迎賓館に着いてから、僕達は一旦荷物を部屋に置いてから、学校のみんなと合流して行動を共にした。
先ずは我が校の代表選手に会いに行って先輩を激励すると、他の国の代表選手達とも交流を深めに激励しに行った。
様々な人種が一堂に会している姿は、中々自分達が居る帝国以外の人々が如何に多いかと思い知らされた。
そんな事を考えながら学校のみんなと別れて、迎賓館に親友達とリムジンで帰り、弟妹達と母様ズと合流して、『第7回 世界武道大会』の前夜祭会場に向かった。
控室に着くと、父様と世界の重鎮の方々が、大きなサロンルームで談笑しているのが目に入り、次に親友達が其れ其れの両親と共に、一目見て武道家と判る人達に挨拶している姿が見える。
直ぐ様、僕達家族を見つけた父様が迎賓館職員に命じて迎えに来させると、サロンルームの扉が開かれて僕達家族は父様の元に向かう。
「良く来てくれたな。
皆さん、私の家族が合流してくれました!
紹介しますのでお集まり下さい」
と世界中のVIPに、僕達、帝国皇室一家を父様が紹介して行く。
余程紹介したかったのか、凄く楽しそうに紹介するので、父様に恥を掻かせる訳にはいかないから、快く応じて卒なく熟していた。
結構その辺の教育をしっかりとされている弟妹達も、始終にこやかに子供っぽく笑って対応している。
《・・・見事に猫を被ってるな・・・。》
やや呆れた気分で弟妹達を横目に、アラム共和国(アラム聖国を解散して、議会制の国家として新生な国家となった)の代表である藩王のお孫さん(18歳)と会話していた。
その会談も終わり、疲れたなと心の中で呟いていると、父様が頭を撫でてくれて人には判らない形で、ナノムでの接触回線を開いて来た。
【アポロ、疲れてると思うが、今からがお前にとって真の意味での『国家会談』となる、帝国皇太子の気概をみせろ!】
【・・・どう云う意味ですか父様・・・?】
と二人して、表情を変えずに秘密の接触回線を行う。
そんな二人の前に、崑崙皇国の皇帝夫妻『李世民』様と『妲己』様が、颯爽とした歩みで僕達帝国皇帝一家に近付いて来た。
「お久しぶりです、『李世民』様・『妲己』様!
先年の6歳誕生日には、大変素晴らしい玉製の『鳳凰像』をプレゼントしてくださり、ありがとうございました!」
「いや、私と妲己も子供へのプレゼントが判らなくて、玩具を送ろうと考えていたんだが、娘に帝国皇太子にプレゼントするなら、格式に応じた価値ある贈り物を送らなければいけない、と諭されてね。
娘が自ら選んでくれたんだよ!」
「それはそれは、良い目をお持ちの娘さんですね。
是非、感謝を述べたいと思いますのですが、今度娘さんに感謝のお手紙を送りたいと思いますのですが、宜しいでしょうか?」
「それには及ばないよ、『褒姒(ほうじ)』姿を現しなさい!」
と李世民様が、後ろを振り返り娘さんを呼ぶ。
しかし、僕の目には誰も見つけられない。
【・・・父様?!】
【お前も、まだまだだな!】
と父様が接触回線を通して苦笑すると、
「褒姒ちゃん・・・隠形技術も、今少し磨かないとな・・・。」
と言うと、右手を翳して『ライト』の魔法を李世民様の背後に放った。
すると、不自然な影が李世民様の背後に浮かび上がる。
「チェッ、やっぱりアラン様には通じないか!」
といきなり女の子の声が、その影から聞こえて来た。
次の瞬間、ブワツ、と光り輝く符が地面から舞い上がり、僕と同じ位の女の子が『日の本諸島』特有の巫女服を身に纏い出現した!
「アラン様、だってまだ1月しか経っていないんですもの、もう1月あれば完璧に隠形して見せますわ!」
そんな勝ち気な言葉を帝国皇帝に、堂々と申告するその女の子は特徴的過ぎた。
いや、正直な処似ている人を今まで見たことがなくて、人類とは思えない程に他人と違い過ぎた!
何故なら僕に向きを変え、正面を見据えた女の子の目は白銀だった、いや眼だけでなく髪の毛と眉毛も白銀なので、恐らく全ての毛が白銀なのだろう。
その燃え立つ様な白いオーラは、一際目立ち、彼女が隠形の術を学ぶ理由が良く判った。
「それにアラン様、我の名は確かに褒姒ですが、『日の本諸島』に留学するにあたって『賀茂忠行』師匠から貰った諱の『玉藻前(たまものまえ)』を今後名乗って行きたいと思いますので、アポロニウス皇太子殿下!
我の事は『玉藻前(たまものまえ)』とお呼び下さいませ!」
と、堂々と頭を下げずに踏ん反り返って名乗って来た。
崑崙皇国の皇帝夫妻『李世民』様と『妲己』様が、慌てて窘めようとしてきたが、父様と母様ズがそれを止めて僕の返答を見守っている。
「初めまして『玉藻前(たまものまえ)』様。
僕は、アポロニウスと言います。
どうぞ、アポロとお呼び戴けると幸いです。
そして此処に居る子供達が、僕の弟妹達です。
今後は弟妹達と共に、仲良くしてください!」
と挑戦的なオーラを受け流しながら答えて上げると、やや訝しむ様な顔をした『玉藻前(たまものまえ)』が、崑崙皇国の皇帝夫妻と一緒に僕の弟妹達と挨拶を交わし始めた。
その後は、特に特筆すべき出来事は起こらなかったが、随所で彼女の視線を感じる事になった。
此れが、『玉藻前(たまものまえ)』或いは『白面』と僕の出会いだった。