皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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最終章 第4話

 敵バグス共にとっても、一連の被害と消耗は無視出来る代物では無くなったらしく、突然我等『殴り込み艦隊』が布陣している、ワームホール出口周辺からかなりの距離をとり、ゆっくりと体制の入れ替えを行い始めた。

 

 その間は、自分達としても油断しない形での、様々な補給を受ける好機なので、偵察をしながら弾薬や魔法カートリッジ等の補給を済ませた。

 

 やがて、体制の入れ替えを終えた敵バグスの大軍団は、布陣の前面に妙な壁を設けて、何だか中途半端な大きさの機動兵器が姿を現せた。

 

 そいつ等は、何だか大きさにバラツキの有る塊を6個運んで来た。

 

 《・・・岩塊?! いや、そんな物を、こんなタイミングで運んで来るか・・・?》

 

 何をしようとしているのかサッパリ判らずに、補給を終えた『殴り込み艦隊』は『レギオネル・カノン』を発射して、半分お役御免になった無人艦を前面に押し立てて、数十に及ぶ魔法的な障壁を施して、あらゆる攻撃に備えた上で、敵バグス共のしようとしている事を窺う。

 

 すると、かなり離れた所に配置して、此方を観測させていた超探査プローブが、ある事象を観測し報告して来た。

 

 敵バグスの大軍団の中心近くに集合していた、惑星レベルの大きさを誇る『宇宙大怪獣』凡そ1000体が、徐々に萎み始めて行きそのまま漏斗状に6個の塊に全て吸い込まれて行った。

 

 《な、何だ?!》

 

 何か途轍も無い事が起ころうとしている事に、理屈抜きで気が付いて『神機メタトロン』に命じて、仲間の『神機』全機と共に『殴り込み艦隊』全ての前面にシフト(位相差ジャンプ)させた。

 

 そして、直ぐ様『ディストーション・フィールド(時空歪曲場)バリアー』を展開して、そのまま様子を窺う。

 

 『宇宙大怪獣』凡そ1000体を吸収した6個の塊は、有り得ない事に殆ど変化が無い。

 

 惑星レベルの大きさの『宇宙大怪獣』凡そ1000体が吸収されたのに、変化が無いなどという物理法則を完全に無視した状況に、我々『殴り込み艦隊』に所属する全ての軍人が、事の異常さを認識して固唾を呑んで6個の塊を凝視している。

 

 「・・・ズーーーーーーーンンンッッ・・・・・・」

 

 何かの重低音が轟いた気がした・・・。

 

 しかし、宇宙空間で音?、と疑問を抱いた瞬間、またも同様の重低音が響く・・・。

 

 段々と、重低音の間隔が狭まり、其れが何か漸く我々は気付き始めた・・・。

 

 《・・・鼓動だ・・・、恐らくは・・・。》

 

 其れを裏付ける様に、6個の塊は大きな振動から少しづつ微細な脈動へと変化して行った・・・。

 

 やがて、其の脈動に応じて塊の間から、黒い光が漏れ出て来る。

 

 此の漆黒と言って良い『虚無(ヴォイド)』宙域で黒い光が、観測出来る?!

 

 その異常さに驚いていると、珍しく『神機メタトロン』が自分に注意勧告して来た。

 

 【来ます!】

 

 其の注意勧告を受けた次の瞬間、6個の塊の表面がボロボロと崩れ去り、中から何かが出現して来た!

 

 其れは当初、不定形な6個のスライムに見えた・・・、しかし、徐々に形を成して行き、最終的には有り得ない事に、我々の『神機』そっくりに変貌してしまった!

 

 【・・・『魔神機(まじんき)』・・・】

 

 と『神機メタトロン』が呟く様に言って来たので、

 

 「・・・メタトロンよ、『魔神機(まじんき)』とは何だ?」

 

 と問うと、コックピット内のモニターにテキストが流れてきた。

 

 曰く、『魔神機(まじんき)』とは、我等の『神機』が神々に創造された物であるのと対称的に、『古きものども』が『神機』に対抗する為に創造した機体らしい。

 

 其の実力は、『神機』と同格か其れ以上であるが、我々と違いパイロットを搭乗させていないそうだが、それ故にパイロットを考慮した様な機動を行わず、信じられない機動で攻撃して来るそうだ。

 

 つまり敵バグスの側に、『神機』でしか対抗出来ない存在が現れた事を意味する。

 

 突如、気持ちの悪い風が吹いて来る・・・、厳密に言えば風と云うか所謂宇宙風なのだが、途轍も無い悪意を含んでいる為に、『殴り込み艦隊』に所属する全ての軍人が総毛立った!

 

 其の風は、明らかに『魔神機(まじんき)』6機から吹いて来るのだが、まるで動きが無いのに風だけが吹いて来る。

 

 此の物理的な常識を全て無視した風は、ドンドンと異常性を増して行きいよいよ破壊力を伴って来て、我々『殴り込み艦隊』に叩きつけて来た。

 

 このままでは、信じられない形で被害を負ってしまうと判断し、対抗出来る『神機』だけで対応する事を決断した!

 

 そう、些か予想していなかった形で、戦闘は第二局面を迎えたのだった。

 

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