皇太子はツラいよ!   作:ミスター仙人

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最終章 第11話

 混乱したままの魔神機4機は、様々な種類の攻撃を加えた遠距離攻撃に切り替えて、包囲するようにして攻撃して来る。

 

 其れに対して、俺は『神機メタトロン』にエネルギーの両腕を作らせると、まるで帝国格闘術(インペリアルアーツ)に於ける、誘引の構え『天地上下の構え』を取った。

 

 そして魔神機の攻撃をエネルギーの両腕で触れた瞬間、クルンとエネルギーの両腕を回し円状に魔神機の攻撃を逸して、そのまま魔神機の方向に反転させた。

 

 遠距離からの攻撃であった為に、丁度俺の『神機メタトロン』と其れ其れの魔神機の中間地点で、魔神機の攻撃と反転させた攻撃がぶつかり合い、見事に相殺された。

 

 其の様子をかなり離れた場所で、神機の回復に努めている仲間達は、AR空間で声を掛けて来てくれた。

 

 「大丈夫なのアポロ? 貴方の神機もエネルギーが殆ど無いのでしょう?」

 

 「問題無い、奴等の攻撃エネルギーを適宜に変換して、神機に補填しているから大丈夫だ!」

 

 「僕達の神機は、エネルギー補填を『亜空間』から出来たけど、後30分しないと『リミットブレイク(限界突破)2』は使用出来ないよ。

 何とか耐えてくれないか、アポロ?」

 

 「当然其れまでは耐えるし、出来れば次回は『リミットブレイク(限界突破)3』を発動させたいから、後2時間は頑張るよ!」

 

 「エッ?! そんなに耐えれるのかよ、アポロ?」

 

 「勿論だ! 此の事態の為に修行したのだからな。 其れよりもお前達も一刻も早く『リミットブレイク(限界突破)3』を発動させる為に、『小周天の法』でチャクラを練り上げろよ!」

 

 「判っているわ! 『明鏡止水』には達して居ないけど、その前段階までは到達してる。

 今の限界を越える状態にまで引き上げて見せるわ!」

 

 「頼んだぞ、褒姒! 俺は此の2時間を耐えきる為にこそ、今迄の努力が有ったと思っているので、全てを賭けて時間を稼いで見せる!」

 

 そんな遣り取りをAR空間で行い、仲間達も必死に回復とより上の段階での限界突破を目指している事を把握し、より一層俺が奴等魔神機の攻撃を全て無効化してやるとの思いを強くした。

 

 其の後も、色々な手段の攻撃を魔神機4機は繰り返して来たが、当然俺は『鏡花水月』によって全て反転させて、一切仲間達の神機に攻撃を届かせない。

 

 暫くして、ピタリと魔神機4機は動きを止めて、全く動きを見せなくなった。

 

 《・・・ん?・・・、どういうつもりだ? もしかすると気付いたのか?》

 

 ほぼ完璧と言える『鏡花水月』だけど、其れはあくまでも受けの技術。

 

 敵が攻撃してくれないと成り立たない技なのだ。

 

 つまり、此方からの攻撃技術では無いので、勝負を決める技では無い。

 

 暫くすると、魔神機4機は我等神機の姿を模していたのを止め、不定形な流動物に変わるとそのまま停滞している。

 

 《・・・ふーむ・・・、此の可能性も考慮していたが、何故停滞しているのだろう・・・?》

 

 謎な元魔神機の不定形な流動物が陥っている停滞状況に、此方としては大変助かるのだが、バグス共の意図が判らずに警戒を強めていると、やがて不定形な流動物となっている元魔神機は、いきなり動き出したのだが其の方向は我等神機にでは無く、バグスの大軍団が集結している元の場所にであった・・・。

 

 《まさか、撤退したのか? 恐らく魔神機はバグスにとって一つの切り札であった筈だ。

 でなければ、『宇宙大怪獣』1000体を犠牲にしてまで復活させるなんて有り得ない!

 とすると、何らかの強化手段が存在するのか?》

 

 そんな風に思考を進めるとAR通信で『殴り込み艦隊』から、敵バグスの大軍団がラウンズの『機動武人(モビルウォリアー)』と『薩摩武士団』の『特化型パワードスーツ改』の猛攻撃を受けて、大混乱しながら無謀な追撃戦をし掛けて来たので、徹底的に迎撃した処、敵バグスの大軍団は這這の体で撤退したらしい。

 

 成る程、となると確かに体制を再構築する為に、一時撤退したのも頷けるな。

 

 そんな考えに至り、若干、警戒を緩めるかと考えていると、凄まじい宙震が此の『虚無(ヴォイド)』空間を揺らした!

 

 《な、何だ?》

 

 其の揺れは漸く全ての回復を終えて、行動出来る様になった仲間の神機達と、『殴り込み艦隊』に合流して前面に布陣していた我々に、其の宇宙空間を振動させる様に襲い掛かってきた!

 

 其の揺れの中心と思われる敵バグスの本隊から、途轍もなく巨大な存在が出現し始めた!

 

 《・・・デカい、デカすぎる?! 恒星とほぼ同じの大きさの物体など、物理的な常識では有り得ない! 質量の限界点を優に越えていて、此処まで行くとガス状で集合するか、白色矮星にならざるを得ない筈だ!》

 

 そもそもこんな巨大な代物が存在すれば、事前の段階で判明しそうなものである。

 

 暫くの間、自分を含む帝国航宙軍の全員が呆然としていると、撤退して行った敵バグスの大軍団は、いきなり原型を崩し始めて、其の巨大過ぎる代物に吸い込まれて行った。

 

 此の時より、敵バグスの大軍団との戦いは、第二幕に移行したのであった。

 

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