「素晴らしいですね、此れ程の機材を用意してくれるとは!」
「嗚呼、出来る限りの思い付ける用意はさせて貰ってるよ。 それに自分の組織である『キャメロット』から優秀な人材をどうか上手く起用してくれ!」
そう自分が言うと、後ろに控えていた2人の人物が前に進み出て、自己紹介して来た。
「私の名は『ラマヌジャン』と申します! あの素晴らしいゲームを一から製作された開発者たる貴方の手助けを出来る事が出来るとは光栄です! 数学の神に無限の感謝を!」
「某は『空海』と申す! 森羅万象をゲームに再現出来る術を持つ貴殿は、正に世界に曼荼羅図を構築されている様だ! その偉業を補佐させて頂きたい!」
此の2人は自分より3歳年下だが、其れ其れの分野で自分を遥かに凌駕する実績を持つ、自信を持ってレオナルドに勧められる『キャメロット』の誇る英才である。
「此の2人を中心として50名のスタッフを現在用意しているし、ナノム・ネットワークを利用した惑星アルカディアでのリサーチ協力者は100万人体制を構築している。
是非有効に利用してくれ給え!」
そう言ってレオナルドを改めて見直すと、早速『ラマヌジャン』と『空海』の二人と視線で勝負するかの様に、互いに視線を交差させて相手の力量を測っている。
暫くの間二人と視線を交わしあい、非常に満足したかの様な喜びを伴った歓喜の言葉を、レオナルドは自分に申告して来た。
「感謝します、アポロニウス様! 此れ程の人材を付けて下さるなんて!
此の分だと、望まれた対バグス用の『戦略・戦術シミュレーター』を、かなりの完成度で製作出来そうです!
但し、当然ながら最高軍事機密へのアクセス権を、私に渡して頂きたい!」
「当然な願いだ。 無論自分と同等の無制限アクセス・コードを、君に譲渡するよ。
思う存分敵バグスを研究して、限りなく奴らの行動原理と思考パターン、そして目論見を推測出来る『戦略・戦術シミュレーター』を製作する事に、全力を尽くしてくれ!」
「「「お任せ下さい!」」」
図らずもレオナルドを含む3人は、一斉に片膝を着いて答えてくれた。
こうして、対バグスへの『戦略・戦術シミュレーター』開発チームは発足したのであった。
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「何だか凄いレベルの細かさで、バグスや奴らの使う怪物達や大怪獣の資料を調べてるみたいね。
細胞レベルの生体調査から、徹底的な戦闘履歴の見直しと、過去の惑星アレスでの戦闘履歴の比較をして、宇宙での行動の限界点と何処までの強化が可能か? という予測数値まで割り出して居るらしいわ」
「らしいね。 それどころか現在の帝国が所有する兵器や魔法、そして戦略物資までデータを読み込んでいる様だよ。
もしかすると、自分達帝国航宙軍が見落としている、対バグスへの攻撃手段も編み出してくれるかも知れないな」
「色々と噂になってるぜ! レオナルドは人間どころかドラゴン達にもリサーチしてるそうで、親父の元騎竜でドラゴン軍団の纏め役『ガイ』がレオナルドからAR空間で、凄い質問攻めにあったってさ!」
「私も、剣術の事で奥義の事まで念入りに聞かれて、どう答えて良いか困ってしまったわ!
しょうが無いから、ナノム・ネットワークで公開している分までは答えられたけど、秘奥義までは無理よ!」
「僕にも来たけど、魔法の話しで様々な効率化まで話が及んで、聞き取りじゃなくてディスカッションになっちゃったよ」
「何故か私には剣術では無くて、私の愛機『天照』の権能である、恒星からのエネルギー収束率と他の『神機』への譲渡効率の話しになったわ」
「同じく、私にも『九尾』の権能と魔力変数の話になって、結構『九尾』の由来とその成り立ちまで応える羽目になったわ」
仲間もレオナルドの研究熱心さに、やや呆れているようだ。
だけど、それが今後の対バグスへの『戦略・戦術シミュレーター』に活かされる事が判っているだけに、出来るだけ協力しているようだ。
「実は、まだ対バグス用でこそ無いが、過去の帝国軍が争った相手で『古きものども』の眷属との『戦略・戦術シミュレーター』が出来たそうだから、今から向かおうと思う。
皆も来るだろう?」
「「「当然!」」」
凄い意気込みで返事されたので、苦笑しながら自分は頷き『メタトロン』に惑星アルカディアの開発室へ、全員シフト(位相差ジャンプ)させた。
「御来訪有り難う御座います」
と、『ラマヌジャン』と『空海』の二人が出迎えてくれて、早速自分を含む仲間達全員で『戦略・戦術シミュレーター』の専用コミュニケーターである、ヘルメット型のインターフェイスを頭に被る。
そして直接生身では無く、深層意識まで『戦略・戦術シミュレーター』にダイブ(潜る)為に、其れ其れに用意されたコクーン(繭状のコックピット)に乗り込んだ。
いよいよ、レオナルド謹製の『戦略・戦術シミュレーター』の雛形を試せる事に、自分と仲間達は興奮しながら意識をダイブ状態にして貰うのだった。