皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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第三章 第48話

  (人類銀河帝国 第一第・二皇女 セラス・シェリス殿下)視点

 

 《セラス視点》

 

 此処シレノス星系に於ける鎮守府である超巨大軍事衛星『ミッドガルド』に赴任してから、かれこれ1年が経つわ。

 

 その間に我々帝国航宙軍は、3つの星系を解放出来たの。

 

 此の3つの星系を解放出来た理由は至極簡単で、バグスの艦隊が我々が動くよりも早くに撤退していたからだ。

 

 シレノス星系を解放して、全ての方向に超距離探査用の探査プローブを放出し、アルカディア星系の存在とその近傍に有る暗礁宙域の重力以上を知り、喫緊の問題と判断した父上と兄上の方針により、一気にアルカディア星系の解放と暗礁宙域の問題解決を図った事により、帝国は銀河系に於いても重要拠点と成り得るアルカディア星系をバグスの魔の手から解放したわ。

 

 その事でバグス共は、アルカディア星系近くの辺境一帯が危険な宙域となった事が理解できたのだろう。

 

 我々が探索出来ていた3つの星系から、アッサリとバグスの艦隊を撤退させて、何処かの星系へと去って行ったわ。

 

 直ちに此の3つの星系と帝国航宙軍は連絡を取り合い、惑星アレスからの支援物資と護衛艦隊を差し向けて、未だに残るバグスの置き土産を排除してバグスの魔の手から解放する事が出来たの。

 

 そして様々な交渉の席を設けて、全6星系の超FLT通信で若干のタイムラグがあった上での合同会議が行われ、最終目標である本来の『人類銀河帝国』の復興と銀河系に巣食うバグス共の殲滅が決定されたわ。

 

 その主導者にして代表を、惑星アレスと父上が満場一致で選出され、事実上の『人類銀河帝国』に於ける最初の皇帝である事が追認されたの。

 

 そして他の星系も、『人類銀河帝国』の旗の下に新たなる帝国航宙軍を作り上げるべく、全力で協力する事が発表されたわ。

 

 その為に3つの星系とも『スターロード』を開通し、其れ其れで破壊されて放置されていた、様々な軍事基地や航宙軍の拠点等を運び出し統合される事で、惑星に匹敵する超巨大軍事衛星『ミッドガルド』は完成したの。

 

 然も『ミッドガルド』には、惑星アレスの月に存在する防衛システム『ADAM』をブラッシュアップし、更に攻撃性を増した『ADAM2』が搭載されているわ。

 

 最悪3つの星系の人々は、此の『ミッドガルド』に避難する事で何年でも耐える事が出来る筈よ。

 

 その間に、兄上達が『神機』を駆ってやって来れば、バグスを挟撃出来るからその段階でかなりのバグス艦隊を葬る事が可能よ!

 

 私はその瞬間に立ち会える様に、今日も私専用の『機動武人(モビルウォリアー)』の習熟訓練を熟し続けているわ。

 

 

 《シェリス視点》

 

 今日も義姉のセラスと『機動武人(モビルウォリアー)』の習熟訓練を熟してるけど、貴重な青春時代を軍務のみと云うのは悲しすぎないかしら?

 

 私以外の兄弟姉妹は、本当に真面目で軍務にも誠実すぎる程頑張っているけど、私は何事もメリハリを着けて区別する必要があると思うのよねー。

 

 だって~、両親からは頭脳や身体能力の他に、美貌まで受け継いでいるのにそれを活かしもせずに全てを軍務に捧げる必要は無いんじゃないかしら?

 

 かと言って、立場が立場なだけに私達の周りには、表向きのSPの他に女性の忍びが見張って居るのよねー。

 

 誰か其れ等の妨害を乗り越えた上に、全て黙らせられる男性は居ないのかなぁー?

 

 それに当て嵌まり該当しそうな身近な男性は、何と実の兄弟くらいしか居ないと云う、何とも皮肉な話しなのよねー。

 

 辛うじて他に該当しそうな人物では、兄君の家臣である『ナイツ・オブ・ラウンド』と『百八家』の武将と軍師が良さそうなんだけど、此の人達は兄君の股肱の臣として常にべったりと兄君の幕下にあって、行動を共にしてるんだよねー。

 

 あ~あ、誰か一人でも良いから全てを乗り越えて、私を熱烈に求めて恋愛をしてくれる人は現れないかなぁー?

 

 そんな事を考えながら本日の軍務を終えて夕食を終えた後、超巨大軍事衛星『ミッドガルド』に有る品の良いバーに向かったの。

 

 此処『ミッドガルド』には、シレノス星系と3つの星系から出向している帝国航宙軍人と、其れ其れの星系政府に於ける高官やその子弟が沢山集まっているので、惑星アレスの人々との出会いの場として重宝されているらしいわ。

 

 私も他の星系の方々と仲良く成りたいからやって来たんだけど、私に近付いて来るのは壮年の御婦人連れのオジサンか同年齢層の女性ばかりなの。

 

 きっと、勝手に私の周囲に居る女性SPと姿を消している女性の忍びが、事前に都合の良い人物しか通していないんでしょうね、全く巫山戯た話しだわ。

 

 暫くして私も少し話し疲れて来たので、『カルーアミルク』を舐める様にチビチビ呑んでいると、幾人かの女性の軍人を連れた母様達が入室してきたの。

 

 「あら、シェリスも居たのね。 貴方一人なの? セラスは?」

 

 「セラスは、軍務を終えた後同僚達と食堂で騒いでたので、私はその場を抜け出して大人の雰囲気とお喋りを楽しみに来ました」

 

 「あらそうなのね、それなら丁度良いわ。 新しく駐在武官として来られた惑星アレス以外の5つの星系出身の方々を紹介するわね!」

 

 「そうなのですね。 初めまして私はシェリスと申します。 公的な場では無いので身分は明かせませんので悪しからずにお願いしますね!」

 

 そう自己紹介してみたのだけど、母様達に連れられて来ただけに身分はバレているらしく、当初は恐縮されてしまったけど、一緒に『カシスオレンジ』・『モスコーミュール』・『ソルティードッグ』・『スクリュードライバー』を飲みながら会話して、中々仲良くなれたの。

 

 こんな感じで次々と女性の友人は増えて行くばかりで、暫くは男性との出会いは無さそうに思えて心の中で溜息をついてしまったわ。

 

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