皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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第三章 第42話

 「準備は出来たか?」

 

 「特異点の後方に陣形を組んで攻撃フォーメーションを構築しました!」

 

 「此の実験攻撃がどの様な影響を与えたり、敵の怪物群へのどれ程のダメージと貫通力を与えるか、探査プローブと探知魔法で詳細なデータを採取も頼んだぞ!」

 

 「「「了解!」」」

 

 との会話を終えて、『メタトロン』の権能と帝国航宙軍の工作艦だけでの攻撃で、如何な威力を出せるか? も確かに興味がある。

 

 何故なら同じ作用のシステムを構築して置けば、殆ど自動でバグス共の来襲時に迎撃出来る事を意味するからだ。

 

 当初はワームホールの蓋と化している星屑と宇宙塵ごと此の攻撃に利用しようと考えたが、良い防御壁になりそうなので敢えてワームホールの内側に特異点を移動させ、タイミングを測って加速し続けている超過重物質進路に特異点の入り口を出現させる事にしている。

 

 どうやら『古きものども』の怪物達の大軍もそれ程間抜けでは無いらしく、半壊したような星の欠片や小惑星を盾としてワームホール内のトンネルを突き進んで来ている。

 

 此方としても大変に有難い話しだ。

 

 此の光の速度を遥かに逸脱したスピードを持つ攻撃は、軽く惑星を貫いて恒星すら崩壊させてしまうレベルの物理攻撃としては、かなり上位の攻撃だ。

 

 とてもその程度の盾では逆に損害を増やすだけだろう。

 

 先程までのジャバウォックの大軍勢による波状攻撃と異なり、かなりゆっくりと『古きものども』の怪物達の大軍は盾と覚しき星の欠片や小惑星を先鋒にして近付いて来る。

 

 どうやら状況観測で全てが把握できる距離に敵の先鋒が近付いたと判断し、『メタトロン』の権能であるシフト(位相差ジャンプ)を利用した特異点の入り口を、超過重物質の予定進路上に出現させた!

 

 次の瞬間、音も光も無く星屑等の盾を木端微塵に打ち砕いて、5個の大穴が敵の大軍の塊に出現し、凄まじい『宙震(空気の有る地表でマッハを越えると衝撃波が起こるのと似たような現象)』がワームホールのトンネル内を荒れ狂い、混乱したままの敵の大軍勢はシッチャカメッチャカになって最早陣形など完全に崩壊した。

 

 《・・・想像はしていたが此れは凄いな・・・。》

 

 そんな思いを抱きながら、自分は次の作戦行動を竜機神と竜機人そして機動武人に伝える。

 

 「直ちにワームホールのトンネル側入り口に展開し、攻撃フォーメーション通りに作戦シークエンスを遂行せよ!」

 

 「「「了解!」」」

 

 そして攻撃フォーメーションのままで予定通りのポジショニングを取った彼等は、カウントダウンを始める。

 

 先ず、エネルギー元にして魔法砲撃の主体たるアトラス殿とグローリア殿が、最後方に位置し竜機神の持つ砲身に魔力を練り始める。

 

 次に、1千機の竜機人達が円筒形の砲身状の陣形を形取り其の中心に、魔力を集中させ続ける。

 

 最後に、砲身の先端部分を担当する機動武人全14機が、魔法による重力レンズを形成し魔力を集中させて敵中央部分で爆発させる様に緻密なバランスを取る。

 

 「10・9・8・7・6・5・4・3・2・1・0!!

 『インフェルノ・カノン』! 発射!!」

 

 「シュゴゴゴゴゴゴッ!」

 

 と独特の震動が空間を揺らし、圧倒的な魔力を凝縮した魔法砲弾が一気に混乱したままの敵の大軍勢のど真ん中に放たれた。

 

 丁度敵の大軍勢の中心に到達した瞬間、調整通り煉獄の魔力の炎が一気に膨れ上がった!

 

 「ゴオオオオーー!!」

 

 空間を揺らす魔法の炎の乱流に、敵の大軍勢が飲み込まれてなすすべが無いまま溺れている。

 

 其処に竜機神と竜機人そして機動武人が鋒矢の陣の陣形で躍り込む。

 

 当然例の軍団魔法を展開しつつ突進したので、殆ど抵抗されずに縦横無尽に『古きものども』の怪物達の大軍を斬り刻む。

 

 暫くの間は、それなりに抵抗して来る怪物達が居たのだが、圧倒的な攻撃力を誇る竜機神と竜機人そして機動武人の兵装は、殲滅する勢いで攻撃を自動的に繰り返す。

 

 其の戦況を見ながら、先程の超過重物質の貫通攻撃のスローモーション動画を確認してみると、5本の矢の様に一直線に星屑や小惑星の盾を貫き、次のシーンではその盾が細かく木端微塵になって、大軍勢に5本の大穴が穿たれる。

 

 《やはり使えるな!》

 

 此の攻撃方法は、敵の防御を殆ど考慮する必要が無い事が証明されたのだ。

 

 自分は暫くの間、竜機神と竜機人そして機動武人の無双の戦いを眺めながら、今後の戦法に如何に役立てるか脳内でシミュレーションしていた。

 

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