「・・・何とも退屈だな~アポロ。 いい加減『神機』での『仮想戦闘(シミュレーション・ウオー)』も飽きて来たぜ!」
「まあ、後1週間は『スターロード』から出られないから、我慢するしか無いので仕方無いけど、僕も飽きてきたよアポロ!」
「う~ん、確かに5時間ぶっ通しでの『仮想戦闘(シミュレーション・ウオー)』は、集中力を欠いて来て逆効果かも知れないな。
判ったよ、女性陣と交代して師匠達と手合わせするかい?」
「ちょっと待てよ、午前中にあれだけ絞られたのにまだ修行するのかよ?!」
「そうだよアポロ~、別の訓練をしないかい?」
「そうだな、後は例の『神威(神威)』に連結している、補給艦に有る温水プールでの水練はどうだい?」
「それだ、アポロ! あんまり同じ事をしていてもしょうがないし、たまには変わった訓練も有りだと思うぜ!」
「賛成だね! 僕の開発した水中での呼吸魔法、『アクア・ブレス』を久し振りに試そうよ!」
そんな事をケントとロンと話し合い、其れ其れの『神機』のコックピットから相棒の星猫と連れ立って出ると、3人と3匹で集まってから『メタトロン』にシフト(位相差ジャンプ)で温水プールの男子更衣室に転送させた。
着ていったインナースーツを水着に最適化させ、管理している職員に挨拶してから身体を解す様にストレッチをして、洗浄水を浴びてから温水プールに入る。
3人で100メートルプールを、一通りの泳法で3往復した。
「気持ち良いな、アポロ! ところで此の温水プールは慰安目的だけの物なのか?」
「知らなかったのか、ケント! 此の温水プールは補給艦内に有る様々な動植物の育成施設に廻す温水を、リサイクルさせる途中で利用する施設だよ。
僕としても気持ち良かったし、魔法での浄化システムが上手く機能しているのを、僕としても確認出来て良かったよ」
「ケントとロンも、気持ち良く水練出来た様で良かったよ! ロンが言った様に自分としても此の施設を確認したかったんだよ」
と3人で会話してから、ロンが開発した水中での呼吸魔法『アクア・ブレス』を試す事にした。
水中に全身を浸からせて、『アクア・ブレス』を使用して身体の表面からの水が侵入して来なくすると、『アクア・ブレス』の効果で周囲の水から抽出した空気が、口に吹き込まれて来る。
中々面白い魔法で、幾つかの使用方法を思い付くので、利用価値は高そうだ。
色々と水中で『アクア・ブレス』を使用した試みを繰り返して、満足した自分達は水中から出て一旦プールから出ようとしたが、突然目の前に水上で仁王立ちする人影に気付いた。
「随分良いご身分だこと、まだ軍事訓練の時間じゃなかったかしら?」
「そうよ、私達はさっきまで師匠達と修行していてクタクタなのに、アンタ達は優雅に温水プールで遊泳してるなんてね!」
「全く、酷い話しよね! うら若い乙女が打ち身を作りながら修行してる間に、男達は楽しく温水プールで遊んでるなんて、ご両親方が知ったらなんて言われるかしら!」
と3人で自分達を断罪して来た。
当然此の3人とは、『褒姒』・『サクラ』・『マリア』である。
そんな風に彼女達は自分達を貶して来たが、訓練時間が終わってる所為か、彼女達もインナースーツを水着モードにしている為に、恐らく泳ぐつもりなのだろう。
「おいおい、別に俺達は遊んでいたんじゃなくて、水練と水中での呼吸魔法『アクア・ブレス』を試して居ただけだぜ!」
「そうだよ、失礼だな! 僕の開発した『アクア・ブレス』の効能と、使用方法の試行訓練をしてたんだよ!」
「まあ、確かに訓練だったんだけど気持ち良かったのは事実だな。
でも、訓練だったんだから君等から責められる理由は無いよ!」
と抗議したら、彼女達はいきなり相好を崩して、
「「「冗談よ!」」」
と言うと、自分達を水面に立たせて、近くの休憩スペースに連れて行く。
彼女達は既に何度も此の温水プールに来ていて、かなりお気に入りだったらしく、何時か自分達を誘って遊びたかったらしい。
そんな事を、南国風のビーチパラソルで作られた休憩スペースで、トロピカルドリンクを飲みながら『褒姒』が上目遣いに自分を見ながら言ってくる。
自分も、此処の名物らしいココナッツドリンクを飲みながら、一時の潤いを満たす。
良く見れば、自分達以外にも業務を終えて楽しんでいる軍人や乗組員が、そこかしらで楽しんでいる姿が目に入った。
結構カップルの様な組み合わせが目に付くので、もしかすると格好のデートスポットなのかもしれないな。
そう思いながら、ココナッツドリンクをストローで飲み込んでいると、目の前の『褒姒』がじっと見つめているのに気付いた。
「どうしたんだ『褒姒』? 何か自分の顔に付いているのか?」
「ううん、そうじゃないけど、後1週間もすると余裕も無くなって、こんな風に寛げないのね・・・。」
「そうだな、此の補給艦もシレノス星系に据えて行くから、来れるのも今の内だけだな。
だから、緊張する必要が殆ど無い今の内に、時折此処に休みに来るかな・・・。」
そう言って、自分達は温水プールで再度泳いでから、共に大食堂で夕飯を摂り、其れ其れの私室に帰り眠りについた。