対バグスへの準備は着々と進んでいる。
ワームホールでの激戦を終えた後、凡そ3年経つが敵バグスの大軍団は『虚無(ヴォイド)』宙域に、兆と云う単位のバグス艦隊を集結させてから、銀河系内に蔓延っていたバグス軍を撤退させている。
此の動きは、我等の銀河系だけの動向では無くて、近傍のアンドロメダ銀河やボーデの銀河そして大マゼラン雲・小マゼラン雲にも、同様の動きが観測されている。
恐らく一連の敵バグスの行動は、一旦、侵略行動を止めて軍団を再編成した上で、其れ其れの銀河系を各個撃破する為に戦力を一極集中しているのでは無いかと推測された。
更に言えば、『虚無(ヴォイド)』宙域の位置関係と敵バグスの大軍団が向いている方向から、我等が目下の目標で有る事も推測出来る。
つまり、3年前の激戦で敵バグスの大軍団に与えた被害は、我等の想像よりも遥かに大きかったのかも知れない。
ならば我等帝国航宙軍の方針は、奴等バグスの目論見を崩す事で有る。
奴等が此の惑星アルカディアを含むアルカディア星系の近傍きんぼに有った、暗礁宙域を重要視していたのは天然に存在するワームホールが有り、『虚無(ヴォイド)』宙域からの銀河系への流入が、ワームホールを通れば容易だったからである。
当初、我等帝国はまさかその様な天然に存在するワームホールが存在する事実を想像すら出来ず、てっきり大規模な生産拠点が暗礁宙域に存在あい、バグスの大艦隊や『宇宙大怪獣』は其処で生産されるものだとばかり思っていた。
しかし、自分の『神機メタトロン』の星系破壊奥義『フェーズトランスレーション・スターシステム・クラッシュ(相転移星系破砕)』の最大破壊力を解放する事で、天然に存在するワームホールを顕わにする事に成功した。
だがワームホールが顕わになる、と敵バグスの波状攻撃が我等、帝国航宙軍に雨霰の様に繰り返されたのだ。
幸い、帝国が予め幾つもの対応策を用意していた事で、その豪雨の様な敵バグスの波状攻撃を耐えきる事が出来た。
逆に此方が追撃戦を行おうと画策し、奴等バグスを追い込もうとすると、バグス共は天然に存在するワームホールの終端を無理矢理捻じ曲げて、我等帝国航宙軍の進撃を阻んで来た。
流石にそのワームホールの捻じ曲げを、簡単に復旧する事は出来ず。
我等は一旦、奴等バグスの追い込みを諦める事にするしか無かった。
然も、バグス共にとって此のアルカディア星系と、天然に存在するワームホールを帝国が奪取した事は、大変大きな出来事だったらしく、近くの星系群から直ちにバグスの大艦隊は占拠を止めて、『虚無(ヴォイド)』宙域に撤退して行ったのだ。
其の敵バグスの動向を見極めて、帝国はシレノス星系とアルカディア星系に近い3つの星系へ進行し、一気に解放する事に成功した。
3つの星系とも『スターロード』で繋ぐ事で、物流と超FTL通信による情報連結が出来る様になり、文化交流と軍事交流が進んでいった。
お陰で合計6星系が此の銀河系に於いて、バグスから完全に自由な版図となった。
そして惑星アレス以外の5星系からも、父上の『人類銀河帝国』初代皇帝の就任が承認され、真の意味で新たなる『人類銀河帝国』が発足した。
其れは同時に、6星系の『人類に連なる者』が帝国の航宙軍に参加する事となった。
然も、其の代表となったのは人類銀河帝国皇帝の父上では無く、自分が請け負うこととなり、父上は政治的な代表となって自分が代表する帝国航宙軍を、バックアップする事に注力する体制となった。
父上のお陰で自分は、後顧の憂い無く軍事に専念する事が出来て、幾つもの壁が出現しても父上達がフォローしてくれたので、全ての壁も打破する事に成功した。
いよいよ全ての準備が終わり、ワームホールの終端を元に戻す成算も立った。
さあバグス共よ、新たなる『人類銀河帝国』の最初の砲火を浴びて貰おうか!
今回で、第三章が終了致しました。
次回から最終章に入ります。
但し、あくまでも主人公であるアポロニウスの物語の最終章で、当然その後も『人類銀河帝国』の歴史は続いて行きます。
正直な処、かなり端折った物語(特に学園編)が多かったので、若干の完成度の低さを自覚していますが、それは別の物語で解消したいと思って居ます。
どうかこんな拙い文章にお付き合いして頂けた皆様!
最後まで読んで頂けると幸いです。