【急募】IS世界で生き残る方法【助けて】   作:ポブラノ

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今回は短めです


【前門の福音】IS世界で生き残る方法を考えるスレpart8-4【後門の天災】

[side:簪]

 

『いっ、一ノ瀬が、福音の光弾で…!』

 

(ハジメ)くんの反応が消えたレーダーを呆然と見つめる私の耳に届いたのは篠ノ之さんの震えた声だった。

 

「落ち着け篠ノ之、状況はどうなっている。」

 

『はっ、はい。一ノ瀬が、福音の攻撃を受けて負傷。一夏のエネルギー残量も鑑みて撤退しているところです』

 

「わかった。では一ノ瀬の傷の具合は確認できるか?」

 

 

『はい…右腕が、根元から無くなって、ます』

 

「他に分かる箇所はあるか?」

 

『全身、特に右半身に酷い火傷が…あります』

 

 

「把握した。手当の準備をしておく。一ノ瀬に負担がかからない程度に速やかに帰投せよ」

 

『はい』

 

 

 

 織斑先生が通信を切り淡々と周囲に指示を飛ばす中、私はただ震えることしかできなかった。

 

 

「ちっ、そこは死んどけよ凡人が」

 

 

 

 

 

 

▼▼▼

 

[side:(ハジメ)

 

 気が付くといつぞやの墓地に立っていた。

 

 相も変わらず降り続ける雨に辟易としながら、俺を現実に戻すことのできる人物…人格?

 

…まぁどっちでもいいか、彼女を探そうと踵を返す。

 

 

「何度無茶すれば気が済むんですか貴方は?」

 

唐突に話しかけてきたのはいつの間にか横に立っていた俺の目当ての女性、コア人格ちゃんだった。

 

 

 

 

 

 

 

「私が独断で『重装型・打鉄』の機動系にアクセスし、スラスターを動かしましたので、致命傷は避けられました。

コンマ1秒でも遅れていましたら、貴方は胸部から上が吹き飛んで御陀仏でしたよ。

 

現実の貴方は現在気を失っており『紅椿』に抱えられて花月荘に運ばれています。」

 

コアちゃんが用意した田舎のバス停みたいな場所に無理矢理押し込まれ渋々雨宿りしていると、彼女は唐突にそう言った。

 

 

 

それを聞いて俺は…

 

 

「『ハリファイバー』を使わないTG(テックジーナス)の展開知らない?」

 

「言うに欠いて第一声がそれですか!?」

 

 

 ちょっと気分が優れないから気晴らしに共通の話題を出したかったんです…

 

 

 後なんかコアちゃんが神妙な雰囲気してると気が狂うって言うか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方は礼の1つも出来ないのですか…」

 

やべっコアちゃん露骨に拗ねてる

 

「あー…ありがとうな。おかげで助かったよ。」

 

 

 

 

「ツーン…」

 

見てくれが大人のお姉さんが子供っぽく拗ねるところからしか摂取できない栄養素がある。

 

 

 

 

 

 

…言うてる場合ちゃうわ

 

 

「えーっと…流石コアちゃん!超優秀!最高!」

 

 

…ええ、ええ、分かれば良いのです。分かれば!」

 

 

尻尾があったらブルンブルン振られていると優に想像できる明るい声色と表情になって食いつくコアちゃん。

 

 

えっ!うちのコアちゃん、チョロすぎ?

 

 

 

「…ああそういえば、貴方の怪我の状況についての報告がまだでしたね。」

 

 

 スンッと元の調子に戻った彼女はふらりと青いプラスチックの安っぽいベンチから立ち上がり、軒先から雨の様子を伺いながら言葉を続けた。

 

「右腕の義手が蒸発。肩の手前までの部分も無くなりました。おまけに全身大火傷。

…医療用ナノマシンを使用しても火傷跡が残ると思われます。

不幸中の幸いとしては傷口が焼かれて出血がほとんどない点ですね。」

 

「…大丈夫なの?このまま死ぬとかないよね?せっかく生き残ったのに」

 

 

俺の問いかけにコアちゃんは柔らかい笑みを浮かべながら顔だけこちらに向け、いかにも正統派ヒロインですとでも言いたげなポーズで答えた。

 

「大丈夫ですよ。…多分

 

「多分!?そこは断言して欲しかったんだけど!!」

 

 

「別に私は貴方の主治医と言う訳でもないので断言できませんよ」

 

「そりゃそうだろうけどさぁ!こっちの心情的にもさぁ!」

 

 

 

「あ!『イゾルデ』絡めた戦士族展開ならいい感じに『トライデントランチャー』に繋げられますよ!」

 

「今その話題に飛ぶの!?会話のキャッチボールで脇に置いたボールを突然使いださないでよ!」

 

「いいじゃないですかそれくらい。元々あなたが振ってきた話題でしょう。

どうせ意識取り戻すまで暇なんですから私の新生閃刀姫デッキの相手になってください」

 

「なんかちょっと目を離しただけでコアちゃんの性格が愉快なことになってるんだけどー!

開発者ー!開発者呼んでー!!」

 

 

 ざあざあと降りつつける雨とうろたえる俺を尻目に何処からか持ってきた机にプレイマットを敷きだしたコアちゃん。

 

「さあ早く準備してください。前回のように簡単に勝てると思わないでくださいね。」

 

決闘(デュエル)までの動線がGXの日常回並に唐突!」

 

「私に勝ったら意識を現実に戻してあげますよ。勝てたらですが。」

 

 さっきまでのふざけた口調から一転。初対面の時と同じような他人行儀な声色に俺が思わず視線のそちらに向けるとそこにはデッキをシャッフルしていた彼女。

 

「すぐにでも戻りたいのでしょう。

ほぼ3ヶ月、毎日見ていた私なら分かります。」

 

「なら…」

「ですが!」

 

「…ですが、それは許可できません。

貴方のことです。意識が戻ったならすぐにでも誰かのために()()やらかすのでしょう?

今回の怪我の状態でそれをすれば今度こそ腕一本では済まなくなりますよ。」

 

 先ほどまでの緩い雰囲気は雲散霧消し、張り詰めた空気が場を支配する。

 

「……ヴァレットでいい?」

 

「構いませんとも。

まぁ?

私という工業技術の()()()たるIS(インフィニット・ストラトス)の中核を担う()()()OSですから?

貴方が勝てる可能性は限りなく低いものとなるでしょうが?」

 

 

「0じゃないなら上出来だ。」

 

「…変なところで諦めが悪いのはなんでなんですかね?」

 

 

「この世界が好きだから、かな?」

 

「急に詩的表現じみたことほざきやがりましたね。

正直気持ち悪いです。」

 

 

グハァ!?

 

このポンコツOS急に刺してきやがった…

 

 

 さっさとボコしてとっとと戻ろう。一夏の武器庫役兼肉壁くらいなら今の俺でもできるだろうから。

 

 

 




・コアちゃん
 ISコアNo.56のコア人格。
 緑色の髪を腰まで伸ばしている。
 イッチのことはそれなりに認めてる。

・ちっふー
 束は後で絶対に〆ると決意した。
 イッチと一夏が心配。

・タッバ
 自称天才科学者。
 イッチが生き残ったことにご立腹。

・イッチ
 召喚口上はノリノリで言うタイプ。

次回はワンサマーの覚醒回です。

Ifルート(ほぼバットエンド)

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