワンサマーが危なくない?
155:名無しの転生者 ID:KNLW1rXw0
>>154
ワンサマーならイケるやろ
156:二人目のイッチ ID:EHw0PG0VQ
やっぱり不味かった?
適当に俺が一夏庇って大怪我すれば覚醒してくれるもんだと思ってたんだが
157:名無しの転生者 ID:VW5y3kIxV
>>156
一夏の覚醒は意識不明の状態で『白式』のコア人格に接触する必要があるのじゃ
158:二人目のイッチ ID:EHw0PG0VQ
マジで?
そこんところうろ覚えだったわ
159:名無しの転生者 ID:N/8SjRAEx
マジだよ
ちゃんと責任取ってそれっぽい感じにワンサマーに庇われて来い
160:二人目のイッチ ID:EHw0PG0VQ
えー
161:名無しの転生者 ID:L6faW/YEM
我らが聖人君主、ワンサマーを信じろ
最悪お前が『白式』に乗ればええやろ
162:名無しの転生者 ID:RJ63ydDbW
>>161
えっ!?
ここの倫理観、低すぎ!?
163:名無しの転生者 ID:8jhhkd3in
>>162
掃き溜めに常識を求めるなよ
164:二人目のイッチ ID:EHw0PG0VQ
とにかく早く一夏と合流するわ
なんかあったらまた浮上する
165:名無しの転生者 ID:1y7Fz/Aui
あいよ
166:名無しの転生者 ID:v+gJqZY7K
正直クソウサギの意図がこちらからでも測りかねるから原作に乗っかっておくのが一番楽
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[side:
ある程度の原作の流れを把握していた俺は封鎖海域に侵入していた漁船を目敏く見つけ、1人追い出しに向かった。
一夏が戦闘に集中できるように箒にのみメッセージでこのことを伝えたので問題は無いだろう。きっと。
密漁船のおじさん共にJアラートもびっくりな喧しい注意勧告で封鎖海域から締め出し、後始末を花月荘でスタンバってた山田先生に押し付けた。
そこまでは良かったのだ。
掲示板のアホ共曰く俺がいらない気を回したせいで一夏及び俺の死亡フラグがビンビンなそうで。
どうにか帳尻を合わせるために最高速度で彼らのもとに向かっているのが現状である。
それにしても流石は高機動パッケージ。
ぐんぐんと加速し、彼らの反応がある地点はもはや目と鼻の先である。
おっと、一夏と箒との通信を切ったままだった。
「こちら一ノ瀬、合流します。
今の状況はどうなってます?」
『
今は…っと、箒が福音を抑えてくれてる…けど、いつまで持つかわからない』
「了解。」
機械越しに聞こえた一夏の声に一先ず安心。
…うん?
「なぁ一夏、もしかして俺って今からあれに混ざらないといけないのか?」
『あぁ、何時までも避け続けるわけにもいかないからなっ早くしてくれ!』
水平線の先から見えた光景は世界観がスパロボ寄りのものであった。
光弾と光波と尾を引きながらながらビュンビュン飛び回る3機のIS。
参考資料として師匠から見せてもらった第2回モンド・グロッソのレース部門の映像がフラッシュバックしました。(小並感)
ええい、退けば老いるぞ臆せば死ぬぞ!一ノ瀬
「支援射撃を開始しまぁす!」
両手で大型ライフルを構え、若干上擦った声で宣言した。
『ちぃっ!漁船の避難誘導1つにどれだけ時間を掛けていたんだ一ノ瀬!』
「これが済んだらちゃーんと説明すんで今はそれ言わんといて下さい!」
今更こちらに気づいた箒さんに投げやりな返答をしながら安全装置を外して銃口を福音に向ける。
『迎撃対象γをメインカメラに捕捉。
優先順位を変更。
攻撃を再開します。』
鉛玉が銀色の機体を掠めたタイミングで福音から平坦な機械音声が発せられた。
グリン、と翼型スラスターの噴出口がすべてこちらを向く。
「やべっ」
光の濁流が俺目掛けて流れ込む。
転がり込むように横合いに避けながら俺は声を張った。
「おぉぉお!一夏ぁ!箒さぁん!俺が引き付けるからさっさと福音を止めてくれぇ!」
『『零落白夜』使うことになるけどいいのか!?』
「大丈夫、大丈夫!もう吐くものないからぁ!」
『お、おう!任された!』
ハイパーセンサーで福音の方を横目に見るとそこには視界を埋め尽くさんばかりの光の玉。
殺意ヤバい。ヤバない?
