「さて、航宙観艦式の為に整列するぞ、皆規定通りに隊列を組め!」
「「「了解!!!」」」
その返事を受けて私は、自分の『神機』である『メタトロン』に乗り込み『神機軍団』の隊列の先頭に陣取った。
そんな風に『神機軍団』の隊列が整列している間、艦隊主力の航宙観艦式は粛々と進んでいる。
先ずは人の乗らないサテライト級駆逐艦と航宙突撃艦が、其れ其れ500隻が縦列陣で『オービタルリングⅡ』から観覧している列席者の前を進んで行く。
其の勇壮で一糸乱れない行軍に、列席してくれた数々の国家の重鎮や軍人各位と、シレノス星系からの避難民の代表者達が、感動しながら観覧してくれている。
シレノス星系からの避難民に取っては、今回遠征する艦隊の一部は『スターロード』を一緒に通った後で、シレノス星系に常駐させて今後のバグス艦隊が再侵攻した場合に迎撃する艦隊なので、非常に頼もしく思っているらしい。
続けてスター級重巡洋艦が200隻行軍し始めた、此の宇宙戦闘艦は其れ其れ100名ずつ搭乗していて、無人の戦闘機を其れ其れ100機ずつも搭載されている。
此のスター級重巡洋艦1隻だけで、バグスのBG-Ⅲ型巡洋艦を含む部隊を一方的に殲滅出来るだろう。
そして航宙軍最大の宇宙戦闘艦が行進し始めた。
其れは前回の遠征作戦でも活躍した宇宙要塞艦で、2隻が堂々たる全長10キロメートルの巨躯を晒しながらゆっくりと行軍して行く。
此の宇宙要塞艦は強力な攻撃力と防御力を誇るが、逆に機動力は皆無と言って良い存在である。
そして宇宙要塞艦の後から、いよいよ今回の航宙観艦式の主役が現れた!
確かに宇宙要塞艦からしたら、一回り小さい全長7キロメートルの宇宙戦闘艦だが、直ぐ後ろに随伴する『竜闘艦(ドラゴンウォリアー・シップ)』と合体する事で、全長15キロメートルに及ぶ最大の宇宙戦闘艦となる。
此の宇宙戦闘艦こそが、今回の遠征軍の旗艦にして私の母艦である。
航宙軍に於ける最強の艦、その名は『神威(カムイ)』!
過去の様々な情報資料を復元させても、本来の『人類銀河帝国』に存在していた宇宙戦闘艦の全てを遥かに越えた攻撃力と防御力、そして機動力と圧倒的な情報連結能力を持つ。
正に、航宙軍の旗艦に相応しい。
其の存在自体が放つ圧倒的なポテンシャルに、観覧していた全ての人々は息を暫くの間呑んでいたが、やがて一人の人物が拍手し始めて、直ぐに殆どの人々が熱狂的に割れんばかりの拍手と歓声が上がった!
そして私の『神機メタトロン』を始めとした『神機軍団』が、『神威(カムイ)』に続いて行軍する。
上下に二列で行軍する順番は、上段が褒姒の『九尾』を先頭にサクラの『天照』が続きマリアの『ブラフマー』が最後尾を行軍し、其の間を『機動武人(モビルウォリアー)』が7機随伴する。
下段は、私の『メタトロン』を先頭にケントの『応龍』が続きロンの『ガルガンチュア』が最後尾を行軍し、其の間を『機動武人(モビルウォリアー)』が7機随伴する。
私は『メタトロン』の中で相棒の星猫アルが気を利かせて表示して来た、観覧している人々が熱狂している姿を、モニター表示でピックアップされて映像として映し出されているのに、有り難くて感謝の念を抱いた。
此の艦隊を編成出来て、且つ運用できるのは全て惑星アレスに住む人々が、しっかりと働いた上で税金を消費税20%として奉納してくれているお陰である。
其の税金のお陰で十分な補給や武器の開発を行えるのだから。
此の事実を決して為政者は忘れてはならず、必ず其の尊い奉仕の心を受け入れた上で、有効な使用を心がけて行こう。
そんな事を反芻していると、観艦式最後尾の宇宙戦闘艦であるギャラクシー級戦艦『量産型戦艦イーリス』10隻が行進して来て、其の周囲を『竜機神(ドラグゴッド)』2機と『竜機人(ドラゴノイド)』1千機が行軍して行く。
「やはり、宇宙空間を自由自在に飛翔出来る装備は、羨ましいかい?」
と『メタトロン』の中のコックピットで同乗している『ミネルヴァ』に問うと。
「う~ん、そうでもないよ~! だって『メタトロン』に乗っていると、この凄まじいパワーを実感出来て、まるで神様になった気分だもん、こんな気分は例え『竜機神(ドラグゴッド)』を装備したとしても得られないよ!」
そんな感想を述べてくれた『ミネルヴァ』に同調して、
「そうだな、『メタトロン』よ! お前の神々に匹敵する力を此の遠征作戦では、存分に振るって貰うから頼んだぞ!」
と『メタトロン』に呼びかけると。
【勿論です! 其れこそ『調整者』からの私に課せられた使命です! 私をどうぞアポロの思うがままにご使用下さいます様に・・・。】
「うむ、全力で乗りこなして、バグス殲滅まで働いて貰うぞ!」
【了解致しました!】
との遣り取りをしながら、観艦式を無事に終わる事が出来た。