皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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第三章 第17話

 「・・・どうやら、上手く入植してくれて生活基盤を整えられた様だな・・・。」

 

 「ええ、然もかなりの避難民が満足出来る環境で、父様始め帝国の人々に感謝してる様です」

 

 「・・・そうか、それならば此れで遠征作戦は一先ず完了した事になるな・・・。」

 

 「そうですね、いよいよ次の星系への遠征作戦を進められます」

 

 と僕と父様はAR空間で、サポートにイーリス様が居られる形で、会議をしている。

 

 最近の会議は、父様が大略の戦略と政略の指針を示し、僕と帝国の誇る将帥の方々が実行部隊となる形が出来上がっている。

 

 恐らく此の形は、遥か以前から父様とイーリス様の中で既定路線だったのだろう。

 

 正直『神機』のメインパイロットとして、最前線で熾烈な戦いをせざるを得ない僕にとって、父様には全てを統括して帝国航宙軍の後背を完璧に支えてくれる体制は、非常に有り難い。

 

 そして、いよいよ次の星系への遠征作戦が議題に上る。

 

 「此の銀河系に於いての辺境地帯にも、結節点と呼べる重要拠点が有る。

 それが、此処『アルカディア』星系と云う場所で、本来の『人類銀河帝国』に於いても辺境の守りの要だった星域だ。

 元々の住民も50億人居て、本来の『人類銀河帝国』に併合されてからは、他の星々も惑星フォーミングされて居住可能惑星が星系内で7個もあり、住民も150億を越えていたらしい。

 此処までは、イーリスと私も把握していたのだが、シレノス星とシリウス星に有った情報バンクから復元したデータで、或る事実が確認出来たのだ。

 此処『アルカディア』星系の近傍に、『暗礁宙域』と呼ばれる宙域が存在しているのだが、其処にバグスの生産拠点と思われる拠点が有る事が判明した。

 恐らく、『暗礁宙域』に存在する星の残骸や無数に有る資源を利用して、バグス共の艦隊等を生産していると考えられるそうだ。

 何故なら、此の星域を得てから明らかに出入りする艦隊の規模が拡大した上に、『宇宙大怪獣』が此の『暗礁宙域』から出ていく数が増えたらしい。

 よって、此処を叩かなければ此の辺境の星系を幾ら助けても、奪い返されるのが落ちだ。

 つまり、早急に『アルカディア』星系を奪取して、『暗礁宙域』に有るバグスの生産拠点を叩く必要が有るのだよ」

 

 其処まで、一気に説明されて、僕は父様が何を望んでいるのか推察した。

 

 「・・・つまり、父様は僕の『神機』である『メタトロン』の究極技である星系破壊奥義『フェーズトランスレーション・スターシステム・クラッシュ(相転移星系破砕)』を、行使するのが最適と判断されたのですね!」

 

 「嗚呼、その通りだよ! 正直通常な形の艦隊戦やバグスの確認された超巨大要塞艦(惑星と同等の大きさ)を攻略する場合、とんでもない被害が想定されるので、少なくとも複数の生産拠点が確認されるバグスの供給拠点を断てるのであれば、やる価値は大変大きい!

 然も上手い具合に、『フェーズトランスレーション・スターシステム・クラッシュ(相転移星系破砕)』を繰り出した後の、観測データや報復に来るバグスの艦隊と『宇宙大怪獣』を迎撃するのに、『暗礁宙域』はうってつけの宙域だ。

 大凡の攻撃範囲の確認と、どれ程の威力なのかが把握出来るし、場合によっては何度も攻撃を放つ事で敵を誘き出しながら、敵バグスの艦隊と『宇宙大怪獣』の戦力をかなり削れる可能性が有る!」

 

 と、若干の期待を込めた物言いで、父様は次の遠征作戦の目的と目標を提案して来た。

 

 それに対して僕は、先程終了した第一回遠征作戦を鑑み幾つかの反省点を述べて、数日後の父様も参加する大会議に於いて反省点が、諸将から上がるであろう意見を予見して置いた。

 

 案の定、僕の述べた反省点は父様とイーリス様は想定されていたらしく、その反省点への対処法と今後の帝国が目指すべき方向性を修正した幾つかの案を僕に提示して見せた。

 

 流石は父様とイーリス様で、僕の反省点は見事に対処出来ていて、数日後の大会議ではなるべく諸将から僕の述べた反省点と同じ意見が出る様に、会議の雰囲気を誘導してみせろと課題を出されてしまった。

 

 「う~ん、中々難しい課題なので僕の軍師2人『安倍晴明』と『諸葛亮』、更に旗下の左官を同席させて貰いたいです!」

 

 と要望を伝えると、父様とイーリス様は快く了承してくれた。

 

 そんなやり取りを終えてAR空間を解除してから、久し振りに帰還したアスガルド城の私室に戻り、自分の御庭番であるサスケに、自分が居ない間の帝国と他の国の動静を報告させた。

 

 まあ予想された事だが、帝国ではシレノス星系からのお客様達の情報で、かなり話題沸騰していて。

 

 民間レベルでも歓迎ムードが形成されていて、色々とイベントを催すつもりらしい。

 

 まあ、異星の同胞が姿形も変わらず、『ナノム』を通せば会話も可能な上に、帝国の行動に深く感謝していて友好的な事が報道で知って、一種のフィーバー状態らしい。

 

 初めての遠征作戦で、ほぼ予定通りに目的を果たせた事実に、幾つかの改善点は有るものの概ね成功したと実感する事が出来たのだと、サスケの報告で感じた。

 

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