皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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最終章 第5話

 「皆、想定パターンの一つである、『切り離し作戦』を断行する!

 『魔神機(まじんき)』諸共、『虚無(ヴォイド)』宙域の遥か彼方に飛び、決着を着けるぞ!」

 

 「「「了解!!」」」

 

 ゆっくりと『魔神機(まじんき)』に近付きながら、仲間達と共に臨戦態勢を整えて、最長距離を飛ぶべくシフト(位相差ジャンプ)範囲を設定する。

 

 『魔神機(まじんき)』6機も、我々『神機』以外は興味は無いらしく、我等『神機』の動きに同調して迫って来た。

 

 猛烈なプレッシャーが魔神機から叩きつけられる中、必死の思いで臆する心を叱咤し続ける。

 

 《・・・判っていた事だ・・・、此方は此の小宇宙でも比較的に小さい銀河系でも、万分の一程度でしか無い6星系だけのちっぽけな勢力でしか無く、敵バグスは幾つもの銀河系を遥かに越える規模の星雲を侵略していたバグスの大軍団!

 魔神機は、そんな奴等が満を持して用意していた我等へ対しての切り札だ!

 神機を倒せる自信がある機体なのは、想像に難くない!

 実際に叩きつけられる猛烈なプレッシャーは、神機を遥かに越える実力を窺わせる・・・。

 だが、負けるわけにはいかない!

 我々が負ければ、事実上『人類に連なる者』の敗北が決定するのだから・・・!》

 

 魔神機と神機、合計12機はある程度の距離で向かい合い、凄まじいプレッシャーが対峙した空間の中心で軋み合い空間が裂けてしまいそうだ!

 

 「・・・跳ぶぞ、超遠距離シフト(位相差ジャンプ)!」

 

 次の瞬間、魔神機と神機、合計6機は戦場から遥かに離れた『虚無(ヴォイド)』宙域に跳躍し、同じ体勢で出現したのだが、そんな事には双方共にまるで意に介さず、お互いを鏡を見つめる様に睨み合っている。

 

 「・・・やるぞ! 各々最強状態にモード変更! 其々で戦わずフォーメーションを組んで戦うぞ!」

 

 「「「了解!!」」」

 

 直ぐ様『神機』達は、其々が独自のフィールドに包まれて『メタモルフォーゼ(変身)』し始める。

 

 「『メタトロン』モード変更! モード『ルシファー』!」

 

 自分の愛機『メタトロン』は、紅色に染まる気(オーラ)を纏い己の最強モードに『メタモルフォーゼ(変身)』した。

 

 「『応龍』モード変更! モード『蒼龍(そうりゅう)』!」

 

 ケントの愛機『応龍』は、蒼色に染まる気(オーラ)を纏い己の最強モードに『メタモルフォーゼ(変身)』した。

 

 「『九尾』モード変更! モード『金毛白面(きんもうはくめん)』!」

 

 褒姒の愛機『九尾』は、金色に染まる気(オーラ)を纏い己の最強モードに『メタモルフォーゼ(変身)』した。

 

 「『天照』モード変更! モード『須佐之男命(すさのおのみこと)』!」

 

 サクラの愛機『天照』は、朱色に染まる気(オーラ)を纏い己の最強モードに『メタモルフォーゼ(変身)』した。

 

 「『ブラフマー』モード変更! モード『シヴァ』!」

 

 マリアの愛機『ブラフマー』は、黒色に染まる気(オーラ)を纏い己の最強モードに『メタモルフォーゼ(変身)』した。

 

 「『ガルガンチュア』モード変更! モード『ケルヌンノス』!」

 

 ロンの愛機『ガルガンチュア』は、緑色に染まる気(オーラ)を纏い己の最強モードに『メタモルフォーゼ(変身)』した。

 

 此の我等の行動に対して、特に変化を見せずに魔神機は様子を見続けているようだ。

 

 恐らくは、我等の『神機』達の能力を分析してより強くなろうとしているのだろうが、御生憎様だ!

 

 どんな事があろうと、魔神機は此の場で完膚無きまで殲滅する!

 

 此方の切り札と呼べる、幾つかの技や戦術を盗ませる訳には行かないのだから。

 

 早速、我等は『神機』達にフォーメーションを組ませて、魔神機に対して90度の角度で旋回した。

 

 先ずは奴等魔神機が、どの様な反応と機動力を示すかの確認の為の行動だが、奴等はほぼ等速で並行する様に間合いを保ったまま付いて来た。

 

 《・・・やはりか・・・、奴等にとってみれば神機の全機が『メタモルフォーゼ(変身)』した上に、フォーメーションを組んで旋回し始めたのだ、分析したくて仕方無いだろうな・・・。》

 

 想定していた一つの行動を取って来た奴等に対して、自分と仲間達は密かにほくそ笑む。

 

 自分と仲間達は神機に搭乗出来る事になってから、ひたすら訓練をする事で肝に銘じていた事が有る。

 

 其れは、如何に凄まじい強さを誇る神機であろうと、必ず凌駕される事があると推測されるからだ。

 

 敵であるバグスが本来の『人類銀河帝国』を滅ぼせたのも、人類に連なる者達の科学技術を取り込み模倣する事で、より強い兵器(『宇宙大怪獣』等)を生み出した事実が有る以上油断は出来ない。

 

 故に、常に自分と仲間達は神機と同等、或いは格上の敵と何時か遭遇するだろうと考えていて、其の為の戦術を幾つも編み出して来たのだ!

 

 いよいよ、其の一つの戦術を使用する時が来た。

 

 其の前段階である、ひたすらに加速をして行く。

 

 案の定、敵の魔神機は此方の加速に合わせたスピードを維持し、付いて来る事を優先し神機の情報分析に励んでいる様だ。

 

 《・・・恐らく、バグス共は神機の攻撃力を測った上で、魔神機は其れを防御し得ると判断したのだろうな。

 確かに、其の計算は正しい。 しかし、あくまでも単体同士ならば、と云う条件が付く!》

 

 其の事実を証明してやるべく、徐々にフォーメーションを組み直しながら加速し、タイミングを測る。

 

 《今だ!》

 

 心の内の号令で、我等の乗る神機達は或る戦術の一つを実行した!

 

 そして、結果として奴等魔神機の最後尾に居た一機を切り離す事に成功し、次元の彼方にて葬る事に成功した。

 

 今の今まで加速し続けた筈の両者達は、まるで移動し続けていた事が無かったかのように、相対したまま警戒し合っている。

 

 《・・・どうやら、困惑している様だな、然もありなん・・・。》

 

 思わず魔神機の当惑に苦笑しながら、自分は先程の光景を思い出して見たのだった・・・。

 

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