(褒姒視点)
「で褒姒様、アポロニウス殿との進展は上手く行ってらっしゃるの?」
「もし、問題等が有って上手く行かない様なら、ここだけの話ですが知らせて下さいませんか?」
と遠慮会釈無く随分長い間、崑崙皇国の貴族出身で同級生の女子生徒達が聞いて来るわ。
非常にしつこいし口さがないとは思うけど、吾がかれこれ13年前から崑崙皇国内の貴族以上の階級に、事実上我とアポロは婚約者だと公言している為に、その動向を或る一定以上の地位にある貴族の貴公子や姫君、そして財閥の令嬢に取っては気が気でないらしいの。
姫君と令嬢達に取っては吾が公言している所為で、帝国の皇太子にして惑星アレスどころか他の天体でも英雄となったアポロは、『憧れの君』にして恋愛対象として最高峰の存在なので、親を通してでも渡りを付けたいのに、吾が壁になっていて非常に困っているそうだ。
《全く煩わしいったらありゃしないわ!》
吾とアポロは幼い頃から、此の世界に於いて双璧と言って良い程の魔力量を誇り、共に『神機』のメインパイロットとしても最強と次席の存在なのだから、吾とアポロ以上の似合いのカップルなんてこの世に居る筈が無いわ!
こんな理想的なカップルに割り込もうとするなんて本当にムカつくし、他人がしゃしゃり出て来るなんて本当にウザいと思うの!
全ては、アポロが吾に対して堂々と婚約者だと表明すれば良いだけなんだけど、アポロの立場と課されている使命が途轍も無く重い事も理解できるから、今度の遠征作戦で一定の成果を上げれば、其処から解放した星系の復興と軍事力の拡充の為にそれなりの期間充電時間が必要に成るわ。
遠征作戦を大成功させて成果を上げ、帝国に凱旋した時に吾はアポロに対して吾との婚約を公表する様に迫るつもり!
だけど、其処に至る為には幾つかの障害が有る事も事実よね。
先ずは、吾のライバルに成り得る女性陣の存在よ!
吾の母国である崑崙皇国の姫君達は、吾の立場で簡単に抑え込めるし圧力も掛けられるんだけど、他の国の王族や華族及び貴族の姫君には通用しないし、ゴリ押しは崑崙皇国の国格を貶める事になるから出来ないわ。
でも、なるべく何時もアポロの側に吾は居る様に心がけてるし、吾のペットの『クーちゃん』(日の本諸島での特訓時に仲良くなった管狐)に頼んで、余計な手出しを出来ない様に妨害(あくまでもラブレターや接触を回避させる程度)させて貰ってるの。
お陰で、有象無象の姫君達の策動を未然に防げていたんだけど、その妨害工作が出来ない幾人かの存在が有るんだよね。
その存在とは、同僚にして親友のサクラとマリアなの。
幸いな事に此の二人は、恋愛感情では無くて産まれた時からの友情が先に立って、他の男性陣ともほぼ同等の付き合いしかしていないので、今の処は恋敵にはなっていないんだけど、何時友情としての好意が恋愛感情になりかねない不安定さが有るのよね~・・・。
そして厄介な存在が他にも居るの。
その存在とは、エラさん!
現在彼女は、アポロの妹達の専属親衛隊隊長にして、皇室の警護主任でも有るわ。
そして、アポロに取っては産まれた時からの、近くに居るお姉さんにして憧れの女性だったの。
此処3年間くらいは、アポロが宇宙での暮らしが主体だったから接触が無かったから、ある程度安心してたのに、妹さん達がしょっちゅう吾の『百八家』の拠点でもある此の巨大スペースコロニーに滞在するから、頻繁にアポロや吾達と会う事になったし、双方にとって師匠である『拳聖様』と『剣聖様』との修行時にも合流してしまうので、アポロも気安く交流してるわ。
全く、朴念仁過ぎるアポロには困ってしまうわよね。
吾がこんなにやきもきしてるのに、当の本人はまるでお構いなしに様々な女性(シレノス星系の避難民)達との出会いや、『神機』部隊から軍団に規模が上がった事で、当然のように帝国航宙軍に所属する大勢の女性軍人と接触している。
どうにかして、今後始まる遠征作戦中は余計な女性とアポロの接触を断ちたいので、便宜を図って貰える様にアラン皇帝陛下と奥方様達に申し込まないといけないわね。