皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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第三章 第68話

 (『帝国航宙軍レオンハルト大尉』視点)③

 

 第二試合は剣同士の対決で、主君と元部下の『田中新兵衛』との対戦である。

 

 主君と田中新兵衛は、双方共に赤樫の木刀を握り結構な距離を置いて対峙して居り、審判役は島津義弘が務める。

 

 「おはんさあらな、準備はよかど?」(双方、準備は良いか?)

 

 と審判役の島津義弘が確認すると、

 

 「良か!」

 

 「良いぞ!」

 

 と二人が返事して、蹲踞から立ち上がった。

 

 「始めるが良か!」(始めよ!)

 

 次の瞬間、双方が同時に『蜻蛉の構え』を取り、ほぼ同時に猿叫が双方が上がる。

 

 「「きえええぇぇぇ-!!」」

 

 そして同時に突進し始めて、まるで鏡の様に剣が振り下ろされる!

 

 「「チェストーーーッ!!」」

 

 「ゴッ!」

 

 同じ掛け声と同時に振り下ろされた赤樫の木刀は、凄まじい衝撃音を発して2本共に折れた!

 

 真っ向勝負のぶつかり合いで赤樫の木刀が折れたのだが、主君は折れたままの木刀で田中新兵衛の肩口に叩き込んで、田中新兵衛は倒れ伏した。

 

 その後、残心の構えを取る主君を下がらせ審判役の島津義弘が確認し、田中新兵衛の失神を確かめて即席の担架で運ばせて行った。

 

 何故か、非常に嬉しそうな顔をして第三試合の主君の相手、『島津豊久』が真剣を主君に放り投げて来て、主君は空中で其れを掴み真剣を抜いてみて状態を確認してから、島津豊久に対してにこやかに笑い返す。

 

 お互いに話し合いもせずに、距離をとって対峙した。

 

 「おはんさあらな、準備はよかど?」(双方、準備は良いか?)

 

 と審判役の島津義弘が再度確認すると、

 

 「良か!」

 

 「良いぞ!」

 

 と二人が返事して、蹲踞から立ち上がった。

 

 そして第二試合と同じく、双方が同時に『蜻蛉の構え』を取ったが唯一違うのは、木刀では無く双方真剣である事だ。

 

 「始めるが良か!」(始めよ!)

 

 と審判役の島津義弘が声を掛けたが、今度は第二試合と違い双方共に互いに近付かずに、距離をとったまま其れ其れが気を練る様に充実させ、まるで己をただの一本の刀とするかの如く純粋さを増した気を周囲に放っている!

 

 《・・・す、凄いな・・・。》

 

 ただ、見ているだけで冷や汗をかいてしまう中、二人はほぼ同時に猿叫を轟かせた!

 

 「「けえええぇぇぇ-い!!」」

 

 天を衝く様な猿叫は、周囲の空気をビリビリと揺らして、『アルバス・ダンブルドア校長』とその他の先生方そして自分の肺腑を震動させた!

 

 「「チェストーーーッ!!」」

 

 その掛け声と同時に打つかりあった主君と島津豊久は、斬り結んだ次の瞬間に鍔迫り合いをせずに、一足で後方に距離をとり次の瞬間、同時にまたも突進した!

 

 「「キィエーイ!!」」

 

 此のぶつかり合いは、やはり地力が半端でない主君が競り勝った様で、島津豊久を仰向けに打倒した。

 

 しかし島津豊久も天晴な事に、仰向けに倒れても真剣を握ったまま気絶していた。

 

 周囲に何時の間にか集合していた『サツマ寮』の寮生が、直立不動で我々の前に勢揃いしている。

 

 其処に審判役の島津義弘が、甥の島津豊久を担架に乗せて担ぎ出させてからやって来た。

 

 すると、突然、主君とアルバス・ダンブルドア校長とその他の先生方に向かい土下座して来て、周囲の『サツマ寮』の寮生達も同じく土下座して来た。

 そして島津義弘は主君と先生方に言葉を述べて来た。

 

 「散々ご迷惑ば掛けて、申し訳ござらんでした! 今までの行いが責任ば全ておいの所為でごわす!

 そん責任ば、おいの切腹の一つで許してくいやんせ! 部下ば全員おいの思い込みに付き合っただけでごわんど!」(散々ご迷惑をお掛けしまして、申し訳ございません! 今までの所業の責任は全て私に有ります! その責任を取るに当たって是非、自分が切腹する事で許してくださらんでしょうか? 部下の行為は全て自分が扇動したもので部下が自主的に行動した訳ではございません!)

 

 と上着を諸肌脱いで鍛え上げた腹を晒して来た。

 

 その姿を見て、主君は島津義弘の眼の前で正座して、同じ目線となると問い掛けた。

 

 「・・・不思議だったんですよ・・・、貴方方の前に所属していた抵抗軍での功績を確認しても、素晴らしい功績と能力を示していて、此の様な半ば反乱と変わらない行動を取る人々とは思えない!

 何故、此の様な暴挙に走ったのか、島津義弘殿、貴方の口から説明して頂けませんか?」

 

 その主君の問いに、島津義弘は居住まいを正して答え始めた。

 

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