皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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最終章 第6話

 加速をし続ける事で、第三宇宙速度(太陽系脱出速度)を越えた段階に達し、予め準備していた神々(調整者)の遺産である『グラン・アーティファクト』を使用する。

 

 其の『グラン・アーティファクト』の能力は、完全慣性制御システムである。

 

 具体的には、指定された範囲の慣性の法則を制御して、運動している物体は等速直線運動を続けると云う法則を、一旦打ち消してしまいその慣性エネルギーをある一点に集約する事で、次元の壁すら越える凄まじい攻撃力に転化してしまう、物理法則を捻じ曲げてしまう代物だ!

 

 但し、其の絶大な能力故に一度使用すると、かなりの期間使用不能になるので、事実上此の戦闘では二度と使えない、しかし、魔神機を初期の段階で1機葬れるのであれば、十分な戦果だ。

 

 そもそもの順序はこういった内容である。

 

 先ず、奴等、魔神機が積極的に攻撃して来ずに、此方の様子を窺っている事から、恐らく同調する様な行動をした上で、此方が攻撃した場合には同時に攻撃して来て、其の威力でもって此方を上回り実力を見せつける意図が有ると推測されたのだ。

 

 敵バグスの此れまでの行動規範を考慮すると、明らかに個別の判断基準で動く事が一切無い事から、一つの統一意思でしか動いていなくて、あくまでもバグス一体一体は端末の様な代物だと考えられる。

 

 そうであるとすると、如何に魔神機と云う凄まじい機体も、其の統一意思の制御化に有り、其の統一意思の判断を越えた行動は出来ない。

 

 ならば、其の統一意思の考えをプロファイルして、予測出来る行動規範を逆手に取り、奴等魔神機が必ず此方の行動を見てから行動するので有れば、絶対にワンテンポ遅れて魔神機は動く事になる。

 

 そして案の定、同速で同調行動を取った魔神機を、指定された範囲に取り込んだ上で慣性の法則の制御化に置き、慣性エネルギーを一旦打ち消してしまい、いきなり神機と魔神機全ての動きを止めてしまい、其の反動エネルギーと慣性エネルギーの全てを、最後尾に居た魔神機に叩きつけたのだ!

 

 此の二つのエネルギーは、魔神機自身の質量と運動エネルギーが凄まじければ凄まじい程に、当然破壊力は増大する。

 

 つまり最後尾に居た魔神機は、己の存在と仲間である他の魔神機の強さによって滅んだのであった。

 

 如何に、膨大な情報を捌いている統一意思であろうと、こんな想定を遥かに越える神々(調整者)の遺産である『グラン・アーティファクト』なんて代物が有るとは、予測出来なかったのだろう。

 

 明らかに意思の無い筈の魔神機が、当惑している姿を見て思わず苦笑してしまうが、当然此方は奴等の当惑に付き合ってやる義理は無い!

 

 『神機メタトロン』の権能を使用して、短距離シフト(位相差ジャンプ)を行い、『神機』達全機を移動させると全機に攻撃体勢を取らせる。

 

 其れは、攻撃手段として上位の段階に位置する、『神機』達全機で行う合体攻撃!

 

 どうしても溜める手順が要るので、至近距離や移動中では使用出来ない攻撃である。

 

 やがて、当惑から回復したらしい魔神機達が、一気に接近して来たタイミングに、狙いを済ませて『神機』達による合体攻撃が繰り出された!

 

 『ビックバン・クライシス(極大膨張崩壊)!!!』

 

 此の合体攻撃は、コリント流剣術の『ビックバン・バースト』を、自分の『神機メタトロン』以外の『神機』達全機が行い、各々の剣から放出される神機の持つエネルギーを、『神機メタトロン』の持つ『エクスカリバー』が受け止めた上で増幅し、凝縮したエネルギーの玉を相手に叩きつける技である。

 

 当然、魔神機達も間抜けでは無いので、バリアーを張りながら突進しているから、前面に更にバリアーを厚くして凝縮したエネルギーの玉を弾いて、そのままぶつかって来るつもりの様だ。

 

 だが、そんな行動は想定済みで、バリアーに触れる瞬間に自分は『神機メタトロン』に命じた。

 

 「シフト(位相差ジャンプ)!」

 

 次の瞬間、一瞬だけかき消えた凝縮したエネルギーの玉は、再び出現しバリアーに触れる事無く、突進する魔神機の眼前で爆発した!

 

 「ドドドドドドドドドドーーーーーーーンン!!!」

 

 信じられない程の爆発で、一気に恒星並の大きさに膨れ上がったエネルギーは、魔神機達を包み込むとそのまま空間崩壊をし始めた!

 

 そんな『宇宙大怪獣』を複数纏めて倒す為に編み出した合体攻撃だが、何と魔神機達は少しばかり傷を負って居たが、あまり消耗した様子が無い。

 

 恐らくは魔神機達自身の耐久力が尋常では無いので、例え恒星と同等のエネルギー量であろうと、致命的な被害を負わせる事が出来ない様だ。

 

 またも、ある程度の距離を保ちつつ、我等の神機とバグスの魔神機は、圧倒的なプレッシャーを放ち合いながら対峙するのであった。

 

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