脳がガンガンと揺さぶられるような無茶苦茶な機動で光弾を躱しながら飛び回るが、止めどなく押し寄せる弾幕に被弾してしまう。
一発掠ればシールドエネルギーは5%近く持っていかれ、直撃は10%は余裕で削り取られる。
まさに法外な威力だ。
「火力ヤバくない!?もうシールドが半分ないなったんですけどぉ!」
『騒ぐ暇があるなら回避に専念しろ馬鹿者!』
「してる!既にしてる!滅茶苦茶してる!」
半ば思考を放棄しながら福音から離れるようにジグザグに飛び回る。
ライフルをしまうことも楯を引っ張り出すことも叶わず飛び回っていると不意に通信がかかる。
『
「あいあいさぁ!」
二つ返事で一夏の指示に従い、弾かれるように上に飛び上がる。
ISのバリアでも殺しきれない下向きの慣性と重力のダブルパンチに眉をしかめながらさらに加速する。
ライフルが光弾の直撃で破壊され、シールドエネルギーも10%を切った。
せっかくの
鳴り響く警告音にもはやこれまでかと思った次の瞬間。
『今だッ!!』
『せやぁぁあ!!!』
気迫のこもった掛け声と共に真白い閃光が煌めく。
光の正体に気づいてしまった俺は思い出したかのように熱を発する右腕と急激に逆流を始める胃を無理矢理抑え込み下を見る。
そこには自慢の翼の片方を失い、ずるずると高度を落す『
『
ダメージレベルC。
戦闘の続行に深刻な影響が発生する可能性大。
…撤退します。』
福音は無機質にそう告げると翼を畳み両足のスラスターをふかし、西の空に向かって飛んで行く。
『追撃するか?』
『…一度織斑先生に指示を仰ぐべきだろ』
『そう、だな。』
『こちら篠ノ之。福音が撤退を開始しました…』
退いては返す波のように押し寄せる吐き気を再度奥の方に押し込みながらゆるゆると高度を落す。
『…行動、パターン変更。迎撃、対象γの、排除、を最優先、に』
結局元の流れは滅茶苦茶になってしまったが結果だけ見れば上出来なので目を瞑ってもらおう。
『方向転換…?っ!マズい!』
覚醒フラグは…師匠を紹介すれば何とかなるやろ。あの人IS学園の生徒で最強だし。
『おい
突然かけられた一夏の声に振り返ると目の前には閃光。
《警告:絶対防御が使用できません》
真っ白な背景に踊るその文字の意味を理解できた頃には既に俺の意識はいつぞやと同じように暗転していた。
・銀の福音
アメリカ・イスラエル共同開発の軍事用ISも無駄にすばしっこい奴を追いかけながらの2対1は分が悪かった。
唯一の武装が破壊されたので大人しく撤退しようとしていたが、何故か撃墜を優先した。
・箒
調子に乗ってたがイッチの墜落で強制的に頭が冷えた。
『紅椿』のポテンシャルはまだほとんど生かせていない。
・一夏
有人機相手だったので撃墜よりも無力化を優先した結果イッチ墜落。
・イッチ
何故かおとり役をやることになった奴。
クソ雑魚の癖に出しゃばるからすぐ墜ちる。
・密漁船の皆様方
船で来た。
この時期のマグロは良い値段で売れるなどの供述をしており…
今は山田先生に拘束されている。
アンケートがあります。
よろしければ回答をお願いします。
Ifルート(ほぼバットエンド)
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いる
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いらない