(クーガー視点)
オイラがアポロニウス皇太子殿下にお仕えしてから、丸7年経ちその間に色々と経験して来たが、今回の事業は中々規模が大きく更には他の天体からの文化交流と云う、初めての取り組み且つ大事なので『キャメロット』としては軍事関係に関わっていない人員をかなり動員する事になりそうだ。
勿論、仲間の組織である『百八家』(大分組織分担を変えて、此の組織は事実上のアポロニウス様と褒姒様の家臣団となっている)からも、かなり組織的に応援するべく崑崙皇国の財閥や、富豪から凄まじい支援の動きが有るそうで、オイラ達とは別の統括組織が地上のドームで出来る事が決まった。
此れにより、帝国どころか崑崙皇国以外の全ての国家を上げて、アポロニウス皇太子殿下の行動を支援すべく惑星アレスは統一して動き初めている。
此の諸々の動きは、実は或る目標の為の事前行動に直結している。
その或る目標とは、【惑星アレスに有る全ての国家は、『人類銀河帝国』に統一させて、今後は地域行政国家名として存続して、王族や貴族は名称を残したまま帝国の王族と華族として遇する】と云う事である。
オイラはかなり前に、此の事をアラン皇帝陛下から伝えられていた。
つまり、事実上は18年前に『人類銀河帝国』は、惑星アレスを経済面と政治面で、全ての国家よりも上位組織の国家として君臨していたが、それをいきなり周知させるよりも、徐々に慣らしていった後に統一して行くのが、最も反発が無いと判断して崑崙皇国やルミナス教の上層部が協力する事で、決断していたらしい。
ただ、その事を明文化するには、幾つかの要素が邪魔していると、人類銀河帝国・崑崙皇国・ルミナス教の上層部は判断していた。
その一つ目は、アラン皇帝陛下や李世民皇帝陛下、そして数多の独立国家の王族は、それまでの国家組織にしがらみが有り過ぎて、どうしても強行に統一すると帝国に併合されてしまう印象が否めないという事。
二つ目は、習俗や文化面、更には宗教問題でかなり地域によって偏りが有ると云う事実。
例えば、ルミナス教は惑星アレスに於いて、6割の人々が信仰する最大宗教派閥ではあるが、崑崙皇国や日の本諸島の様に、全くルミナス教とは違う宗教体系の国家も少なからず存在し、其れ等の国家の宗教体系を包括し得る様に、ルミナス教の『ゲルトナー枢機卿』を中心とする上層部は、今までの教義を相当に緩やかにして、様々な宗教に於ける神々もルミナス教に於ける神で有ると規定した。
そういった問題点を徐々に解決していたが、何処のタイミングで『人類銀河帝国』に惑星アレスは統一されるという事実を決断するか、と云う事が暫くネックになっていたのだが、結局アポロニウス皇太子殿下が現在『神機』軍団の長として、ドンドン功績を上げて行く事実があるので、その功績が積み重なって行き他の星系の方々からも慕われ始めているので、何れはアポロニウス様がアラン皇帝陛下から戴冠式を経て皇帝位を譲られた時にすべきだろうと考えられているとの事だ。
その日を揺るぎない功績と共に迎える為に、オイラ達『キャメロット』と『百八家』のメンバーは励んで行くべきだろう。
「クーガー! お前には今回の遠征作戦に於いて、『機動武人(モビルウォリアー)』部隊での先駆けになって貰うぞ!
『ラウンズ』に於いてスピードが突出している、お前と『源義経』には私の両翼に於ける先鋒として働いてくれよ!」
「ハッ! お任せ下さい!」
「良し、其れではいよいよ後一週間で出撃だ。 最後の訓練を行うぞ、付いて来い!」
「了解です!」
このやり取りを、誰よりも早く行える幸せに浸りながら、オイラは己の主人たるアポロニウス皇太子殿下の後ろを追い掛けて行った。