皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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第三章 第25話

 (マリア視点)

 

 最初はぎこちなかったけど、アポロとケントやその弟達がフレンドリーにシレノス星系の避難民である彼女等に、積極的に話し掛けて来てくれたので、シレノス星系の話題や入植地のアフリカーナ大陸の話しをポツポツと教えてくれたわ。

 

 私とサクラも予め聞いていた内容以外にも、初めて聞く様々な話しが飛び出して来て有意義な祝勝会になったから、満足して彼女等と弟さんのお友達を滞在している宿泊所に、『キャメロット』専用車両で送り届けてから帰りにケントの邸宅に集まったの。

 

 「さて、彼女達の前では言えなかった、もう一つの理由を聞かせてくれないか?」

 

 とアポロがケントの邸宅にある、離れの一室に入るなり聞いて来たわ。

 

 「・・・判ったわ、でもこの話は男性であるアポロやケントには理解出来ないかもよ・・・。」

 

 と説明し、私的AR空間をこの部屋に展開させると、幾つかの写真を資料として空間に投影させる。

 

 「う~ん、随分とカラフルであまり実用性の無い服装だし、刺激的な服装な女性も居る。 それにまるでモデルの様な姿勢を取って撮影会をしているのか、で、此れがどうしたと言うんだい?」

 

 「・・・予想通りね、きっとアポロみたいな朴念仁の唐変木には、絶対に気づけないと思っていたから案の定よ!」

 

 とサクラが随分と辛辣な意見を言ったので、アポロがへの字口で憮然としていると、どうやら判ったらしいケントが「あっ!」と声を上げて、私に聞いて来たの。

 

 「もしかして、これ所謂『仮装』、もしくは『コスプレ』ってやつじゃないかな?」

 

 「御名答ね、ケント! その通りで所謂『コスチューム・プレイ』と云うもので、シレノス星系では大会が開かれて大盛りあがりする独自文化なんだって。

 内容は多岐に渡って、『仮装』と呼べる物や『着包み』の様な物、他にも『男装』や『女装』の様な入れ替わる服装も有るし、更には舞台俳優の衣装を真似した物や、TV放送の『アニメーション』に出てくるキャラクターの衣装を真似した物も有るわ!」

 

 とケントに答えて上げながら、色々な衣装を纏って通りを練り歩いたり、会場で歌いながら自分の衣装を誇示する場面を映像で示して上げた。

 

 アポロは、「ふ~むっ」と真剣に唸りながら資料画像に見入っているわ。

 そのアポロに、更に説明を加えて上げたの。

 

 「この様に、実用性は無いけど短時間だけ着飾ってお祭りを愉しむ文化が、シレノス星系では定期的に有ったという訳よ。

 その文化を、この惑星アレスでも楽しみたいと避難民の彼女等は、帝国始め他の国の服飾文化を調べて見たんだけど、彼女等のお眼鏡に叶う服飾は少なかったらしいの。

 だから彼女達は、自分達でそんな実用性は無いけど、瞬間だけ着飾る服飾専門店とそれを作る工場を建てようと考えたのよ。

 だけど、当然ながら避難民として惑星アレスにやって来た彼女等は、帝国にある意味生活とは関係ない事で迷惑を掛けたり、資金援助して貰うのは申し訳無いと考えたらしいわ。

 それで、独自に資金を稼いで自分達自身で資金を稼いで、地道に自分達の文化を受け継ごうと決心したの。

 その意思に、私とサクラは感銘を受けて、彼女等の代わりに格闘技トーナメントに出場して、賞金を渡していたと云う訳よ!」

 

 そう言って、私の説明を深く頷きながらアポロとケントは、理解出来たといった面持ちで納得してくれたわ。

 

 「大変良く判ったよ! う~ん、だとすると申し訳無いけど、こんな風にチマチマした形のやり方では上手く行くには、相当な時間が掛かってしまうよ。

 それよりも、帝国や様々な会社、そして放送局も巻き込んだ上でシレノス星系の誇るべき文化を、堂々と公開したら良いよ。

 正直な処、そんなに秘密にする程の恥ずかしい秘密でも何でも無いし、寧ろ広く全世界の人々に知ってもらい、もっと仲良くなる為にも己の文化をオープンにするべきだろう。

 此の事を是非彼女達に、サクラとマリアには伝えて貰いたいと思う」

 

 とアポロが私達に言ってくれたので、私はサクラと見つめ合って頷き合って合意してから、

 

 「「判ったわ!」」

 

 と了承し、アポロとケントの弟達は、地上に戻ったら積極的に動く事を確約してくれたわ。

 

 「兄上の言葉通り、僕も自分の出来る範囲で行動しますよ!」

 

 と『ルーファス』皇子は請け負ってくれて、ケントの弟は、

 

 「俺のマゼラ婆ちゃんに、服飾関係の事を聞いてみるよ!

 場合によっては、安い布地やアクセサリーの情報も得られるから」

 

 と結構良さそうな話しをしてくれたわ。

 

 此の日は、此処で相談を終わらせてから、翌日サクラと一緒にシレノス星系の避難民である彼女達に、良い方向での話し合いとして、他の男性陣を参加させて話し合いをして幾つかの提案を受けたの。

 

 それ等の提案を持ってアポロの居る執務室に向かったら、私達の軍師である『安倍晴明』と『諸葛亮』が予め居て、幾つかの具体案を私達に提示してくれて、私達が持ってきたシレノス星系の避難民の提案と突き合わせてくれて、更に良い方向の具体策を練り上げて、実行する事になったの。

 

 それにしても、アポロはドンドン皇太子としての立場に相応しい威厳が出てきたわね、軍師2人を左右に座らせて中央で決断する姿は、王者の雰囲気があったわ。

 

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