皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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第三章 第53話

 「凄く楽しいわね、こんなに戦闘センスだけで戦えるのは本当に新鮮な気分!」

 

 「確かにな! これだけ何時もより不自由だと、普通の冒険者の戦う際の緊張感が感じられるぜ!」

 

 「そうね、身体が思うように動かないけどそれなりに臨場感が有るから、体験シミュレーションとしても面白いわ!」

 

 「いやー、結構本格的だよ此のアトラクションは! こういう風に普通人と同じレベルに落とされると見えてくる物が有るね。

 其れ其れの役割を的確に熟さないと得点上位には行けないから、再挑戦する人も多いだろうね」

 

 「然も、これってまだまだ『クラン・シャイニングスター』にとっては、序盤も序盤だから色々と膨らむませる事も出来るわね。

 是非私は続きが気になるから、開発者に会ってみたいわ!」

 

 と随分自分の仲間達のアトラクション、『シャイニングスター・アドベンチャーロード』の評価は非常に良い。

 

 結局午後は此のアトラクションだけを、5回も繰り返し入場してしまった。

 

 何と言っても、あくまでもナノム・ネットワークを介して超巨大なAR空間を構築し、実際に身体を動かしても違和感無く動ける様に、ナノムでの負荷をレベルに合わせて調整し、空気での緩衝材を実際に作り出す事で、例えば木や壁に触れると現物として感触を再現し、現実には空気の干渉を受けているだけである。

 

 お陰で幼い子供がAR空間を走り回って、他人とぶつかっても空気の緩衝材で怪我をしなくて済む。

 

 此の技術は、科学技術と魔法技術の高いレベルの融合でしか成し遂げられない。

 

 きっと、開発者は相当な頭脳と技術を、科学と魔法に置いて保有する天才と呼べる人物だろう。

 

 もしかすると帝国軍のシミュレーター等を参考にしているのかも知れないな? 所々で利用してきたシミュレーターに似ている部分が垣間見えていた。

 

 《そう考えると、恐らく開発者は帝国軍関係者だったのかもな》

 

 そう云う風に思いながら、今度の休みにも今回遊べなかった、『盗賊退治編』や『対魔物編2』を体験したいと思い、仲間達に同意を求めたら一も二も無く賛同してくれた上に、クラン規模の集団戦を体験したいから『キャメロット』と『百八家』の面々も誘う事にした。

 

 その後、全員を自分の『神機』の権能を使いシフト(位相差ジャンプ)で、お望み通りの場所へ送って上げた。

 

 最後に自分達6人は、一緒に『神威』へと戻ってきて夕食を共に摂りながら今日の楽しい思い出を語り合い、次の休みにも行く事を約束して其れ其れの私室に帰った。

 

 「サスケ! どうだい、調べてくれたかな?」

 

 「ハッ、今現在惑星アレスのアーカイブに載っている程度は判明していますが、これ以上となると惑星アレスでの調査が必要なので、暫く時間を戴きたい」

 

 「嗚呼、構わないよ。 あくまでも中々の才能有る人材を仲間に引き入れれるか? という個人的な願いに過ぎないからな。

 軍務どころか公務ですら無いから、期間は一切設けないよ」

 

 「了解致しました!」

 

 そう返事をすると、サスケはナノム・ネットワークから立ち去り、惑星アルカディアでの本来の任務に戻って行った。

 

 次に自分は眠る前のシャワーを浴びてから、ベッドに潜り込み今日のアトラクションを反芻しながら、自分ならこんな風に成人用や軍隊用のシミュレーターを作るのにと、夢の中で妄想した。

 

 普通通りの時間に目覚め、朝から昨夜の夢を思い返してにやけながら、軍務に就いた。

 

 何時も通りの1週間を熟し、着々と決戦に向けての準備を整えて行く中、『神威』内での休憩時間などで例のアトラクションの話題がそこかしこで囁かれている。

 

 《・・・此れは思っていた以上の盛り上がりだな・・・。》

 

 軍務内容の中でもシミュレーターを使用した、戦術シミュレーションは同様の内容が多いのだが、どうしても最近の訓練内容は『神機』を始め、己の搭乗する機体での訓練ばかりで、昔の帝国設立前の戦闘シミュレーションは非常に新鮮で面白かったのだ。

 

 そもそも、現在の帝国航宙軍の面々は幼い頃から当たり前の様に、帝国創立を神話の様に聞かされていて、親からは何らかの形で帝国が創立する事に関わってきた自身の自慢話をされている。

 

 特に自分に至っては、帝国はそのまま自分の家と云う思いが強烈に有る。

 

 何と言っても帝国の皇帝と皇后は自分の両親なのだ、当然帝国の歴史は自分の家の歴史でもある。

 

 やはり思い入れは、他の誰よりも自分達家族全員が強い!

 

 なので是非にもより素晴らしいアトラクションにして欲しいと思っている。

 

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