「つまり、僕の『キャメロット』に所属したいと?」
「その通りです! 此のスペースコロニーで暮らしながら、アポロニウス皇太子殿下の組織である『キャメロット』に所属し、貴方様の未来へ寄り添うべく歩みたいと思います!」
そう言ってシレノス星系の避難民の代表者が、若者だけで約500人が僕達の拠点である巨大スペースコロニーにやって来た所存を提示した。
《ふうむ、どうするかな?》
正直、僕達の拠点である巨大スペースコロニーには、居住したいと申告して来る帝国人や崑崙皇国人が多すぎて、その人達の頭越しに此の500人を受け入れるのは、公平では無いと思う。
困っていると、僕の軍師の一人『諸葛亮』がアイデアを出して呉れた。
内容は、巨大スペースコロニーには入植出来ないが、此の宙域は惑星アレスと月との重力バランスが整っているから、従属コロニーを10個は建造出来るので、新たな従属コロニーを自分達で建造して入植すれば良く。
更には、其の経験を活かしてコロニー建造のプロフェッショナルになる事は、今後の『キャメロット』メンバーに必須の集団になれるだろうと、僕に進言してきた。
成る程と納得し、『諸葛亮』と『クーガー』を連れて代表者と共に、シレノス星系の避難民の若者約500人の前に向かった。
僕は『軌道エレベーター』を経由して地上から、アフリカーナ大陸の入植地の学校を形式的に卒業してやって来た若者約500人を広場に集め演説した。
「良く来てくれたねシレノス星系の皆さん! どうやら僕の組織である『キャメロット』に所属したいとの事でしたが、申し訳無いが現在『キャメロット』に入りたい人々は多すぎて、順番待ちしている状態なんだよ。
だけど、君達にそんな順番待ちを強いるのは、あまりにも条件が悪すぎる。
なので、特別枠と云う訳では無いが、皆さんに一つの選択肢を与えたいと思う。
皆さんも、此の『オービタルリングⅡ』から離れた宙域にある我等の巨大スペースコロニーを、外観でご覧になったと思うが、一つポツンと宙域に浮かんでいて妙だと思われただろう。
実は当初の目的の中に、僕と仲間たちの『神機』による宇宙空間での模擬戦や、宇宙戦闘艦での行軍訓練をする目的の為に此の巨大スペースコロニーは建造された経緯が有ったんだ。
だが、その使用目的も既に月面上にある『アルテミス基地』が現在担っているので、僕が皇帝陛下と折衝する事で『キャメロット』と『百八家』の大規模拠点として帝国から譲り渡して貰ったんだよ。
現在、此の巨大スペースコロニーには1千万人が居住してるんだけど、此の人数も厳選された『キャメロット』と『百八家』のメンバーで残りの3千万人は、地上の各拠点で生活しながら将来の僕や褒姒の家臣となるべく努力してるんだよ。
だから、此の地上に残るメンバーを納得させる為にも、地上では学びようも無い経験を皆さんには積んで貰いたいと思う。
その内容は、独自の『コロニー建造』技術だ。
何故、独自と付くかと云うと、惑星アレスの技術者集団は魔法主体での建造技術が進みすぎていて、科学技術主体での建造技術を君達が編み出して欲しいと願うからだ!
君達もご存知の通り、惑星フォーミングをしない限り『龍脈』を利用した魔法循環技術は、他の星では使用出来ない。
なので、君達の故郷の様にバグスから解放したばかりの星系では、惑星フォーミングする人員や軍人は居住性の悪い宇宙戦闘艦ですごさざるを得ないんだよ。
魔法主体で建造したスペースコロニーは、惑星との魔法連携でスペースデブリ(宇宙ゴミ)等の脅威から、バリアーを張って居るんだけど、それでは魔法循環技術の無い惑星では使用出来ない。
ならば、殆どを科学技術で建造したスペースコロニーは、今後も必須となるんだよ。
是非、此の極めて困難な新技術の開拓と、経験を積み重ねて己の存在意義を見出して、他者への説得材料として確立して貰いたい。
どうだろう、此の我々の提示する選択肢を受け入れて、新技術を編み出した上で、僕の『キャメロット』に所属してくれないだろうか?」
と、かなり長くなった僕の提案を受けて、騒然とシレノス星系の若い避難民の方々は、時間が掛かったが意見を纏める為にも時間が欲しいと願い出て来た。
最もだと僕は頷いて、彼らの代表者にゆっくりと意見を集約して欲しいと伝えた。
そんな、やや混乱している彼等に、僕の組織である『キャメロット』の職員達が、此の夏休みの滞在中の宿泊所へ案内して行く。
まあ、約2週間の滞在で気持ちを整えて行けば良いさと、僕は彼等を見ながら思った。