皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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第三章 第24話

 (サクラ視点)

 

 さて、此れで私とマリアは3日間剣術部門と、格闘技部門で優勝し続けたから合計6千万ポイント稼げたわ。

 

 予定していた金額に達したから、早速私達は同行しているシレノス星系の避難民の女性陣と合流して、賞金を受け取りに行き早速物流業者に、ナノム・ネットワークで渡りをつけたの。

 

 無事に取引出来たから、成功を祝うべく私達行きつけのレストランに全員で向かうと、何故かアポロとケントそれにその弟達と取り巻きが10人ばかりが予め席に着いていたわ。

 

 「こっちだぜ、サクラとマリア、そしてお友達の皆さん!」

 

 とケントが私達を目敏く見つけて声を掛けて来て、アポロはその間レストランの支配人から挨拶を受けながら、食事の注文とノンアルコールタイプのシャンパンを全員分注文していたの。

 

 「何でアポロにケントが、私達の行きつけのレストランを知ってるの?」

 

 「いや、知らなかったけど、スタジアムで大騒ぎしながら店名を出していたから、先回りしただけだよ!」

 

 と私は私自身の迂闊さを後悔したが、別にそれ程秘密にしなければならない情報でも無いのに気付いて、憮然とした顔で親友達を眺めて、何で現れたのかの意図を聞いてみたわ。

 

 「・・・サクラとマリアも判っていた筈だけど、神剣流と神拳流の免許皆伝を得て居ながら、一応誰でも参加出来るとはいえ、民間の格闘技トーナメントに出場するのは、明文化していないけどあまり褒められた行為では無いよ・・・。」

 

 「そうだぜ、お前らが出場するのは他の出場者に、優勝出来る機会が失われるのと同義なんだから、不文律になってたのはお前ら自身が良く知っていただろうに!」

 

 とアポロとケントが非難してきたので、反駁しようと私とマリアが口を挟もうと仕掛けたら、同行しているシレノス星系の避難民の女性陣が、全員で突然土下座してアポロに謝罪して申告したわ。

 

 「申し訳ございません、アポロニウス皇太子殿下!

 このサクラ様とマリア様の行動は、全て私達シレノス星系の避難民の為なのです!」

 

 との言葉に、若干不思議そうな顔でアポロとケントは、「どういう事なのか?」と彼女らに聞き返している。

 それに彼女等は、少し躊躇って答えたの。

 

 「・・・実は、惑星アレスに避難してから非常に帝国のお陰で、快適に過ごせて居たのですが、二つの点でどうしても我慢できない面が出てきたのです・・・。」

 

 そして彼女等は暫く懊悩し始めたので、代わって私が答えて上げたわ。

 

 「あのねアポロ! アラン皇帝陛下のお陰で普通に生活する分には、全然問題なかったんだけど、暫くしてシレノス星系の避難民に取って、惑星アレスとシレノス星系の文化で二つの点での違いが有る事に気付いたの」

 

 「二つの点とは、どういう内容なんだい?」

 

 とアポロが、結構深刻な話と受け止めたのか、真面目な顔で聞いてくる。

 そんな風に正面から見つめられると、私とマリアでも気圧されてしまって、言葉に詰まってしまったの。

 そのタイミングで、注文していたノンアルコールタイプのシャンパンとツマミが来たので、会話を中断させて取り敢えず祝勝を祝ってから、会話を再開させたわ。

 

 「一つの理由は、此れよ!」

 

 と私は、ツマミの一つとして出てきた、『タコのカルパッチョ』のタコをフォークで刺して、アポロに説明し始めたわ。

 

 「此の『タコのカルパッチョ』を始め、惑星アレスに於いては食材としてのタコを利用した数々の料理が有るんだけど、シレノス星系には非常に特殊な料理が存在したの。

 その料理の名は『たこ焼き』というの!

 私とマリアは、数少ないシレノス星系から持って来た『たこ焼き』用のソースを使用した、オリジナルの『たこ焼き』を食べさせて貰って、その濃厚な味に感動したのよ!

 そしてナノム・ネットワークを始め、数々のデータバンクと『サイラス財閥』の『カリナ支配人』に依頼して見たんだけど、同様のソースは惑星アレスに存在しない事が判ったの。

 だから、シレノス星系のデータバンクからレシピを再現して、此の濃厚ソースを惑星アレスの食材で作り上げようとしたんだけど、幾つかの重要な食材がどうしても無かったの。

 その為に、此の拠点であるスペースコロニーで、シレノス星系から持ってきた食材の種を育てて、繁殖した上でシレノス星系の避難民の特産品として売り出したいと思ったの。

 だけど、それには初期投資が必要でそれには帝国から貰っているポイントでは、難しそうなの。

 それを帝国や他の会社に相談すると、権利がそちらに移る可能性が有るから、誰にも相談出来ずにいたところ、格闘技トーナメントで勝ち上がると賞金が貰える事を知ったんだって。

 そして、いざ何人か参加してみたら、一回戦を勝ち上がる事も出来ずに意気消沈してしまったの。

 その様子を偶々観戦していた私とマリアが、彼女等に理由を聞く事で状況が判ったから、協力する事にしたと云う事なの」

 

 と長々と説明してやったら、アポロは結構深刻な様子で頷くと、いきなりパッと顔を上げて、

 

 「良く判ったよ! 取り敢えずはその話しは後で話す事にして、祝勝会の食事を楽しんでくれよ!

 僕の奢りだから、遠慮しないでドンドン追加注文してくれ!」

 

 と、アポロがにこやかに応じてくれたわ。

 

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