皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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最終章 第8話

 (新生『ナイト・オブ・ラウンズ』リーダー、第一席『劉備玄徳』)視点

 

 魔法爆雷弾『神雷(しんらい)』を敵バグスの大軍団に、バラ撒く様に撃ち込む事でバグスの艦隊はコントロールを失い、大混乱に陥っている。

 

 ラウンズの『機動武人(モビルウォリアー)』と『薩摩武士団』の『特化型パワードスーツ改』に施していた、完全不可知の隠蔽魔法が解けてしまったので、散発的に敵バグスの艦隊からの砲撃は行われるが、大混乱の中での砲撃なので、バグスの艦隊の同士討ちが起こりまくり更に混沌とした戦場になって行く。

 

 「良し、次は混乱していないバグスの艦隊に向けて吶喊する!

 やるぞ! フォーメーションの準備に入れ『島津義弘団長』!」

 

 「了解!」

 

 との威勢の良い返事を返し、『島津義弘団長』を代表とした『薩摩武士団』の『特化型パワードスーツ改』が、或るフォーメーションを取り始めた。

 

 其のフォーメーションとは、此処、半年前から『薩摩武士団』が必死に生み出した戦術の一つである。

 

 此の戦術を使用するには、我等、新生『ナイト・オブ・ラウンズ』の『機動武人(モビルウォリアー)』が、『薩摩武士団』の『特化型パワードスーツ改』を抱く様にして、防御しながら敵に対して無事に接近する必要が有り、使用した後も同様に防御しながら撤退する必要が有る、極めて連携が重要な戦術である。

 

 我等ラウンズは、元のメンバーのケント殿達が完全に『神機』部隊として運用される為に、ラウンズの立場が取りにくくなった為に、『百八家』の『機動武人(モビルウォリアー)』乗り全員がラウンズに入り、私『劉備玄徳』がリーダー且つ第一席となり、組織を統括して『薩摩武士団』と連携する事を主君『アポロニウス皇太子殿下』に求められた。

 

 元は崑崙皇国の『褒姒皇太女殿下』の配下として組織された『百八家』だが、既に崑崙皇国と『人類銀河帝国』は統合されたも同然だし、我等の意識としても主君は『アポロニウス皇太子殿下』と『褒姒皇太女殿下』のお二人になっているので、ラウンズに入る事に違和感は一切無い!

 

 準備が整い、我等、新生ラウンズの駆る『機動武人(モビルウォリアー)』12機は、フォーメーションを組んだ『薩摩武士団』の『特化型パワードスーツ改』を中心に置いて包む様に、軍団魔法『イフリート5』を発動させた。

 

 軍団魔法『イフリート5』は、宇宙空間であろうと燃え尽きない程の炎、つまり恒星のコロナと同等の10万度に達する炎を維持して、部隊の周囲を保護しながら突貫して行く軍団魔法である。

 

 「行くぞ!」

 

 「「「オウッ!」」」

 

 と、ラウンズ及び薩摩武士団のメンバー全員が一斉に応じて来た。

 

 「ゴオオオオオオッーーー!!」

 

 と周囲に有った、敵バグスの壊れた戦列艦を焼き尽くしながら、軍団魔法『イフリート5』を発動させた我々は、正に火球となって敵バグスの大軍団の中心に向けて突貫した!

 

 混乱に陥っていない、30億隻程の敵バグスの艦隊はビームを主とした攻撃を、我等に加えて来たが当然その程度の遠距離攻撃では、軍団魔法『イフリート5』を貫く事は出来ない。

 

 ビームでは意味が無いと理解した敵バグスの艦隊は、実体弾を主とした攻撃に切り替えて、我等の足止めを企図して来たが、所詮は只の金属等の物体弾なので、恒星のコロナと同等の10万度に達する炎の前には、一瞬で燃え尽きて行った。

 

 業を煮やした敵バグスの艦隊は、布陣を変えて当初の包囲陣から、守りに重点を置いた縦深防御陣形に変更して行く。

 

 しかし、其れは我等の望み通りの陣形でもあった・・・。

 

 何故なら包囲陣形とは異なり、ワザワザ、敵バグスの艦隊が集結して、此方を引き込んだ上で袋叩きしようという陣形なので、容易に敵バグスの艦隊の中心に到達出来るからだ!

 

 案の定、多層の防御線を突破して行くことで、後方に突破された多層の防御線が再編されて、後方を遮断して行く動きを見せる。

 

 そんな敵バグスの動向を一切無視して、敵バグスの艦隊の中心に存在する要塞艦と覚しき戦闘艦に、我等は肉迫する。

 

 「今だ!」

 

 自分の号令に従い、新生ラウンズの駆る『機動武人(モビルウォリアー)』12機が一気にフォーメーションを解いて、中に居た『薩摩武士団』の『特化型パワードスーツ改』を解き放った!

 

 次の瞬間、『特化型パワードスーツ改』80機は、携えている刀状のエネルギー・ソードを一気に延長させて、敵バグスの艦隊の中心に存在する要塞艦と覚しき戦闘艦に斬り掛かった!

 

 「「「「キエエエェェーッ!」」」」

 

 凄まじい猿叫を上げながら、『特化型パワードスーツ改』80機は正に『示現流』の一之太刀を、再現させて斬り込んで行く!

 

 「「「「チェストー!」」」」

 

 其の掛け声と共に、振り下ろされた刀状のエネルギー・ソードは、見事に要塞艦の分厚い装甲を貫いた!

 

 そして一斉に、此れまでの訓練通りに刀状のエネルギー・ソードの柄に、封入していた増幅魔法を解き放った!

 

 「獄炎斬撃(インフェルノ・ソード)!」

 

 軍団魔法『イフリート5』で纏っていた10万度に達する炎を、増幅魔法で温度を一気に上げて100万度に達する炎を纏う刀状のエネルギー・ソードは、要塞艦の分厚い装甲を簡単に斬り刻み、刀身も更に延長して周囲の艦隊をアッサリと斬り飛ばして行く!

 

 《・・・良し、訓練通りの戦果だ!》

 

 何百回も繰り返した通りに出来た事で、やや安堵すると直ちに退却の為の行動に移行した。

 

 其の後も、同様の行動で敵バグスの艦隊に被害を負わせる事で、徐々に敵バグスの大軍団は有機的な戦闘を行えなくなり、混乱の度は一層深まって行ったのである。

 

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